水滸伝 13 白虎の章 (集英社文庫 き 3-56)

著者 :
  • 集英社
4.14
  • (192)
  • (155)
  • (107)
  • (5)
  • (3)
本棚登録 : 1431
感想 : 97
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462203

作品紹介・あらすじ

官は十万以上の兵で、梁山泊への進攻を開始した。流花寨には趙安の軍が押し寄せ、呼延灼、関勝、穆弘がそれを迎え撃つ。呉用は流花寨の防衛に執心するが、官の狙いは別の所にあった。董万の大軍が息を潜め、急襲の秋を待っている。一方、孔明と童猛は官の造船所の襲撃を計画した。強固な防備の中、百名の寡兵で潜入を試みる。そして、ついに董万が疾風の如く動き出した。北方水滸、決死の十三巻。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • いよいよ官軍が本腰を入れて梁山泊に攻め入る第十三巻
    しかも今回は青蓮寺の働きで有能な指揮官を揃えて来やがりました
    そして梁山泊は初の大惨敗を喫します

    また、セカンドジェネーレーションの担い手となりそうな子どもたちが次々と登場、好漢たちの導きにより成長していく過程も今後の楽しみ
    う〜ん、大河ロマン

    はい、一〇八星ぜんぜん違うじゃん!のコーナー!
    今回は第十二位の好漢、天満星の美髯公(びぜんこう)朱仝です
    渾名の美髯公は言わずと知れた三国志の英雄関羽の渾名でもありますよね
    中国では神様になってるくらいの人の渾名ですから、当然ただおひげが立派というだけではこの渾名で呼んでもらえません
    義に厚く、武勇に優れた人物ってことですね

    『北方水滸伝』では親友とも言える雷横が戦死したときに切ってしまいます
    美髯公というのは中国では特別な渾名ですからね
    自らそれを否定するようなことをすることに相当な想いが表れています

    また、『水滸伝』屈指の人気キャラ黒旋風の李逵と仲が悪いというのはオリジナルと一緒なんですが、仲が悪くなった理由というのがオリジナルではなかなかに残酷なエピソードなんですよね
    オリジナルは好漢たちもけっこうというかかなり非道いことやります

    『北方水滸伝』では双頭山という砦の総隊長を務めていますが、オリジナルでも雷横と一緒に梁山泊の門を守っていたので、そこから着想を得ているのかもしれません

    そして『北方水滸伝』ではめちゃくちゃカッコいい散り方をします
    もう楊志に次ぐかっこよさ
    詳しくは是非読んでほしいけど、もう泣く
    泣くしかない
    オリジナルではけっこう最後のほうまで生き残るんですが、この対比はもうあまり意味ないかもしれない
    だって、どんどん死ぬもん『北方水滸伝』

    • ひまわりめろんさん
      クマさん
      不肖の弟子にご教示頂きありがとうございます

      ちなみに朱仝の仝は口髭を表しています工の部分が閉じた口ですね
      冠の部分が髭です

      嘘...
      クマさん
      不肖の弟子にご教示頂きありがとうございます

      ちなみに朱仝の仝は口髭を表しています工の部分が閉じた口ですね
      冠の部分が髭です

      嘘です同の古字です
      2023/10/03
    • 1Q84O1さん
      クマさん、ありがとうございますm(_ _)m
      しゅぜん?しゅこう?いくつか考えてみたけど分かりませんでした…^^;
      で、一発変換!出ました!...
      クマさん、ありがとうございますm(_ _)m
      しゅぜん?しゅこう?いくつか考えてみたけど分かりませんでした…^^;
      で、一発変換!出ました!凄い!ヮ(゚д゚)ォ!
      2023/10/03
    • 1Q84O1さん
      ひま師匠
      びぜんこうまでふりがなを振っているならしゅどうまで振ってくださいよ〜(ーー;)
      で、適当なこと言わんでください!
      口髭を表す、へぇ...
      ひま師匠
      びぜんこうまでふりがなを振っているならしゅどうまで振ってくださいよ〜(ーー;)
      で、適当なこと言わんでください!
      口髭を表す、へぇーと思い、マジで信じましたよ!w
      2023/10/03
  • 北方先生の思い入れが特に強いという李逵、登場する度いい味を出してくれる。今回もしっかり癒やされ、泣かされた。

  • 前半の梁山泊と青蓮寺(宋)の本気の戦いがかなり読みごたえがあります。梁山泊が力を削られながらもじわじわと盛り返して大きくなろうとしている一方、青蓮寺のメンバーも頼もしい人員を増やし頭を使いに使って梁山泊を潰しにきている、双頭山攻めはそんな戦でした。戦があれば、また死んでいく人がいる。朱仝が、双頭山を守るため、梁山泊を守るために死んでいながらも戦いぬき、最後林沖に先に死ぬことを詫びて息絶える場面に涙があふれました。同時にかっこよすぎて震えました。

    宋江パパを守りに行き、宋江パパとひとときを過ごす武松とりきの三人の話もじーんとするいい話でした。りきは本当に純粋で正しいから、りきに泣かれてしまったら、誰であろうとりきを拒絶なんかできないよなーとしみじみ。

  • 途中まではメモをとりながら読んでいたけど、双頭山の戦いになってからは無理だった。

    以下感想。
    やっと気付いた。武松は潘金蓮のことを想うたびに心が崩れそうになるのを志で支えているんだ。茫洋としているのは心の中で必死に自分を立て直そうとしているんだね

    董万が賢すぎる、、、
    智恵が働くとはこういうことよ、、、
    こっわい、、、

    彭玘が韓滔の話し方を真似した時からきっと仲間を守って死ぬと決めていたんだろうな。韓滔がそうだったように。呼延灼は連れてきた大好きな二人が立て続けに死んでしまって、でも自分の軍務が落ち着くまでは自分を奮い立たせていた。しかもお酒の力を借りないと泣けないの。なんて人間らしいの。どんなに大切な人が死んでも、その命は自分の責任下にあって、しかも絶対に取り戻すことはできない。そんな重圧の中で泣くのを堪えていて。抱きしめたくなる、そんな背中をしている呼延灼。

    双頭山の戦い、今までとは比にならないくらいの壮絶さ。戦いとしては董万の勝ちではあるけれど。心意気は絶対双頭山の勝ちよ。
    朱仝と李忠は二人とも部下を守った上で漢として散っていった。朱仝の最期が本当に格好良くて。林冲との会話。吹き消したように消える目の炎も。当たり前やけど私にできることなど何もなくて。久しぶりに声を上げて泣いてしまった。本当に格好良かった。雷横と、死んでもうたでも頑張った〜!ってお酒を飲んでいてほしい。

    呉用への不信感?みんな少しずつ感じていて、そしてそれを伝えての人事異動(言い方)。しっかりした組織やなぁ。
    あと李逵と宋太公。宋太公の心を暖めてあげた李逵の言葉が本当に純粋で泣いてしまった。誰だって、幸せに生きて欲しいよ。最期に二人と出会えたことが一番の親孝行になったよ宋江。

    そして最後の最後に……孔明。やっぱり死ぬ時は死ぬ。仕方がない。分かっているけれど、運が悪くて死んでしまうのは辛い。戦って死ぬのを見るより、運が悪い方がこっちは辛い。だって違う未来があったかもしれないんだもの。とりあえず木はFIREした。それで良い。怖い顔やのに優しい孔明。ずっと大好きで忘れなかったよ。

    泣きに泣いた13巻。ここからは怒涛だろう。心して。水を多めに飲んで。気を引き締める。

    解説コーナー
    単行本で読んだので今回はなし。次図書館行った時に解説だけ読む。

  • なんか敵方の人材がどんどん充実していってるなあ。はやく滅べばいいのに。
    それにしても梁山泊過去最大のピンチ。この戦の攻防は目を背けたくなるけど目を離せない、怒涛の面白さがあった。

    戦後の呉用の扱われ方、まるで僕自身を見ているようで痛い。。。

  • 宋江の親父さんのエピソードはしみじみと心にくる。

  • 李逵の言葉に全あたしが泣いた。

  • 13巻。官軍の攻撃で武将が倒れていく梁山泊。しかし彼らの体を張った闘いでまだまだ均衡は崩れない。さあ、終盤戦に。

  • とうとう全巻購入してしまった。。。

    もう止まらない水滸伝への熱い想い、、、
    止まらない。やめられない。

    今回は一番いいところを美容室で読んでしまって、、、頭の上を天使の輪のようなヒーターがクルクル回ってる中、流れる涙を隠し切れないわたしでした。笑!!!!

    美容師さんに、そんなに本で泣きます!?

    ってビビられる。笑笑

    これはね、ダメ。
    13巻の良さを熱く説明するには、やっぱり一巻から読んでもらわないと。そしたら、きっとあなたも泣ける。と、語って帰ってきました。

    水滸伝を手に持ったことない人に、どう伝えても伝え切れない。この本の溢れ出す熱い男たちの戦い。友情。もう、これはとにかく一巻を読み始めてもらうしかないのよ。

    ただし、読まずに生を終えるとしたら。

    この世で出会う素敵な本のホントその一部を逃したと思った方がいいよ。可哀想だ。ホント。

    と、思うのはわたしだけでしょうか?

    ちなみに、あんまりにも熱く語るから一巻から読み始めて、止まらなくなる旦那がうちにおります。
    笑笑

    #水滸伝
    #北方謙三
    #死ぬまでに読まずしたらなんと可哀想なことか
    #人生で出会うべき本
    #これは読んだ方がいいよ
    #全19巻に怯むな!
    #みんなわたしに続け!
    #彩っていう旗を掲げる
    #みんな水滸伝持ってるかー!?
    #読んだかー!?
    #読んでるかー!?
    #続けぇー!!!

  • 話がよくわからなくなっている笑

全97件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

北方謙三の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×