逢魔が時に会いましょう (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.41
  • (30)
  • (87)
  • (149)
  • (21)
  • (4)
本棚登録 : 1005
感想 : 105
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087457223

作品紹介・あらすじ

民俗学者布目准教授と助手の真矢。座敷わらしを探す旅で、子供が8人いる家族を訪問。いつしか子供が9人になり……。座敷わらし、河童、天狗と怪しいもの探しの笑って泣ける珍道中。オリジナル文庫。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 民俗学専攻の大学准教授・布目と、その助手のアルバイト学生・真矢。性格など正反対なようで実は息の合った二人が繰り広げる”もののけ”珍道中。
    座敷わらしに河童に天狗。
    そんなの単なる迷信でしょ、今どきそんなのいる訳ないじゃん、とスルーしたくなる”もののけ”を探し出して撮影する、意外とハードなフィールドワーク。

    古来から日本に言い伝えられている数々の伝承。
    その摩訶不思議な存在や言い伝えなど、聞いてるだけで背筋がゾクッとしそうだけれど、それらをコメディタッチに描いてあるので読みやすい。
    そして調査する二人の軽快なやり取りも微笑ましかった。

    「妖怪の正体を知ることは、この国の正体を知ることでもある」
    布目の言葉にも納得。
    二人の”もののけ”談義も面白くてもっと読んでみたくなった。
    この二人のフィールドワークの続き、あるかな〜?

  • 主人公・高橋真矢の炸裂する妄想、民俗学者・布目准教授ののほほんとした挙動、プラス座敷わらし・河童・天狗というもののけ探しのライトホラーが混ざって、面白くて一気読み!ぜひ続刊を‼️

  • 座敷わらし、河童、天狗は本当にいるのか?
    その正体は?

    ゾクゾク、ワクワクと
    面白くて、あっという間に読んでしまいました。

    気に入った言い回しの箇所↓

    「馬…」と前半の一文字が零れてしまってから、相手が准教授であることを思い出して、続いて飛び出そうとした鹿を檻へ戻す。

  • 河童、天狗、座敷わらし、そういうのって、
    日本の秘境にはまだまだいるんじゃないかな、って気にさせてくれます(笑)
    主人公女子は最後まで「つん」のままのほうがよかった気がする。
    20180731

  • 座敷わらし、河童、天狗という伝説の存在を求めて研究する大学の先生と臨時助手。
    荻原さんだけに期待したのだが、その解釈は特に真新しいものはなかった。その点は北森鴻さんの民俗学シリーズの方が面白い。
    キリスト教まで触れるのなら、なぜ当時の権力者たちがキリスト教を禁じたのかまで踏み込んで欲しかった。
    それに無理に二人をくっ付けることも必要ないような。このまま凸凹コンビで良かったのに。
    短編集だけに色々消化不良で終わった。
    あとがきによると、昔書かれた作品を完結させたとのこと、その辺がチグハグさを感じさせた原因か。

  • いい感じにまとまっていて、読みやすい。
    いつか続きが読めるといいなと思う。

  • あまりいろいろなことを考えたくない時、気軽に読むにはいいかも。

  • 妖怪系が好きな私にはぴったりだった。
    特に、この作品みたいに妖怪などの話を検証したり、解明したりするお話はウキウキする。
    准教授とアシスタントが調査していく話だったから、民俗学とか、文化人類学の知識とかも入ってて面白かった!

  • マンガみたいに読みやすく短時間で読め、物の怪や伝承がテーマ・・・とあまり重たくはない作品だと思って読んでいたら、何かに引っかかった。

     伝承や昔話、妖怪譚が生まれるのには実は深くて暗くて悲しい理由があるんだな。日本の昔の現実をこの面白おかしいストーリーにサラッと組み込んでいて、何か当時の人も現代人も目をそらし、なかったことにしたり、うやむやで曖昧な現象としてある意味、スルーしてきたんだなぁ。深い闇が横たわってる。
     ポップな感じの作品だけど、大江健三郎氏の作品に現れてる真実と事実は違うとか不文律みたいなものが垣間見れてなんだか、すごいなーと思った。
     現代では考えられないような人々の悲しい習慣や風習。肉親の情みたいなものってなんだろうなぁと思った。

     おまけに知らない言葉が結構でてきて勉強になった。逢魔が時って言葉ももちろん知らなかった。国文科卒だけどな。

  • いい意味で軽く読める文書で座敷わらしの右手、河童沼の水底から、天狗の来た道と割と話もくっきりと分かれているので本が苦手な人でも読めそうだなと。私的には座敷わらしの話が1番好みだった。
    いつか続編が読めたらいいな、、、。

    印象に残った文
    p.44の11行目〜この目で確かめてもいないのに、頭から否定するのは正しいのだろうかって。
    p.191の11行目〜そうか、日常のすぐ近くには非日常がたくさんあるんだ。古さの中にも新しさがあり、平凡の中にも名場面がある。

全105件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

荻原浩の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
辻村 深月
森見 登美彦
三浦 しをん
辻村深月
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×