リアルワールド (集英社文庫(日本))

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 2114
感想 : 279
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460100

感想・レビュー・書評

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  • 桐野作品を読むと具合が悪くなることもしばしばなんですが、この作品はむしろ切ないし悲しいものでした。
    もちろん書いている桐野さんは大人なので実際に高校生がこんな感じなのかどうかはわからないのですが、年齢特有の生きづらさは痛いほど伝わってきました。
    ものすごく簡単に書くとある事件に女子高生のグループ4人がかかわっていって、悲劇的な結末の末に残った者が大人になっていくという感じのストーリーです。
    桐野作品は読むたびに自分がきちんと理解しているかあまり自信が持てないのですが、これはかなり読みやすい作品だったと思う。

  • 登場人物が全員アホで虫唾が走る。
    しかし、この本で大きく救われる人はいると思う。
    それが「救う」と言う言葉で合っているのかはわからないが。そうであって欲しいと思う。

  • 覗きを咎められた18歳の少年は母親を金属バットで殴り殺した。盗んだ自転車のカゴのなかにあった携帯電話を使い、同い年の女子高生たちとつながる少年。

    それぞれに悩みを持って生活していた女子高生たちは親殺しの少年に大いに興味を持つ。
    電話で話して自分と重ねてみたり、逃亡用の自転車と携帯電話を買い与えてみたり、会いに行ってみて同調した挙句、一緒にタクシー強盗を行って死んでしまったり、嫌悪感を抱いて通報したあと飛び降り自殺したりする。

    ---------------------------------------

    「岡山金属バット母親殺害事件」を元に書かれた作品とのことだったので期待して読んだ。けれども母親を殺した少年の心理描写は少なくて、少年に影響を受ける四人の女子高生の視点がメインだったので勝手にガッカリしてしまった。

    ”進学校の落ちこぼれの自分には女子との接点なんか今まで全然なかったけど、親を殺して逃げてることで女の子たちから興味を持ってもらえてラッキーっす!”みたいな少年の思考も理解しがたかった。なんなんだお前は。
    あの娘ぼくが母親を殺して逃げたらどんな顔するだろう、とでも言いたかったのか。
    もっと悩んで苦しむべきだろう。その苦悩っぷりを堪能したかったんだよ。

    畳みかけるように登場人物たちが皆「自分のせいで……」と言い出す終盤は、全員思考回路どうかしてるなっていう感じだった。勝手に負い目を感じて、何かを悟ったような気分に酔っている彼女たちが哀れだった。

    自分には彼女たちの言うリアルワールドは理解できない。何かを悟ったような気になったりもしたくない。
    今日もご飯を食べて寝る。リアルフードを食べる。

  • 隣に住む同級生が、ある日母親殺しの犯人として逃亡。逃亡中に主人公の友人たちにコンタクトをとり、少しずつ交わっていく。

  • んー

  • 母殺しの少年の逃亡を女子高生が幇助するあたりがリアルではない。
    テラウチの自死の理由も浅い気がする(そんなものなのかもしれないが)

  • 一夏でこんなに状況が変わってしまうとは…てくらいな展開。読みやすかった。

  • 高校生特有の青臭かったり、悲観的で、大人を軽蔑するような気持ち。
    それをとっくに手放してしまった大人が読むと、なんとも言えない気持ちになる。
    結局は大きな社会の中のちっぽけな存在であり、何にも抗えないんだよな…と、なんだか高校生の時の感情が懐かしくなる。

    事件自体は大きく扱っておらず、とくにどんでん返しもない。
    最後はかなりスピーディに終わる。取り残された主人公の行く末が気になる。

  • 展開がぶっ飛びすぎてて、途中で止まってしまったところはありましたが、最後まで読めました。ちょっと無理があるなって感じるところも、非日常でいいのかもしれません。モヤっとした感じ残るかもしれません。それがいいって人もいるかもしれませんが。

  • ある夏の日、隣家の少年「ミミズ」が母親を殺した。あたし、女子高生・十四子と友人達は唐突に事件に関わり、思いもかけない事態に…。

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

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