ZOO〈1〉 (集英社文庫)

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著者 : 乙一
  • 集英社 (2006年5月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460377

ZOO〈1〉 (集英社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • これは確かにジャンル分けできない。
    ホラーでもあるけれど、中にはほっこりする温かいものもあって、とにかく乙一ワールドにすっかり飲み込まれてしまいました。

    「カザリとヨーコ」
    一卵性双生児のカザリとヨーコ。
    でも母は双子を完全に差別して育ててきた。姉のヨーコは部屋もごはんも与えられず、台所の隅で妹の食べ残しで生きる日々。

    乙一さん、家族には全く救いを用意していなかったな。
    虐待されている現実をそのまま受け止めているヨーコが痛ましい。
    でも優しいおばあちゃんに出会えて、ヨーコにも幸せの兆しが見えたと思ったのに…。
    ところで二人に姉のヨーコはふつうの名前だけど、妹のカザリはどこからきているのかな…?お飾りのカザリ?

    「SEVEN ROOMS」
    気づいたらひとつの部屋に監禁されていた姉と弟。
    部屋の真ん中には溝があり、澱んだ水が左から右へと流れている。
    身体の小さな弟は、溝を通って左右の部屋へと行き、ほかにも監禁されている女性がいること、監禁されている女性たちの末路を知る…。

    他にも言及されている方がたくさんいるけれど、この話が一番衝撃的。
    そのまま次の話に進めない、くらくらしてしまうような読後感だった。
    私も弟を持つ身なので、姉の選択と決断が何だかすごく切なくもあり。
    私がこの姉のように行動できるとは思えないけれど、こういう緊急の場面になったらきっと、弟は助けないといけないと、母性ならぬ「姉性」が少なからず疼く気がする。
    はぁ、でも読んでるだけで背筋が凍るほど怖かった…
    ほんま乙一さん嫌やわ~~…。

    「陽だまりの詩」
    病原菌により人が死に、廃墟となった世界。
    ロボットの少女は、男の死をみとるためだけに作られた。しかし彼女には「死」というものがわからない。

    この話は、題名のごとく、5編の中でも陽だまりのような短編。
    彼女が死を理解し、男の死を受け止める、最後のシーンにじーん。
    短編集の最後に、乙一さんと、映画化の際に脚本やキャラデザをした古屋さんとの対談がある。
    対談を読んでからもう一度読むと、情景がさらにクリアに浮かび上がる。
    映画の1シーンを見たのだけど、イメージ通りですごいなぁと思いました。

    表題作の「ZOO」はちょっとイマイチだったなぁ。おかしい人の頭の中に入っちゃった感じ。

    さて、元気を出してZOO2に進まなければ。

  • 別名、中田永一さんの作品は読んだ事ありましたが、乙一さん初読みになります。

    乙一なんて名前なので、勝手に甘いファンタジー系な作品を書く作家さんだとばかり想像してました。だって明らかにペンネームだし、乙という字から乙女という言葉しか連想できなくて…。浅はかではありますが(照)

    だけど、いい意味で裏切られびっくりです。

    映像化された5編を集めた短編集でしたが、どれもストーリーの完成度が高い!
    残酷でありながらスカッとするような、でも切ない読後感。好きです。

    余談ですが、乙一さんは’78年福岡生まれ。(わー、同い年で出身も同じ)
    そして久留米高専に在学しておられたとの事(きゃー、高専つながりじゃん。)
    と、勝手に親近感をもっちゃいました。

    カザリとヨーコ/SEVEN ROOM/SO-farそ・ふぁー/陽だまりの詩/ZOO

  • 陽だまりの詩がダントツで好きです。
    ゾゾっとする他の作品ももちろん大好きなんですが、こんな優しい物語アリですか??と思って泣けました。

  • カザリとヨーコとSEVEN ROOMSはページをめくるのが怖いって思いました。
    ドキドキとかではなく話が怖くてっではなくページをめくるのが怖い。
    いや、話自体も怖いんですが。
    でも、気になるからめくっちゃう。

    陽だまりの詩が切なくてとても好きです。


    余談ですが、初めて読むと思って手に取ったのですが、SEVEN ROOMSを読んでる最中に、これ読んだ事あるなあ…と気付きました。
    結末とかを覚えていた訳じゃないですが。
    すっかり忘れていましたが、そういえば昔乙一好きの友人に借りて読んだ事ありました。
    乙一の他の作品は読んだ記憶があるんですが、なんでこれは忘れていたのだろう…。

  • 「SEVEN ROOMS」「カザリとヨーコ」で忍び寄るような、せまっくるような恐怖感にぞくぞくとしたかと思えば、「陽だまりの詩」ではガラリと変わって、安堵するような、切なくなるような。いろんな表情を見せる短編集。まさにZOO。

  • なんだこれは。
    私が文庫を買ったとき、帯にそう書いてありましたが、まさしくその通りの本であり、決してそうじゃないとも言える本です。

    ホラー短編集です。ホラーって言葉で簡単にまとめたくないけども。
    ホラーって言われると、幽霊とかオバケとか、目に見えない怖さがあると思います。
    ですがこの短編集、目に見えるから怖い。見えなければ、知らなければ、こんなに怖くなかったのに。知ってしまったからこそ怖い。そんなホラー小説は私にとって初めてで、ものすごく印象に残る話ばかりです。

    ちょっとグロテスクな内容が多いので、そこだけは注意です。

  • どっとする重い話あり。
    ぐっとくる情感あふれる話あり。
    ぞっとする話あり。

    バラエティに富んだ一冊。
    「陽だまりの詩」はアニメになっているそうだが
    実写で観たい作品。

  • どれも読みやすかった。
    グロいんだけどちょっとだけ救われる、って感じかな?
    イチバン「陽だまりの詩」がよかったな。「SEVEN ROOMS」は最後、ウルッときたな〜。

  • 陽だまりの詩が好き

  • 一話一話に強烈なインパクトがある不思議な短編集。

    一番印象に残ったのは「SEVEN ROOM」ゾクゾクしながら読んで、読んだ後は暗い気持ちになってしまいました。それなのに、何度も反芻してしまいました。

    また他にも、切ない話かと思ったらラストでどんでん返される「So far」や、死を認識する心の変化を描いた「陽だまりの詩」が特に良かったです。

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ZOO〈1〉 (集英社文庫)の作品紹介

何なんだこれは!天才・乙一のジャンル分け不能の傑作短編集が「1」、「2」に分かれて、ついに文庫化。双子の姉妹なのになぜか姉のヨーコだけが母から虐待され…(「カザリとヨーコ」)、謎の犯人に拉致監禁された姉と弟がとった脱出のための手段とは?(「SEVEN ROOMS」)など、本書「1」には映画化された5編をセレクト。文庫版特別付録として、漫画家・古屋兎丸氏との対談も収録。

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