岳飛伝 12 瓢風の章 (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087456455

作品紹介・あらすじ

海上で韓世忠と李俊が激突。物流を一時停止した蕭げん材が金国上層部から呼び出される。南方では岳飛と秦容が北進を決意──。国と人の関係が年月を経て、鳴動し始める第十二巻。(解説/西上心太)

感想・レビュー・書評

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  • 浪子燕青が亡くなった。おそらく、大水滸伝シリーズを通じて(楊令は試してないので除く)素手では最強の使い手だったのだと思う。それでも、70歳という歳には勝てなかった。最後は自分の心の赴くままに李師師の元に赴き、劉正を道連れにして笛を吹いて終わった。最愛の出来すぎた妻も居るのに、男は最後は、悪女だけど片想いの女の処に行くのだろうか。女にはわからないだろう。男としても、彼ほどの男になってみないとわからない。


    梁山泊側も他に孟康、喬じょうなどを失ったが、南宋も韓世忠や南征軍の有力武将を亡くした。死者が多くなって来て居る。彼らを斬る李俊、秦容の強さは圧倒的だ。燕青ではないが「ほんとうになさなければならないものを、持っているか持っていないか」の違いだったのかもしれない。

    17.11読了

  • 今回は特にこれと行った新たな展開無し。次に期待。

  • そろそろ終盤に差し掛かり、様々な場所で変化が起こり始める。
    もう既に梁山泊はバーチャル組織化し、ビジョンを共有する人々が名乗りたければ名乗る場所になっている。
    そんな中、秦容が結婚!この結婚式は良かった、人柄がでてる!

  • 秦容と岳飛らが北上し、南宋の南方軍を討った。
    南宋では丞相 秦檜と太子の乳母 青蓮寺の李師師の争いの決着がついた。
    本巻ではとうとう浪士 燕青が逝った。
    梁山泊子世代が壮年になるし、時の流れを強く感じた。

  • 感想は最終巻にて。

  • 南方での戦いはひと段落ついたが、岳飛は如何せん規模がまだまだ小さい。
    梁山泊と共闘しでるけど、どうなっていくのだろう?
    そして、韓正忠は梁山泊の老将に天誅。
    ざまぁですね(^0^)
    いよいよ佳境も近い??

  • 多分南宋が一番充実していた頃になるのだろう。
    南北に敵がいる状態とはいえ、金国は梁山泊軍との激戦直後で南宋まで攻めてくる力はまだないだろうし、岳飛達に対しては五万もの兵を置いてにらみを利かせているし。
    一度梁山泊軍に大敗させられた南宋水軍は韓世忠を外して立て直したし。
    皇帝には権威を与えても権力を与えていないので、秦檜の思う国造りの完成は時間の問題だと思われた。

    その時、岳飛と秦容が手を組んで北上を始めた。

    というど真ん中のストーリーはさておいて、今回は李俊が格好良かったなあ。
    「俺は、李俊殿にもっともっと長く生きていただきたいのです」と泣く張朔(ちょうさく)に「人は、死ぬ。いつか、必ず死ぬ」と言って、沙門島の奪回にでかけて行くんだよ。
    「おまえは、泣きながらこの任務を俺に与えてくれた、張朔。だから俺も、ひとつだけ約束しよう。死に場所は求めぬ。新しく生きる場所を求めるために、闘おう」
    くう~、格好いい!

    それに引き換え、燕青(えんせい)に振られた仕事は、70歳を超えた燕青がやらねばいけない仕事だっただろうか。
    だって体術だよ。
    もっと若い使い手はその後一人も現れなかったの?
    宣凱(せんがい)や王貴(おうき)が燕青にやらせることを決めたとは思えないし、納得いかない顛末だった。

  • 李俊が韓盛忠を討ち果たし、岳飛と秦容は北進に向けて動き出す中、青蓮寺の最後を見届けて燕青が役目を終えました。
    残り5巻、歴史とは違う結末に向かうこの大河は、どこへ行き着くのでしょう。

  • 東では、梁山泊水軍が動き出す。李俊はここからの一連の働きで舞台から降りるのだろうか?
    南では、岳飛と秦容が北に向けて動き出す。
    北では、金の国主が代わり、戦が近づく。
    一斉に状況が動き出す。その先には何がある?
    それぞれの志が、時代を動かす。

  • いよいよクライマックスが見えてくる段になって、静かに盛り上がってまいりました。今頃気付くなよ、って話かもしれないけど、梁山泊を彩った漢たちに、それぞれの死に場所を与える物語なんだな、ってことが改めて実感された巻。今回は、だいぶ頑張ったモウコウ(カッコ悪い失敗が目立った晩年だったけど)、とうとう逝くのかっていうエンセイ(しかし最後の最後まで圧倒的に強かった)。リシュンやコウジュウにも死地が与えられそうな予感だし、残るは最後の巨頭シシンをどうするか、ですね。
    あと、ここにきてやっと(?)カンセイチュウが戦死しました。何巻越しに書き続けたんだろ、これ。史実だとこのあたりで死ぬから、ある程度は予想は付くだろう、ってことで先走って述べたのかもしらんけど、そもそも完全にオリジナルストーリーなんだから、ひょっとしたら生き延びて大成するかもしらんがな。物語終了後ならいざ知らず、続刊している途中の巻末解説なんだから、ネタバレに関しては最大限の注意を払うべきじゃないか、といまだ思ってしまうけど、これはアリなのか?まあ、やっと決着がついたし、今回まででこれについて触れるのは止めにするけど。

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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