緋の天空 (集英社文庫)

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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087455809

感想・レビュー・書評

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  • 歴史小説に多くみられることだけど、特にこの時代は書き手や視点となる人物によって善人にも悪人にもなるところが面白い。
    ここで描かれる光明子はえらくいい人に描かれている。
    反面、長屋王がやたら悪く描かれているのが非常に新鮮だった。

    自分の持っている知識と突き合わせて読んでしまうと思うところも多く出てくるけれど、それも含めて様々な作者のものを読んでいくのは楽しいと思う。

    葉室麟さんの本は初めてだったけれど、とても興味を持った。

  • 以前読んだ「天平の女帝 孝謙称徳」に登場した女帝の母、光明子が主人公。
    東大寺大仏の建立者聖武天皇の皇后として、民に慈悲の心をもって接した人という程度の知識しかなかったのが、玉岡かおるさんの上記小説で、かの時代に深く入り込んでみて、初めて知ることがたくさんあったので、本屋でこの本を見つけて即購入。
    葉室麟さんも何冊か読んでいたので迷いなく読み始めたところ、登場する人物名と続き柄が全くつかめず、混乱してなかなか読み進めなかった。
    ネットで、天皇系図を何種類か検索、プリントアウトして人物名を確認しながらの読書になった。が、ある程度分かってくると、後半は感情移入しながら無事読了。
    偉大な両親の後ろ盾を得てのびのび成長しつつも、自分のなすべきことを心に定めてからは、全くぶれずに、困難な場面もまっすぐ前を向いて突き進む強さに、心から感動した。
    この強さの何分の一かでも自分にあれば、今の生活が何か変わるのではないかと、少しの勇気ももらえた。

著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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