ダリア (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.08
  • (10)
  • (15)
  • (64)
  • (14)
  • (6)
本棚登録 : 230
感想 : 27
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460902

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 最初はなんとなく入り込めない感じだったけど、中盤からするすると取り込まれて終盤の秘密が明かされる頃にはすっかり只中にいる感じ、もう一度読むとそもそもハナコが自分の人間関係に入り込めていないからなんだなと納得する。
    深く考えずに典型的な女の子を演じて、「秘密」を経て断絶し、正しい世界の中でひとりになっていく、外れていってしまう。野中さんらしいおいしそうな食べ物の描写すらグロテスクに感じられてきりきりする。
    でも、やっぱりハナコは「声」を聞きたいんだ、愛をもって、愛を求めているんだよね。そこが、この物語をティーンらしからぬ秘密への絶望じゃなくて、ティーンらしい未来に向かう力に導いている…と思う。すごい。わかるかと言われればわかんないところもかなりあるけど、面白かった。

  • 読んでると、居心地が悪くなってくる。

  • またまた表紙がかわいくて借りたのですが。。。。

    少しエッチで多感な17歳の帰国子女の女の子。
    彼女のかかえる過去と揺れ動く性への様々な思い。
    17歳だな〜と思わず微笑んだりするわ、いや〜大人だ。と感心(?)するわ。
    いろいろだった。でも。。。。かわいそうな過去もあって考えさせられたり。。
     文中、お金では買えないプレゼントのたぐいがある。
    旅行に行って思い出をプレゼントや赤ちゃん(!)などなど。。

    (途中、あ!赤ちゃんは今の世の中ある意味買えるね。と恐ろしいことを言う彼女)
    肩たたき券や、お手伝い券を発想した私の17歳っていったい。。。
    それでも今も昔も17歳は17歳。
    大人でも子供でも無い不思議な時間だったなっと。。
    久しぶりに思い出させてくれました。。

  • 内容が社会学っぽい

    ジェンダーとか 国とか


    この人は、繊細な恋愛小説か
    今回のような抽象的なものを描く作品か
    2パターンに分かれるようです

  • ん〜10代の頃の自分だったら好きなタイプの小説かもしれない。が、これで一冊なのかぁという内容の薄さ(量的に。質的にではないです)に、10代のわたしだったらけっこう怒っていただろう。貧乏だったのだ。文庫本一冊買うのも真剣勝負なくらい。

    「哀しみよこんにちは」を意識してるんですかね。あれは10代(だったかな)の作者が書いたから、というのがあるんだけど、いいオトナがこういうの書いているのを読むと、ちょっとexploitativeだなぁと感じてしまうのは私が意地悪なせいか。

  • 専業主夫で料理上手のパパと、代わりに働く少女のようなママと、親友でありセックスフレンドでもあるゲイの太郎と、多感でしなやかな私ことハナコ。理想的な家族や友人に囲まれていても、どこか寂しく、傷つきやすく、秘密を隠し持っている私。ダリアという誰とでも寝てしまう大人ロリータのような美女の物語と交差しながら、私の日々は過ぎていく。

    ****

    おいしそうな食べ物たちの描写に、惹きこまれるダリアの魅力に、太郎とのセックスライフに、そしてハナコの秘密に、あっという間に魅了され、不思議な感覚を覚えながらも読み進んでしまう。一言で言い表すことのできない、でも情景が目に見えるような描写の、味わい深い一冊。作者の繊細さがわかるような、ずっと読んでいたくなるような、そんなキュートな本です。

  • 想定の可愛らしさでジャケ買。

    ティーン向けだったかなぁと思いながら再読だったのですが、現実感のないふわふわしたおとぎ話みたいな感じ。主人公と家族、主人公と友人の微妙な関係は10代ならではの緊張感とけだるさのようなものを感じさせつつ、解せないのはセックス込みの友人があんなにまったりするものではないように思うのは大人だから?

    「花子」の名前がわからないままで切ないお話です。

  • 濃いなあ……
    正直、話云々を感じるより先に、気色悪いという思いでいっぱいになった。ごめんなさい。

  • お父さんの料理がおいしそう〜!

    ハナコと太郎の間に恋愛感情はないみたいだけど、普通に体の関係があるところが理解できない。。。太郎はゲイみたいだし。

    ハナコの日常と考え方を綴っただけの本ってカンジ。
    『フランクザッパ・ストリート』は良かっただけに残念。

  • ヤングアダルトなんだなぁ・・と読み始めたら。結構、濃い。
    今の中学生、高校生はこういうの読めちゃうんだ。

全27件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

野中 柊(のなか ひいらぎ)
1964年生まれ。立教大学卒業後、ニューヨーク州在住中の1991年に「ヨモギ・アイス」で海燕新人文学賞を受賞して作家デビュー。小説に『ヨモギ・アイス』『小春日和』、『銀の糸』、『公園通りのクロエ』、『波止場にて』『猫をおくる』など、エッセイ集に『きらめくジャンクフード』など、童話に「パンダのポンポン」シリーズ既10巻(長崎訓子 絵)、『ようこそ ぼくのおともだち』(寺田順三 絵)、「本屋さんのルビねこ」シリーズ既2巻(松本圭以子 絵)、絵本に『赤い実かがやく』(松本圭以子 絵)など著書多数。『すてきなおうち』(マーガレット・ワイズ・ブラウン 作/J.P.ミラー 絵)など翻訳も手がける。

「2020年 『紙ひこうき、きみへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

野中柊の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×