怪魚ウモッカ格闘記 インドへの道 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462159

感想・レビュー・書評

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  • やっぱりこれは空前絶後。だって、未知動物探しに「行ってない」のにこんなに面白く読ませるんだものね。普通なら失敗として葬り去られそうなものだが、転んでも(思いっきりすってーんと転んでる)タダでは起きない、というより、転び方こそが素晴らしい。

    とにかくインドに行くまでの準備が周到ですごい。現地の言葉を習得してから行くことが辺境旅の秘訣だと、他の著書でもしばしば触れられているが、なかなか難しいことだと思う。高野さんはいったい何カ国語をしゃべれるのだろうか。

    また、準備の過程で調査のために会いに行く人たちが、それぞれに個性的で楽しい。ネットでなんでも調べられちゃうご時世でも、顔を合わせてナマの声を聞くことからわかることを一番大事にしているところがいいなあ。

    悲願のインド行きは近々何とかなりそうだと少し前に聞いたが、あれからどうなっているんだろう。「神様より気むずかしい」インド政府には是非オトナの対応をお願いしたいものだ。

    • niwatokoさん
      わたしは実はこの作品がいちばん好きかも、っていうくらいな感じです。準備とか調査のうだうだした?話がすごーくおもしろくて好きで。ほんと、「冒険...
      わたしは実はこの作品がいちばん好きかも、っていうくらいな感じです。準備とか調査のうだうだした?話がすごーくおもしろくて好きで。ほんと、「冒険」してないのにこんなに読ませるってなんなんでしょう! むしろ「冒険」ってだれが書いてもそれなりにおもしろく、ある意味予想つくものになっちゃうのかも?
      2013/05/17
    • たまもひさん
      あははは、「これが一番好き」っていうのがなんともまた…。
      「失敗」なんですけど。他の方のレビューを見たら「こんなもの本にするな!」って怒って...
      あははは、「これが一番好き」っていうのがなんともまた…。
      「失敗」なんですけど。他の方のレビューを見たら「こんなもの本にするな!」って怒ってる人もいるんですけど。
      でも、実にいいですよねえ。この面白さがわかる方は同志です!
      2013/05/17
  • 最高におもしろかったー! 
    いやいやー、まさかこういう展開で終わるとは思わなかったけど、わたしにはマジな冒険記よりこういうほうがいいかもー!!
    本当に文章が読ませるんだなあ、とつくづく。
    だいたい、わたしは理科とか大嫌いで、生物のあれこれだとかまったく興味がないのに、ウモッカについていろいろ調べて研究者とかに話をきくあたりもすごく興味深く読めて。文章がおもしろいゆえ。
    こういう、予想外の展開、まったくうまくいかないあれこれ、焦り、不安、期待、などなどが旅というものなのかもとか思ったり。深いものを感じたような。
    ああ、おもしろかった。

  • 以前読んだ高野サンの本で、何とかしてパスポートを
    本人だけど別人のように取ろうとした奮戦記があったが
    これが原点だったのね。

    インドに行ってからの話は、涙なしで読めませんでした。
    え?そこでそうなるのかよ!!
    と絶対思うはず。
    違った意味の格闘記です。

  • 中盤から趣旨が外れてきている気はするが、著者らしい。ノンフィクションとか旅行記という区分けでなく、エッセイ捉えれば面白い。

  • いやー、おもしろい。
    ノンフィクションの探検記や旅行記を好きで昔から読んでいるが、どんぴしゃり。さまざまな困難に対する選択が危ういところもドキドキさせられる。
    こんな風になりたかったんだな。

  • 結局入国できず先行した相棒もうまくいかず帰国で終わってしまった
    読む前は現地でのいろんなトラブルや楽しい話が読めるかと思って期待してたのだけど
    でも怪魚を探す準備の過程がおもしろかった 第一発見者に話を聞いてトゲの模型を作ってもらうとか、発見したら冷凍して発送する手続きを考えておくとか
    犬に噛まれたあと無事で良かった

  • インドの怪魚ウモッカを探すためにあれこれと動くいつもの高野さんの話かと思いきや、まさかの展開を面白くおかしく書いている。

    まさか日本での準備とインドに入国できない状況をひたすら描写するだけになるとは思わなかった。ウモッカ探しは全く出来てないのに、何故か面白いのはさすが。
    インドに密入国した話はすでに読んでいたので、入国出来るようになったのかと思ったらまさかの強制送還。
    いつもトホホ感あるストーリーになるけど、今回が一番トホホ感が強い。

  • 今回はインドの怪魚・ウモッカを探しに行く旅。……と言いたいところですが、探しに行く“旅”に辿り着くまでの物語でした。どうやってウモッカの調査をするか、ウモッカの正体を探るかから始まって、最終的にはどうやってインドに入国するかがメインとなり。結果は読んで確認してください。調査対象へのアプローチだけで一冊話が書けるのが逆にすごい。

  • 人生には探し物が必要である、と改めて思わずにはいられない。例えそれが、見つかる可能性がとてつもなく低いものでも。

    なんでもいいから、私も探し物のひとつやふたつ欲しいと思ってしまった。この作者のように、それを探すために「なんでわざわざそんなことを…」と周囲が呆れてしまうような無茶で面倒くさい行動を起こす軸となりえるなら、最終的に探し物が見つからなくてもいいんじゃないだろうか。

    この人の探し物ものは見つけるためのものじゃなくて、その探し物のために自分は何をするのかっていう人格形成のものなんだね。

    それにしても、最後の方の「自転車の旅」まで書籍化してるのは笑ってしまった。
    冒険家魂しぶとすぎるだろ。

  • めっちゃおもろいし、後半の展開はびっくりする。
    私は高野秀行のファンなのでまったく好意的に読めるけども、高野秀行を読んだことのない人には勧めない。何冊か読んで、好きになったあとこれを読むべきだろう。

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著者プロフィール

1966年、東京都八王子市生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学探検部在籍時に書いた『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)をきっかけに文筆活動を開始。「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットー。アジア、アフリカなどの辺境地をテーマとしたノンフィクションのほか、東京を舞台にしたエッセイや小説も多数発表している。

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