- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087455809
感想・レビュー・書評
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歴史小説に多くみられることだけど、特にこの時代は書き手や視点となる人物によって善人にも悪人にもなるところが面白い。
ここで描かれる光明子はえらくいい人に描かれている。
反面、長屋王がやたら悪く描かれているのが非常に新鮮だった。
自分の持っている知識と突き合わせて読んでしまうと思うところも多く出てくるけれど、それも含めて様々な作者のものを読んでいくのは楽しいと思う。
葉室麟さんの本は初めてだったけれど、とても興味を持った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
以前読んだ「天平の女帝 孝謙称徳」に登場した女帝の母、光明子が主人公。
東大寺大仏の建立者聖武天皇の皇后として、民に慈悲の心をもって接した人という程度の知識しかなかったのが、玉岡かおるさんの上記小説で、かの時代に深く入り込んでみて、初めて知ることがたくさんあったので、本屋でこの本を見つけて即購入。
葉室麟さんも何冊か読んでいたので迷いなく読み始めたところ、登場する人物名と続き柄が全くつかめず、混乱してなかなか読み進めなかった。
ネットで、天皇系図を何種類か検索、プリントアウトして人物名を確認しながらの読書になった。が、ある程度分かってくると、後半は感情移入しながら無事読了。
偉大な両親の後ろ盾を得てのびのび成長しつつも、自分のなすべきことを心に定めてからは、全くぶれずに、困難な場面もまっすぐ前を向いて突き進む強さに、心から感動した。
この強さの何分の一かでも自分にあれば、今の生活が何か変わるのではないかと、少しの勇気ももらえた。