沖縄コンフィデンシャル ブルードラゴン (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 79
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087455496

作品紹介・あらすじ

沖縄発の危険ドラッグの蔓延を防げ! 二十年以上前に突然姿を消したノエルの父・元海兵隊員のケビンが捜査線上に……。地元沖縄でも話題になった県警シリーズ第2弾。いきなり文庫。(解説/細谷正充)

感想・レビュー・書評

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  • 沖縄県警を描いた「交錯捜査」の続編。
    前作で事件が解決しないままだったので、今作で事件のその後が描かれるのかと思ったら、全く別の内容でびっくり!
    中国マフィアとの対峙はどこへ行ったのやら…
    この作品、とにかく警官なのに、仕事をしないでさぼっているようなシーンが多い。
    今作も仲良し同期3人プラス米軍のMPのケネスの4人で飲んでいる時に、違法ドラッグで突然倒れた米兵を見つけたことから物語が始まる。
    違法ドラッグを売っていた売人は腕にブルードラゴンの刺青が入っており、その売人が新種のドラッグを格安で観光客などに売っていることから、県警の管轄内で異常な事件が多発する。
    この売人、そしてその上にいるボスの狙いは一体何なのか?
    反町たちは捜査を進めていく。
    と言うストーリーなのだが、とにかく、いろいろ突っ込みどころが満載。
    すぐ仕事を抜け出して、お茶するし、女に会いに行くし、捜査以外のシーンがとにかく多い。そして、肝心の捜査は行き詰ったかと思うと、突然反町がひらめき、裏取りもせずに踏み込んでしまう。そして、いつも空振り。沖縄の事情は分からないけど、沖縄県警はいつもこんな間抜けな捜査をしているのかと思うぐらい、酷い。
    今作では、事件は解決したけど、あまりすっきりしないし、1作目の決着はつかないまま、3作目へ持ち越し。
    やっぱり、この作家さんに警察小説は期待してはいけないのかも…

  • 沖縄県警シリーズ 第2作目。ブルードラゴン。沖縄をベースにした危険ドラッグをめぐる物語。読み終わって感じたのは、勇気あるラブストーリーだ。サーファー刑事 反町の素直な性格が実にうまく描写されている。芯の強さがよく出ている。ノエルの父親は失踪することで、ノエルは父親探しをするために警官となる。ところが、その父親は、香港マフィア ブルードラゴンの頭ジェムソウだった。生きていてほしいと願いながら、悪への道に入り込んでいる父親に対して、敢然とたち向かう。父と娘の対決。そして、ノエルの友人だった安里愛海もハーフだったことで、ノエルが幼い頃から、友達として支えてくれた。その愛海に、反町は恋をするのである。しかし、愛海には隠された過去があった。
    ブルードラゴンは、危険ドラックを吸引から錠剤に変え、そしてその錠剤は、凶暴性がまし、セックスに快楽を与える。安く裁くことで、その錠剤を使用したものは凶暴化し、人を殺す事件が多発する。その事件が、沖縄だけでなく、東京にも広がって行く。
    沖縄の米軍基地の犯罪が、治外法権であり、軍人の犯罪も日本で裁くことができない。そ言う中で、危険ドラッグが、沖縄の米軍基地でも広がっている。ブルードラゴンのXデイとはいつか?そして、何を狙いとしているのか?
    反町の愛海に対する想いが切ない。「女は魔物だ。何を考えているのかわからない。」と言うことだ。さらに、ノエルの父親への心情。
    沖縄と犯罪を絡めてのラブストーリー。ふーむ。切り口が面白い。

  • 前作で余韻を残し
    新たに危険(違法)ドラッグに関する事件が起きて
    首謀者、黒幕の目的が次第に露になるとともに
    日米間それぞれでの立場による隠ぺい、対処が。。

  • 高嶋哲夫『沖縄コンフィデンシャル ブルードラゴン』集英社文庫。

    沖縄を舞台にした本格警察小説シリーズの第2弾。沖縄の特殊性を上手くストーリーに織り込みながら、若手刑事の反町とベテラン刑事の具志堅、赤堀、ノエルの活躍を描く。文庫書き下ろし。

    那覇市内で相次ぐ新種の危険ドラッグ事件は、ついには東京へと飛び火し、ドラッグ・パンデミックのXデイを迎える…

    危険ドラッグ事件と20年前に失踪した元海兵隊員のノエルの父親の謎とが巧く絡み合い、なかなかミステリアスな物語に仕上がっている。

  • 2020/01/13 3 読了

  • 沖縄コンフィデンシャルシリーズ第2作目キャラ立ちがしっかりしてきた沖縄に対する取材が綿密である面白いが、会話のテンポがやはり気になる前作の反町の与那原から県警への自転車通勤がロードバイクである描写があって合点がいった

  •  読んでいて、堂場さんの小説だっけ?と錯覚してしまいます。(食事にも同僚にも、ダメ出しはしませんが。)

     反町が単独で動きすぎ。情報も漏らしすぎでは?なんかしっくりきません。

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著者プロフィール

一九四九年、岡山県玉野市生まれ。九四年「メルト・ダウン」で第1回小説現代推理新人賞、九九年「イントゥルーダー」で第16回サントリーミステリー大賞・読者賞を受賞。他に『ダーティー・ユー』『ミッドナイトイーグル』『M8』『TSUNAMI津波』『東京大洪水』『風をつかまえて』『乱神』『衆愚の果て』『首都感染』『首都崩壊』『富士山噴火』『日本核武装』『神童』『ハリケーン』『官邸襲撃』『紅い砂』『決戦は日曜日』など著書多数

「2022年 『落葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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