パリ行ったことないの (集英社文庫)

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  • 集英社
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感想 : 151
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087455700

作品紹介・あらすじ

パリに行けば、自分が見つかるの? 私は何がしたいの? 私は何ができるの? とまどいながらも自分の人生を見つめ、前に歩んでいこうとする10人の女性の物語。(解説/カヒミ カリィ)

感想・レビュー・書評

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  • とにかく面白いです。
    短編の長さも良い。

    この中の誰もパリに行ったことがない、という設定。
    それがとても良いです。

    ぐいぐいではなく、
    ぽん、っと軽く背中を押された感じ。

    パリ、ぜひ行きましょう。
    素敵なところですが、日本とは違って街が汚れてたり、わりと怖かったり。
    行ってわかることたくさんありますから!

    • 栞さん
      こんばんは。
      パリ行ったことないです(そもそも海外旅行した事がない)
      パリはオシャレで美しい街というイメージがあるけど、そうでもないのですね...
      こんばんは。
      パリ行ったことないです(そもそも海外旅行した事がない)
      パリはオシャレで美しい街というイメージがあるけど、そうでもないのですね。面白い(*^^*)
      2023/11/17
    • さっちさん
      コメントありがとうございます!

      パリ、汚いです(笑)
      犬のフンを拾わないのは有名。

      でもご飯は美味しいし、
      美意識たかいって、
      なんかチ...
      コメントありがとうございます!

      パリ、汚いです(笑)
      犬のフンを拾わないのは有名。

      でもご飯は美味しいし、
      美意識たかいって、
      なんかチグハグで愛おしいですよね。
      2023/11/28
    • 栞さん
      パリに行ったら下を見ながら歩かないと!ですね。
      料理は美味しいφ(..)メモメモ
      本場のフランスパン食べてみたい(*´﹃`*)
      パリに行ったら下を見ながら歩かないと!ですね。
      料理は美味しいφ(..)メモメモ
      本場のフランスパン食べてみたい(*´﹃`*)
      2023/11/28
  • 色んな境遇の女性たちがそれぞれパリに憧れ、一歩を踏み出す物語。描き出された女性像に自分を重ねてみてしまう。

    2部構成は面白いなと思った。
    皆が揃っての食事会の場面を微笑ましく感じる一方で、(8月のパリは凄惨だとしても)パリではなく南仏に集まったことに違和感を感じた自分もいた。

    残念だったのは、出てくる男性たち、それから表紙のデザイン。私が手に取った本には別のデザインのカバーがかけられていたが、元の絵だったら買わなかったと思う。

  • 「あのこは貴族」を読んで、山内マリコさんのファンになりました。

    山内マリコさんの描く女性が大好きです。この作品に登場してくる女性たちも本当に魅力的。

    心に渦巻く暗い部分や、人との比較で生まれた劣等感、人生の選択に対する様々な葛藤…。
    みんなそれぞれの分岐点で、ふと立ち止まるのだけれど、ちゃんと前を向いて歩き始める。

    この作品の登場人物たちのように、あ、私ここで生きていくんだ。ってストンと落ち着ける場所って必ずある気がします。私もそんな場所を見つけたい。


  • パリに憧れながらも、一歩を踏み出さなかった女性たちの物語。
    フィガロジャポンで連載されていたんですね…
    二部は単行本書き下ろしとのことで、この二部が本当によいのです…

    一部ではさまざまな環境にいる女性たちの物語。
    二部ではこの女性たちがパリで出会います。

    二部の主人公は、とある映画をきっかけにパリへの憧れを募らせ海を渡るのですが…彼女が迎えるラストシーンは心震えました。

    山内さんの作品は、振り切るような力強さがありながら、小説じゃなく現実を生きるわたしたちにも、ほのかに灯りを残してくれるような、温かい読後感があるなあと思います。

    わたしはパリに憧れたことはありませんが、それでもなぜか、彼女たちと想いを共有した気持ちになっています。彼女たちと同じものを見ているような。
    遠い場所を夢見ることや、憧れの存在に近づこうとしていくことは、とても素敵なことだけれど、
    自分を捨てる必要はない。
    自分でいることの心地よさを肯定してもいいんだと、
    どこで何をしていようと、それが揺らがないのならそのままでいいのだと。
    優しい作品にまた出会えました。 

  • タイトルで一目惚れして久しぶりに本屋で購入した作品。

    パリ症候群なる言葉があるが、
    私は新婚旅行でパリに行ったが、整然とした街並みやエッフェル塔を中心とする景観に魅了され、大好きになりました。
    (パリは、道端でタバコとかたくさん転がってたり汚いと言うが、街並みに夢中で目に入らなかったのかも)

    第1章は、パリにいきたい女性達の日常を描いたオムニバス、2章は1章に出てきた女性がパリに行き、移住したお話。

    1章を読んで、ほのぼのした雰囲気だと思いきや、結末でクスッときたり、ゾクっとしたり、飽きずに楽しく読み進めました。


    「セラヴィ」がとても共感できて一番好きなお話でした。
    独身女性を「闘っている」と表現したり、子持ちの既婚女性を「盤石」と表現したり、日本での生きづらさみたいなものをうまく表現されていて表現方法に舌を巻きました。


    フランスは日本とは違い、個人主義でそういう風潮がなく伸び伸び生活できそうだし、途中までこの作品を読んで安易に移住したくなる人もいるんじゃないか?と思ったけど、最後まで読むと良い所だけじゃなくて文化の違いや将来への葛藤なんかも描かれていたし、好感が持てました。

    大人の女性のための短編集ですね、また再読したいです。

    • あんころ餅さん
      面白そう!私も読んでみたい!ちょうどパリに行ったことないし笑
      面白そう!私も読んでみたい!ちょうどパリに行ったことないし笑
      2021/06/27
    • もちっちさん
      興味持ってくれて嬉しい!今度貸すね♡雰囲気的には、「試着室で〜」の様な感じの作品です!
      興味持ってくれて嬉しい!今度貸すね♡雰囲気的には、「試着室で〜」の様な感じの作品です!
      2021/06/27
  •  様々な年齢、性格の人が様々なきっかけからパリに興味を持ち、パリにて出会うまでの短編小説。思い立ったが吉日。実際に行動に移すことができた人たちだから、あの空間を過ごせたのだなと思うと少しうらやましかった。
     セ・ラ・ヴィ(これが人生さ)

    p127「なんにもないから、どこにでも行けるんだよ」

  • 山内マリコさん初読み。
    コロナ禍で海外旅行なんて行けるとしてもまだ先だろうなって思ってるからか、あんまり海外の事とか最近見てなかった。
    この本を読んで、一気に海外行きたくなった。いや、まだ行けなくても行きたい国のこと調べておきたいってなった。

    わたしはアナの2人が微笑ましくて好き。

  • いや~、すごく好き、こういうの。
    良い感じに、力の抜けた文体が心地いい。
    何気ない色んな描写が、
    静かに穏やかに心に入ってくるこの感じ・雰囲気が好き。
    「ここは退屈迎えに来て」でも感じたが、
    ガツガツしたスピード感はなく、
    まったりしたこのペースが、なんだか安心する。
    最初から最後まで気持ちいい感じに浸れて、
    私はこの作品がとても良いと思った。

    カヒミ・カリィの解説も良かった!
    この方もパリに住まわれていたんですね。

  • 環境も年齢も違うたくさんの女性がパリに憧れて、パリに行くという短編集。
    一番印象的だったのは、第二部で再び登場する「あゆこ」の物語。
    第一部では夢・憧れはあるけど、今の生活が一番自分らしく、自然でしっくりくると現実に満足しているあゆこ。でも、一本の映画をきっかけに積極的に動き出し、第二部ではすっかりパリの住人と化している!!
    結末だけみると(現実は小説みたいにうまくはいかない)と以前の自分なら思うけれど、山内さんが書くから(現実はそんなものかもしれない)と思えた気がする。
    山内まりこさんは、物事や心情を美化せず、ありのままを文章に起こす作家さんだと感じた。

    • もちっちさん
      よんでくれて、ありがとう♡パリへ移住の美化ばかりせず、実際の暮らしも書いてて好感が持てた!
      よんでくれて、ありがとう♡パリへ移住の美化ばかりせず、実際の暮らしも書いてて好感が持てた!
      2021/08/29
    • あんころ餅さん
      こちらこそ、貸してくれてありがとう!パリの美化どころか(そんなに汚いの!?)って驚いたけど、行ってみたくなったよ!
      こちらこそ、貸してくれてありがとう!パリの美化どころか(そんなに汚いの!?)って驚いたけど、行ってみたくなったよ!
      2021/08/29
  • フランスではバカンス休暇が5週間、時間外労働もサービス残業もありえない!とのこと。それが当たり前の社会って、とても豊かだなぁと思う。
    憧れの場所に行ったからといって簡単に何かを変えてくれるわけではないけれど、一歩踏み出すことは自分を大きく変えるチャンス。
    まだ行ったことのないパリ、行ってみたい気持ちと、憧れのままにしておきたい気持ちと・・・
    でもやっぱり行ってみたい!

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著者プロフィール

山内マリコ(やまうち・まりこ):1980年富山県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞し、12年『ここは退屈迎えに来て』でデビュー。主な著書に、『アズミ・ハルコは行方不明』『あのこは貴族』『選んだ孤独はよい孤独』『一心同体だった』『すべてのことはメッセージ小説ユーミン』などがある。『買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて』『山内マリコの美術館はひとりで行く派展』『The Young Women’s Handbook~女の子、どう生きる?~』など、エッセイも多く執筆。

「2024年 『結婚とわたし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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