1ポンドの悲しみ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 442
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087461565

感想・レビュー・書評

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  • スローグッバイに続く続編の短編集。30代女性の切ない恋の物語。恋愛モノを描かせても作者はよく捉えられてると思う。ハッピーエンドも割とあったかな?

  • 衣良さんは、細かな目を沢山持っている人なんだろう。まるでドラマを見ているように細部までカラーで情景が思い浮かぶのは私の目のせいではなく、衣良さんの目を通して見てるから。難しい言葉や表現じゃないのに、伝わる言葉を持っている。

  • スローグッドバイに続く恋愛短編小説の第二集。タイトルから泣ける話を期待したが、ほとんどはハッピーエンドでした。

  • 30前後の男女の恋愛の話。短編集。
    学生時代とはまた違った青春の形が詰まってて良い。
    焦りもあるけど、色んな経験を経てから
    新たにする恋愛も楽しそうだな、と思った。

  • 『スローグッドバイ』(集英社文庫)につづく、恋愛短編集第ニ弾。前作は20代の男女の淡い愛のかたちがえがかれていましたが、今回は30代前半の男女の恋がテーマになっています。前作のような甘くてさっと溶けてしまう綿菓子のようなストーリーだけでなく、クセ球もまじえているように感じます。

    表題作の「1ポンドの悲しみ」は、遠距離恋愛で1か月ぶりにホテルで一夜を過ごす男女の物語。けっこうエロい描写があります。

    「ふたりの名前」は、合理主義的な同棲生活を始めた男女が、飼い猫の病気がきっかけでお互いの気持ちを一つにすることの大切さに気づく話。「誰かのウエディング」は、同僚の結婚式に出席した男が、ウェディング・プランナーの女性と出会う話。

    「十一月のつぼみ」は、仕事しか頭にない夫と長男の世話に少しくたびれた、花屋で働く女性が、毎週店を訪れる男性に心をときめかせます。後口がとてもきれいなストーリー。「声を探しに」は、ストレスで声が出なくなった女性の話。こちらはユーモラスな雰囲気に仕上がっている。個人的には、この2編がとくに気に入っています。

    「昔のボーイフレンド」は、タイトルのままのストーリー。気取らない恋の始まりを描きます。最終章の「スターティング・オーバー」も同じような雰囲気の話。こちらは、テレビ番組を制作する仕事をしている男一人と女ニ人が飲みに出かけたときの話。

    「スローガール」は、遊び人の男がバーで白痴の女性と出会う話。古典的なテーマですが、後味が悪くて個人的にはあまり好きになれませんでした。

    「デートは本屋で」は、本と本好きの男性が好きな一人の女性の話。「秋の終わりの二週間」は、16歳年上の夫と誕生日を過ごす話。この夫は年相応にオヤジっぽいところもあるのに、作品全体の雰囲気は上品な仕上がりになっているのはさすがだと感じました。

  • 30代の恋愛について書かれた短編集。
    キラキラ憧れる…というよりは、とても現実的な話ばかりでした。30代にもなると、そうなるのかな。
    おそらく、ページ数も決まっていたのでしょう、あっさりしていて物足りない!と思ってしまうものばかりでした。

    「十一月のつぼみ」が、一番胸が苦しくなりました。
    ラスト一行、「その日はきっとやってくる。」って、えー!?やってくるの!?と驚き。
    あぁ、でも順序よく物事を進めていくことはとても大切ですね…。


  • 切ない内容のような気もするけど
    切ないけどほっこりする気持ちになる不思議な感じ

  • 久々の短編小説。数日で読み上げました。
    最初は少しずつ味わいながら、後半は新しい物語の登場人物やシチュエーションを頭に描きながらストーリーを読み進めるのが面白くて。一気に読んでしまいました。
    テレビドラマが好きで、映像や演技として人間を捉えるのが好きだと思っていたけど、活字から自分の映像を動かしていくのもドキドキする。
    そして何より作者の巧みな言語表現に心動かされる瞬間があり、とてつもなく素敵な気持ちになった。

  • 学生の時にこの本を見つけた時は
    短編集にも30代の人達の生活や葛藤にも
    全く興味がなかったのに

    10年以上経った今、興味を持って
    前から知ってたこの本を
    買って読む気になって

    読んだら
    いろいろ考えさせられて
    あの時と比べて
    自分も何かが変わったのかな、と思った。

    石田衣良さんは富裕層の表現がうまいので
    自分の生き方と登場人物の生き方を比べて

    今までの人生、違うの選択肢を選んだ方が
    もっと幸せに生きられたのではないか。
    と考えさせられることもあるけど

    自分はこんな人生を選んだ
    違う人はあんな人生を選んだ

    っていうことを
    客観的に見れれば
    もっと楽に生きられるのかもしれないですね。

  • 悲恋の話がなくてよかったです。「スローグッドバイ」よりもこちらのほうが好きです。あらすじを読んだ時にドキドキしていたけれど、想像していたものと違ってよかったです。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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