水滸伝 5 玄武の章 (集英社文庫 き 3-48)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 138
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  • / ISBN・EAN: 9784087461244

感想・レビュー・書評

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  • やってくれたなー!
    やってくれはりましたなー!

    一〇八星、集結しないんかーい!ってね
    『水滸伝』一番の胸熱クライマックス、一〇八星大集結!!描かれないんかーい!っていうね

    もう『水滸伝』違うやん
    それやってもうたら『水滸伝』違うやん
    そもそも『水滸伝』てのはね
    洪信ていうお馬鹿さんが、天界を追放された一〇八の魔星の封印を解いちゃうところからお話が始まってだね
    それがいかにまた集まってくるかって物語なわけでね
    それが一〇八星集結するまえに死んじゃう人出て来るんかーい!

    いやーやっぱすげーわ
    すげーわ北方謙三アニキ
    分かる、分かるよ
    こんな賊徒どもがしっかり官軍にマークされまくった状態で、108人もすんなり集まれるわけないやろ!ってんでしょ?
    んもう!そんなリアリティいらんわい。゚(゚´Д`゚)゚。

    でもねやっぱりそこがオリジナルとの一番の違いであり、一番の素晴らしいところなんですよね
    見る者聞く者がやんやと喝采をあげるための講談ではなく、読者の見たくないものも突き付け、そこに大切なことを込めようとした小説ということなんかな〜


    はい!一〇八星ぜんぜん違うやん!のコーナー!
    今回は第三十三位の好漢、天慧星の拚命三郎(へんめいさんろう)石秀です
    愚直で一本気、思い立ったら即行動で失敗も多い性格
    すぐ誰かを助けに行っちゃうけど失敗して助けられる側にまわる人
    梁山泊合流後は歩兵の隊長となり長くいろいろな戦いに従軍し、時に偵察や潜入などの任務もこなします
    『北方水滸伝』では始め公孫勝率いる闇の軍団致死軍の隊長となりますが、そのやさしすぎる性格から向いてないと判断され任を解かれ二竜山で青面獣楊志の補佐にまわります

    性格も正反対に描かれていますが、やはり最大のぜんぜん違うじゃん!は二竜山を守るために奮闘し、一〇八星集結を待たずして戦死してしまうことですよね
    オリジナルではだいぶ長いこと生き残ります
    最後は迷いをすて、楊志の息子楊令に自分の剣を託して死んでいきますが、その最大の功績は自分たちの志を次の世代に繋げたことだったのかもしれません

    • ひまわりめろんさん
      これが自分のペースですw
      元々早いんですが、面白ければ面白いほどさらにスピードが上がるという特異体質のため、『北方水滸伝』はあっという間に読...
      これが自分のペースですw
      元々早いんですが、面白ければ面白いほどさらにスピードが上がるという特異体質のため、『北方水滸伝』はあっという間に読み終えてしまい困ってます

      ほんとに面白いんで、是非ともクマさんのレビューを読んで後に続いてくれる人がいると嬉しいですね!

      ただなかなか全51巻は踏み出せないですよね
      そしてこれはワタクシの個人的意見で次のレビューあたりで書こうと思ってるんですが、やっぱりオリジナルと吉川英治さんの『水滸伝』は読んでから読み始めてほしいなと思うんです
      もう五カ年計画くらいで
      ハードル高すぎですね
      2023/09/13
    • ひまわりめろんさん
      っていうか、『北方水滸伝』が面白すぎてサッカー日本代表戦見るの忘れたわ!痛恨。゚(゚´Д`゚)゚。
      っていうか、『北方水滸伝』が面白すぎてサッカー日本代表戦見るの忘れたわ!痛恨。゚(゚´Д`゚)゚。
      2023/09/13
    • 1Q84O1さん
      ひま師匠、やっちまったな〜w
      面白い試合でしたよ!
      ドイツ戦は日程を間違って見逃しましたが…_| ̄|○ il||li
      ひま師匠、やっちまったな〜w
      面白い試合でしたよ!
      ドイツ戦は日程を間違って見逃しましたが…_| ̄|○ il||li
      2023/09/13
  • 北方水滸伝を最も北方水滸伝たらしめている5巻目。
    初めて読んだのは10年以上前でしたが、その衝撃は忘れられません。
    あの人を除いて108人がなんだかんだありつつも、九天玄女のお導きで、星の定めにより梁山泊の一堂に会する古典“水滸伝”が、予定調和に満ちたぬるま湯のように思えたのを覚えています。
    数年前、『楊令伝』を読むために再読しましたが、今は『岳飛伝』を読むための再々読中。
    ジェットコースターを上り切った後のように、これからずーっと魂を揺さぶられまくるのが怖くもあり、楽しみでもあります。

  • 全編クライマックスのような怒涛の展開に圧倒されっ放しだった。完全オリジナルの北方版。もう自分の知っている水滸伝とは全く別物と割り切り、頭を空にして楽しむことにする。

  • 4.6

    怒涛すぎる巻。一章どころか一節読むたびに、展開の面白さにも感動し、そして何より自分の心情が揺れ動き、発狂しながらタバコ吸ってた。

    梁山泊側の死人が相次ぐ中で、その最後の勇姿に最大の敵すら舌を巻く。映像作品や漫画でそんな光景は見てきたけど、活字でもここまで美しく伝わるのか。てかもはや過去のどの映像作品よりも美しく脳内で再生されてしまう。そのくらい初心者にもたやすく響く活字たちが連なってる書なんだ。

  • まさに衝撃の一冊。

    前巻で宋江を包囲し、魯智深の行方は知れず、楊志の妻子の存在が青蓮寺にばれた。
    その全てがこの巻で動き出す。

    古典文学に(古典を題材にした文学に)、ネタバレは許されないのかどうかわかりませんが、早々に主要登場人物が姿を消すということだけ記しておきます。
    現在の視点だけで考えたらそれはとてつもなく大きな穴となりますが、長い目で見たら梁山泊の要を作る出来事になったかもしれません。
    それは今後を読まないと分かりませんが。

    ただ、その大きな喪失は確かに衝撃的ではありましたが、私が泣いたのはそこではなく。
    喪失をもって敗北としないように、次に繋げるために必死で戦う遺された者たちの姿。
    理性ではなく、本能でもない。
    彼らが戦う意味は一体なんなのか。

    “兵力、武装、指揮。あらゆる要素を考え、作戦の指示すら出す。頭の中には、いく通りもの戦の予想がある。しかしいま見る戦場は、予想したものとはまるで違っていた。剥き出しの生命が殺し合っているようでもあり、なにか非現実の、夢の中にいるようでもある。
    戦の指揮とは、このすべてを現実として捉え、的確な判断をし、命令を出し続けることだ。戦場を、たとえ掌の上でさえ、再現できることだ。
    執務室で考えている戦は、戦らしいものであり、戦ではなかった。”

  • 楊志が王和の闇の軍と戦う場面がもう圧巻。
    そして石秀と周通の最期。
    自然と涙が出てきたけど、それは“感動”の一言でまとめたくないような感情で、不思議と圧倒的な光を前にした眩しさのような感じだった。
    水滸伝もまだ序盤だけれど、この巻を読んでしまうと早くも楊令伝が気になって仕方ない。
    それにしても、4巻までも面白かったけど、5巻は一気に持っていかれた。
    これから先が気になる人物達がまだまだいるので、すごく楽しみです。

  • 楊志よ、永遠なれ。
    あなたの志は楊令が引き継いでくれるよね。
    私はこんなにかっこいい人たちに今まで出会ったことがないよ。石秀、周通。戦う姿にとても心を打たれました。どうしよう読み終わって一晩経っても二人のことを思うと涙が出てくる。本当に…。
    魯達カムバもとても嬉しかったです。

    林冲達が助けに来るシーンの胸熱っぷりといったらもう…。あとは、馬桂のやり口、きったねぇ。こんなこと許していいのかよ。最低だよ。(初の寝返りに心に暗影が落ちる私の図)

    水滸伝の解説がとてもとても大好きでね、解説っていうか、「私と水滸伝」っていう題名の作文。笑
    子供の頃に読んだ水滸伝と比べて北方水滸伝は整合が取れすぎている!と憤って(最高を叫んで)いた、志水辰夫さんの後書きが読んでてとても面白かったです。 

  • どうやら私は脱出場面が好きらしい。魯智深と鄧飛がすごかった。安道全も林冲も出て来たしどんどん物語に引きずりこまれてく巻でした…。そして楊志があああ。

  • [評価]
    ★★★★★ 星5つ

    [感想]
    読んでいる途中に何度もページを戻してしまった。
    まさかこんな展開になるとは思ってもなかったから、読み間違えたんじゃないかと同じ箇所を繰り返し、繰り返し読み、間違っていないことに気がついたときはドッとした疲れに襲われてしまった。

  • 楊志、、、ここにて、、、、倒れる、、、、

    もう、手に汗握る展開に、うぉーー!!!!!!と、わたしも本に全身の力を込めて、馬に乗って斬りかかって行く気分でありました。

    林冲!!!!!!
    と、叫び!!!!楊志!待っとけ!!!!って叫び狂い、童威と童猛に歓声をあげ、一瞬自分の立っている場所がどこだかわからなくなるほどにのめり込んでます。

    もう、一瞬で水滸伝に呑まれる日々です。

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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