天使の梯子 Angel's Ladder (集英社文庫)

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著者 : 村山由佳
制作 : 小瀧 達郎 
  • 集英社 (2007年10月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462210

天使の梯子 Angel's Ladder (集英社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 姉をなくした夏姫が主人公。
    亡くなった人に対して誰でも後悔はあるわけで。それでも、その後悔を持ち続けていくしかないけど、それでその故人まで縛り付けていることに気付く。
    それでその人を思い出さないで、悲しむ気持ちに蓋をしたらかわいそうだと。
    その通りだと思ったなあ…
    それぞれの悲しみを抱いた皆が、確実に再生へ向かっていく物語。

  • 「天使の卵」から10年後の夏姫と歩太。
    おばあちゃんに投げかけた最後の言葉が悪態になってしまった慎一を夏姫が包み込むシーンからはじまる物語は、夏姫を救済する物語でした。
    夏姫が恋した慎一は、皮肉にも姉の春妃と歩太の年齢差と同じく8歳年下。因縁めいたものを思わせる巡り合わせですが、春妃と同じような恋をしてどんな気持ちを相手に募らせるのか身を持って感じたことが何よりの良薬だったのでしょう。二人には別れることなくいつまでも寄り添っていてもらいたいものです。
    一方の歩太は、10年で随分と逞しくなったものです。男性ながら歩太には格好良さを感じずにいられません。

  • これも、「卵」どうように、今回が初めてではない。読んだのはハードカバーが出版されてすぐだったから…2004年か。歩太たちにとっては10年後、わたしは3年後の、再会だった。
    10年経ってなお、責めを負って生きてきた夏姫と、未だ心は春妃とともにある歩太、そして夏姫が教師をしていた頃の教え子である慎一。慎一と夏姫の年の差は、歩太と春妃の差そのままだった。
    時が経つことの意味は、こうして知るのかもしれない。忘れられないことなんて山のようにあるし、後悔し続けることもあるけれど、それを負うことが答えだと自分で見つけてしまったら、時と共に責と共に、生きていくしかないのだ。自分で自分を解き放ってあげられる、その瞬間に出会うまで。
    読み返しているのに、初めて読むわけではないのに、不思議なほど心が打たれる。「打たれる」というのがこういうことなんだと、この「天使」シリーズを読むと実感させられる。

  •  私が村山さんの作品に出会うきっかけとなった『天使の卵』。あれから10年後の世界を描いたのがこの作品です。

     作品の登場人物にとっても10年が経っていますが、実世界でも10年経っているというのが面白いところ。もちろん、読んでいる私も書いている作者の方も10歳、年月を重ねたことになります。

     『天使の卵』では恋人歩太にふられたばかりか、姉に歩太をとられ、しかも、姉が急に亡くなってしまうという役どころだった夏姫が、この『天使の梯子』では、姉と歩太と同じ、8歳年下の彼氏と付き合うという設定がなかなか面白い。姉の恋を追体験することで、夏姫にも大きな変化、成長のきっかけが訪れる。

     夏姫の彼氏はフルチンこと古幡慎一。正体不明の歩太と夏姫の関係を疑い嫉妬する。慎一が自分に自信がもてず、相手の言動に振り回されるのは、とてもよくわかるう気がします。読者は第三者なので、双方の気持ちが見えてしまっているわけですが、私が慎一だったら、きっと同じような感情に悩まされていたことでしょう。

     ちょっと残念だったのは、『天使の卵』のストーリーがわかっていると、夏姫の相手が誰なのか、想像がついてしまうところ。それでも、ちょっとしたどんでん返しが待っていますが、『天子の卵』を読んでいなければもっと楽しめてたかも。

     石田さんの解説がとてもいいですよ。p.294 『天使の卵』は死者の物語。『天使の梯子』は生者のものというとらえが絶妙。村山さんの気持ちの変化を上手に読み取って解説してくれています。

     というわけで、続編とかカバーには期待外れのものが多いですが、村山さんの作品には外れはありません。ぜひ皆さんも一度読んでみてください。

  • 2017.7.20

  • 2017.7.9

  • 恋愛系の小説で本当に胸が踊った本

  • 小説読んで初めて泣きました。

  • 再読2回目。「天使の卵」の続編。夏姫の恋人古畑慎一から見た夏姫、歩太の再生と過去への訣別の物語と言える。本を読んで色々な事が頭に浮かんできて感想に表すのは難しいが、愛する人に置いていかれる寂しさを消化して前に進むというのは、とても苦しいことだと思う。残された人たちは現実に生きていて、どこかでその辛さを乗り越えていかなくてはいけない。「卵」であれだけ打ちのめされた歩太にも、その機会が訪れたことは良かったなと思った。同じ物語を夏姫の視点から見たヘブンリーブルーや続編の天使の柩も読んでいきたいと思う。

  • 村山ワールド。ほわわわ〜

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