短編少女 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087455731

感想・レビュー・書評

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  • 多感な少女の気持ちがなんとなくわかるような作品集。
    「宗像くんと万年筆事件」はおもしろかった。
    宗像くんのあっぱれな探偵ぶりに感動。見た目とのギャップがおもしろかった。
    「空は今日もスカイ」の茜やフォレストは、その後どうなったのかな?

  • 思ったより多様な「少女」の解釈が見れて面白かった。
    私個人的には「少女」という言葉には浮世離れした幻想的な意味合いが強いと思っているので、そんな作品たちを期待して読んだけど、この本に描かれている少女たちはごく現代的でリアルな質感をしていた。
    現代的とは言っても、この作品は2012年前後に発表されたものが多いので、それぐらいの年代の質感をしている。丁度私が高校生くらいのときだったので、この本の主人公たちと感覚がダブっている感じもあった。
    携帯を持つ持たないで環境が変わったり、友達や好きな人にはメールで気持ちを伝えたり…。(そう思うと携帯というツールは時代を象徴しているなあ)

    特に好きだったのは中島京子の「モーガン」と中田永一の「宗像くんと万年筆事件」。
    この2作品は何となく「事件」と「顛末」があって収まりが良かったように思うし、2つとも寂しくはあったけど納得できる終わりだった。
    対して他の作品は日常の延長を描いている感じで、どの作品もそれぞれ固有名詞の使い方や柔らかい心理描写が面白かったけど、あまり心に残る感じはしなかった。
    どの少女も、心のどこかに「寂しさ」や「憂い」を抱えていて、快活に生きている感じはしない。
    それが「少女」の本質なのかな…なんて考えたりもした。

  • 「短編少年」を読んだので、その次はこれ、と手に取ってみた。読み終わって解説のところで気づいたのだが、こっちが先に出版されたのか…情報不足だった。とはいえ、私もこの本に出てくる少女たちと今現在同じ年代なので、共感できたこと、クスッと笑えたところ、切ないと感じたところなど、私も各物語の一登場人物のように、主人公と交わることができた。
    ホテルのコース料理のように、いろいろな作家さんのいろいろな良いところをつまみ食いできるところがアンソロジーならではの傑作だと感じた。

  • 同じテーマで様々な切り口の作品を読めるのが楽しいし、手軽に初読みの作家さんにチャレンジできるお得感も良い。

    特にお気に入りは、
    *「てっぺん信号」三浦しをん
    展開、登場人物の奇抜さも全部好きです。

    *「宗像くんと万年筆事件」中田永一
    宗像くんのヒーローっぷりが良かった!他の作品も読みたくなりました。

    *「きよしこの夜」島本理生
    高校生の頃を思い出しました。女子って感じ。それでいて優しい物語。

    *「イエスタデイズ」村山由香
    かつて少女だった女性の物語。回想で男性誌(Sexy系)を発見したときのエピソードが微笑ましい。読後の余韻も良い感じ♪

  • 短編なので読みやすかった
    短編少年も読みたくなります

  • 同シリーズの「短編工場」が面白かったので購入。
    総合的には面白かったのだが、「短編工場」と比べるとこれといって心に残る作品がなかった。

  • 三浦しをん、他8名の少女ををテーマに、書かれている短編集。
    皆スマホ時代前の作品。

    三浦しをんの「てっぺん信号」は、高校1年生の江美利が、主人公で、携帯電話を学校で、一人だけ持っていないという学生が、教室の窓際から見た、緑の丘のてっぺんの建物から発せられる信号からの話である。
    ついつい話にのめり込んでしまうが、モールス信号が、理解できるのも凄い!
    「元気だすか」の意味合いも、、、面白い。

    荻原浩の「空は今日もスカイ」の主人公は小学3年生の茜。
    作中のNHKのみんなのうたに出て来る歌やお母さんといっしょの歌などは、懐かしく読み終えた。

    道尾秀介の「やさしい風の道」は、主人公は、小学2年生の竜也。みんなが住んで居た中古の家。それを見つけに、、、
    姉との語らいに、、、怖さを感じない。

    中島京子の「モーガン」 ムンバイから帰国した女子校の中学1年生のクミコ。
    同クラスのモーガンというあだ名の女子学生に恋心。
    この当時流行ったローファーなどが、懐かしい人もいるのだろう。

    中田永一の「宗像くんと万年筆事件」小学6年生で、名探偵ぶりが、凄く面白かった。
    難事件のようなのに、鋭い感の冴え方にビックリするほどの探偵ぶりであった。

    加藤千恵の「haircut17] は、高校2年生の優希が主人公。
    少し中途半端な年ごろで、何になりたいのか?将来が、未だどの道を選択すればよいのか わからない。
    先ずは、髪を切る事から、、、

    橋本紡の「薄荷」 高校2年生の有希が主人公。

    島本理生の「きよしこの夜」高校2年生の望。
    姉が死んだのは、自分のせいだと口に出すことが出来なかった。

    村山由佳の「イエスタデイズ」 企画部勤務の20代の美佐が、主人公。

    全て、年代も違い、皆個性のある小説家ばかりで、1冊なのに、充実していた本であった。

  • さらっと読めて、それぞれにいいんだろうけど、深く印象に残るものもないというかんじだった。最後の話はその後が気になる。

  • 「短編」シリーズの新刊ということで買ったのだけれど。
    あれ?読んだ事ある話ばかり…
    それもそのはず、以前読んだ「あの日、君とGirls」と「いつか、君へGirls」からの再編集の一冊でした。ショック。
    多感な時期の瑞々しい少女達を描くアンソロジー。

  • 「短編少年」「短編学校」とシリーズの作品集。
    著名な作家が多く、思春期の女の子がどのような思考回路で、どういった気持ちで、日々を過ごしているのか、バカな男子には想像もできない部分が描かれているようにも思えます。
    …私も「バカな男子」なので、あくまでこの感想も想像ではあるのですが。
    ただ、男子にはない、複雑な人間関係だったり、細やかな心情の機微だったりを読むと、主人公たちには悩みを乗り越えて(あるいは、上手に悩みと付き合って)幸せに行きていって欲しいな、と思います。

    特にラストの村山由佳「イエスタデイズ」は、男子にもわかりやすく、微笑ましいラストでいい読後感の物語だと思いました。
    他の作品も、決して読みにくかったりわかりにくかったりするわけではなく、面白く読めるのですが、イマイチ主人公に感情移入しきれなかった印象です。
    おそらく、女心がわからないバカ男子だからでしょう。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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