ヒア・カムズ・ザ・サン 東京バンドワゴン (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087455670

作品紹介・あらすじ

高校受験をひかえた研人。はたして無事に彼女の芽莉衣ちゃんと同じ高校へ進学できるのか? また、我南人の「ラブタイマー」の活動があらためて活発に。愛され続けて第10弾!(解説/根岸裕子)

感想・レビュー・書評

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  • ☆4

    シリーズ第10弾

    「東京バンドワゴン」シリーズは、1巻で季節ひと巡り分のお話が描かれていますが、今作でも様々な出来事があった1年だったなぁと…。
    そして長く続いているシリーズだからこその、新しい出会いもあれば悲しいお別れもありました。

    今作では、今まであまり詳しい様子が出てこなかった堀田家の年末年始の過ごし方も知ることができて楽しく読ませていただきました❁⃘*.゚

    次は花陽の受験ですね!(今作の研人の受験でも、どうなることかとドキドキしながら読み進めました)
    引き続きシリーズを読み進めていきたいと思います。

  • 今年から読み始めた東京バンドワゴンシリーズも10冊目。
    文庫本の最新刊にたどり着きました。
    ようやく堀田家の歩みに追いつくことが出来たので、
    ここからは最新刊が発売されるペースに合わせて読もうと思います。
    ゆっくり、ゆっくり、堀田家の1年の話を聞きながら自分の1年も振り返る。
    そんな風にこのシリーズとは付き合っていきたいです。

    この小説を読んでいると、「人は支え合っている」んだなぁと感じます。
    そう感じさせてくれるところがこの小説のすごいところだと思います。

    生きていくって大変です。
    にこにことご機嫌に過ごせる時もありますが、
    つらくてつらくて逃げ出したくなる時もあります。
    そして、それは東京バンドワゴンの登場人物達も同じで、
    私と同じように笑ったり、悩んだり、落ち込んだりしています。
    でも、解決不可能に見えた問題も物語の最後には一件落着。
    変化も全て受け入れて、みんなで笑い合う大団円です。

    もちろん都合のいい奇跡が起きてうまくいっているわけではありません。
    物語の登場人物1人1人の行動がわーっと集まって大きな力になって、
    解決してしまうんです。
    そして解決するのは、いつも同じ人なわけではなく、
    堀田家の家族の誰かだったり、ご近所さんだったり、友達だったり…、
    みんなの行いによるものなんです。
    すごいなぁ。
    結果的には解決に関係なかった誰かの言動も解決した人を動かすきっかけになっていたりして、
    そういう風に人の力って、
    いえ、ここはもう大きく「森羅万象の力」ってつなっがているんだろうなぁと。
    本当にそう思います。

    「東京バンドワゴン」という1軒の古本屋さんで起こる出来事から、
    世界のあらゆるものの力を感じられるなんて!!
    なんてすごい小説なんでしょう!東京バンドワゴン!

    ごほん。
    …ということで、私はこれからもこの小説を読み続けていきたいと思うのです。

  • 人気シリーズ第10弾。

    【夏 猫も杓子も八百万】
    施設の先生の愛情と、猫ちゃん達とのお別れ。

    誤ちは誰でも犯すものだけれど、それを認めてしっかりとケジメをつけてから前へと進む・・・、こういうことをちゃんとできる大人が周囲にいるというだけでも、「どうしようも無い大人」が減っておくことに繋がるのだろうにな・・・。

    高校時代、物心ついた頃からずっと一緒に暮らした愛猫とのお別れを思い出した。

    そう、猫は死期を悟ると飼い主の前から姿を消すもの。

    「(よぼよぼになった)ブチが居ない!」と大騒ぎして探し出して、足腰立たなくなった愛猫を 2〜3時間見守り、看取った・・・のは果たして本人(本猫)にとってはどうなのだろう?自己満足の人間のエゴだったのかも?
    と、20年以上経っても半分悔やみ続けている。

    【秋 本に引かれて同じ舟】
    裕太くんの恋?と、おせっかいな古き“ご近所さん”の話。

    シリーズ中で最も好きな「マイ・ブルー・ヘブン」から“十郎さん”の名前が再び登場。勘一じいちゃんの勇姿が思い出され、再読したくなってしまった。

    【冬 男の美学にはないちもんめ】
    連作短編集であるこのシリーズで、2冊に一編ずつくらいの割合で挟まってくる、ちょっぴりきな臭いおハナシ。堀田家の秘密に関わるあれこれ。
    シリーズ10冊目ともなったが、いまだ読者には何が何だかさっぱり分からず。

    「新宿鮫」でも同じような構図がシリーズ通して描かれているが、いやはやコレの行方を追うのも、東京バンドワゴンシリーズの楽しみの一つ♫


    【春 ヒア・カムズ・ザ・サン】
    表題作。
    電車で落涙…このシリーズ読んでると、毎回必ず一回は泣かされるってわっかてるのに、「そろそろヤバいかな」と思い始めるタイミングはいつも「時すでに遅し」。
    電車だろうが家族の前だろうが「ここで読むのをやめられるかい!」ってなってしまう。

    夏樹の会社の矢野社長、あっぱれ!
    そして「桜が一つ散ってしまった」から始まった今編、いったいどうなることかと思いながら読み進めていたら…

    花陽ちゃん、よく言った!

    思わず読了後すぐに、「ヒア・カムズ・ザ・サン」の歌詞を検索してしまった。

    文句無しの★5つ、10ポイント
    2022.08.05.新

    だいぶ前に亀梨和也主演で連ドラ化されてたこのシリーズ、レンタル店梯子しても見つけられないんだよね。。。。画面の中で躍動する堀田家の面々、是非観てみたいのだけれど。

    初の映像化当時よりだいぶエピソードも溜まったことだし、ここいらでキャストも新たにリメイク連ドラ作ってくれないかしら?

    十郎やマリアの話もいくつか入れて・・
    2クールくらいで放映して・・・

    で、(昨今のよくあるパターンで)最終回直後に、「劇場版東京バンドワゴン 次春公開♫」なんて告知が打ち出される♫

    ※劇場版はもちろん、番外編の「マイ・ブルー・ヘブン」で✌︎('ω'✌︎ )

  • お馴染み「東京バンドワゴン」シリーズの文庫最新刊です。
    私は文庫でシリーズを追っかけている人なので、
    堀田家の皆さまとお会いするのはいつも年イチ。
    なので、堀田家に「帰省」したつもりでこのシリーズは読んでいます。
    冒頭のサチさんのナレーションがはじまると、ああ、ただいま、みたいに。

    登場人物のささやかでも確かな成長が見られるのがシリーズの魅力ですが、
    今巻は、研人の成長とバンド仲間たちとの友情、芽莉衣との関係性の変化が
    読ませどころでしょうか。ドラマ化からもう5年。私も歳を取る訳だ。

  • 東京バンドワゴンシリーズ10作目

    1冊で四季の4編で前作の最後の季節とかぶるところから始まるのと、過去話と短編もあるので物語上は7
    年経ってるんだよね

    今回のメインは研人の受験かねぇ
    好きな子と同じ高校に行くために猛勉強するなんて、青春真っ盛りで赤面しちゃう(笑)

    あと、花陽の啖呵も見事だねぇ
    勘一さんに似たのか、秋実さんに似たのか
    どちらにしても血筋?


    デジタルアーカイブとかやりだしたときにはこんな事件が起こるんじゃないかと思ってたけど、意外と速くエピソードを入れてきたね
    ま、公的機関からしたら当然かなそれに対する堀田家の対応もかっこいい


    昔の写真で、東京バンドワゴンが危険な家と思われてた理由で十郎さんが出てきたのはちょっとうれしい
    飄々としていながら実は強くて裏まで読んでいるというキャラクターはパトレイバーの後藤さんみたいで好きなんだよね

  • 会社が苦しい時に、社員が退職せずにそばにいてくれることで救われたという社長の話に、以前の自分を重ねて泣いた。当時は社長の気持ちが分からなかったが、同じようなお気持ちだったのかもしれない。

  • 安定のマンネリ感。そこが良いんだな、きっと。
    いろんなものが目まぐるしく変わってくからさ、こういう変わらないものへの愛おしさっていうか。
    うん。きっと大事。
    だから祐円さんの事態にはどきどきしたよぅ。

    この巻では
    すっかり大きくなった花陽ちゃんの、こっそり受け継がれる勘一DNA具合がすてきでした。

  • いつものように季節ごとの4編。シリーズの他の巻と同様に、短編は独立して成り立っているが、この底流にあるちょつとした問題がバトンのように受け継がれて最後のタイトル編に繋がっていく。全てが計画的に解決していくものではない日常生活の実態を見事に連作小説に取り込んでいる。冬編では堀田家の正月模様が描かれ、遠い思い出となった自分自身の体験と重ね合わせて感慨に耽った。最後のタイトル編は、色んなことが温かく収斂していく。

  • お店の同じ棚の本ばかりが夜中に落ちている不思議と遺品整理の本が持ち込まれた話。

    図書館に勝手に置かれる本の謎と東京バンドワゴンの周りをうろつく女の話。

    東京バンドワゴンの蔵書を見せろと上から目線で話してくる役人の話。

    研人の受験と夏樹の再就職の話。

    夏の怪談話は久々の単純な謎解き話として楽しかったです。
    遺品整理と周囲をうろつく女の話も手短に伏線が回収されて気持ち良く読めました。

    後半はちょっと東京バンドワゴンのすごさを鼻にかけてる感じ?なんか身内自慢が鼻につく感じ?がしてしまいました。
    めりいちゃんがめっちゃ頭良くてビジネス英語が話せるくらいってどんだけw
    その設定いる?
    そんな子と全然勉強して来なかった中学生男子が同じ私立に行こうとする事自体に無理があったのでは…

    そもそも研人とめりいちゃんが小さい頃からずっと一緒だからって、そのまま登場人物同士でまとまっていかなくてもいいわけだしね。

    勉強してばかりの花陽も、高校生なのに色っぽい話は全然ないのか?

    来年はどうなるのか、楽しみではあるけど、なにも全員が一芸に秀でる必要はないんじゃないかなぁ、と思ってしまう。。

  • 明治時代から続く古本屋を舞台にした〈東京バンドワゴン〉シリーズは、皆様に愛されてついに第十巻目!さて、今回のお話は、真夏の幽霊騒動、そっと店に置き去りにされた謎の本をめぐる珍事、そして突如湧き起こる我南人引退危機!?や研人の高校受験の顚末など、笑いと涙の全四編。堀田家恒例の全員勢揃いの騒々しい朝食シーンや、初公開の堀田家の正月もお楽しみ。結局、「LOVEだねぇ」!

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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