永遠の放課後 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460520

感想・レビュー・書評

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  • 美しくもあり、虚しくもある本だった。
    3人はやっぱり難しい。友情的にも、恋愛的にも。でも、だからこそ得られることはあるし、それぞれに応じたそれぞれの居場所がある。読んでいると、私もいつか壊れてしまうんじゃないかって思ってしまった。でも、壊れるのもそれはそれでありかな?って思えるような、曖昧な関係を続ける事もありなんだなって思えた。やっぱり、三田さんの本は深くて曖昧で面白い。最後がはっきりしてないからこそ、自分ので話が作れて面白かった。

  • 人生や進路に悩んでいる人におすすめしたい。
    はまれる話でもわくわくする話でもないけれど、
    静かに心を持っていかれる感じ。
    主人公も、主人公の親友も、将来に悩む大学生。
    2人と仲の良い女の子。
    彼女をめぐって、自分の夢ややりたいことを模索して、家族とのやりとりを通じて成長していく青春の物語。

  • なんとなく本屋で手に取った1冊。
    作者の三田誠広が高校の先輩なので読んでみました。

    今まで読んだ小説の中で1番感情移入できたように思います。

    泣かしにかからないのがよかったです。

    久々に本を読んで鳥肌がたちました。

  • 青臭いエゴ、単純には割り切れない 3 人という関係、迷い、愛憎の重さ、心の脆さ...中学から大学までの揺れ動く青春模様がありのまま語られてて、思わずのめりこんでしまった。

  • 流れるように読んだ。
    ドロドロ展開はなく、、
    3章の終わり、紗枝が不意にぼくの腕をつかんだシーン。
    全てがここに詰まっていたと思う。
    永遠の放課後の名の通り、青春時代を共にした人たちとは永遠にあの頃の気持ちのままでいられたらいいな、そういうもんなんだろうなと思った。
    でも2人が社会貢献で海外が〜ってのはちょいと綺麗すぎる。

  • 『いちご同盟』『春のソナタ』に続く、青春小説の第三弾です。主人公の笹森ヒカルは大学生で、級友の杉田春樹と中島紗英との三角関係が主題ですが、もう二つの三角関係がからみ、複雑に進行します。
    https://www.honzuki.jp/book/64511/review/280795/

  • なんか切ない気分になったのは、ヒカルをはじめとする登場人物たちが皆誠実な人柄だからかな。彼は中学の頃からある女の子に想いを寄せていますが、親友の気持ちを想うと自分の気持ちを認めることができない。親友も、そして相手の女の子もお互いを傷付けまいと想い合って、絶妙な距離感を保っている。そんな彼らを見ているととても純粋だなと感じます。著者・三田さんの作品は透明感のある世界観があります。「純粋」「切ない」「汚れのない」「淡い」こんな言葉で表現される彼の作品をぜひ読んでもらいたい。

  • いちご同盟以来久しぶりにこの人の本を読んだ。
    少しばかりあっさりし過ぎている気がする。
    もう少し展開に強弱がついてもよかったのではないかと思う。

  • 杉田が主人公に対してだけ正直に向き合える姿が人間味が溢れていて、沁みた。

  • 2021/01/05
    この本も読み返すのが10年ぶりだったかと思う。中学生や高校生ではなく、大学生の悩む様子が描写されているのが面白いなと思いました。
    中学のときに街に転校してきた笹森タケシ、ギターが弾けることがきっかけで仲良くなった杉田、学級委員の中島紗英、この3人の関係を描いた話。
    タケシには父譲りの音楽の才能があって、周囲の人からその才能を見出されていくけれど、タケシを中心として、色々な三角関係が展開されていく。
    というか、三角関係のオンパレード。三角関係の下に生まれてきて、その血は争えない…という感じ。
    決してドロドロしているわけでもなく、話の内容はすごくスッキリしていると思います。
    三田さんの作品には悩む様子に音楽の描写が加えられていることが多く、タケシが音楽に打ち込んでいる、曲を歌っている様子がとてもありありと描かれています。
    幼なじみの杉田と中島の関係、タケシと中島の関係、タケシと杉田の関係、そこに絡むバンド仲間となった築地、ヒミコとの関係など、音楽を通して色々と明らかになったり、それぞれが答えを出していったりする様子がとても綺麗なように感じました。

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著者プロフィール

(みた・まさひろ)小説家、武蔵野大学名誉教授。1948年生まれ。1977年、「僕って何」で芥川賞受賞。主な作品に、『いちご同盟』、『釈迦と維摩 小説維摩経』『桓武天皇 平安の覇王』、『空海』、『日蓮』、『[新釈]罪と罰 スヴィドリガイロフの死』、『[新釈]白痴 書かれざる物語』、『[新釈]悪霊 神の姿をした人』、『親鸞』、『尼将軍』、『天海』などがある。日本文藝家協会副理事長、日本文藝著作権センター事務局長も務める。

「2022年 『小説集 徳川家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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