谷崎潤一郎犯罪小説集 (集英社文庫 た 28-2)

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著者 : 谷崎潤一郎
制作 : くまおり 純 
  • ¥ 518
  • 集英社 (2007年12月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462494

谷崎潤一郎犯罪小説集 (集英社文庫 た 28-2)の感想・レビュー・書評

  • 何年後かに再読したいシリーズですな。

  • 表紙に魅かれて購入。
    仄暗い画面の真ん中で赤く輝く林檎飴が美しい。

    文章やその世界観の美しさに耽溺した。
    ミステリーというゴリゴリのロジックではなく、もっと感覚的なものに訴える作品だった。

    登場人物の着物や小道具の豪奢さを見るにつけ、大正時代の華やかさを思い描いては溜息を吐く。浪漫や……。

  • こういうお話を書かれているとは露知らず。

    ミステリー的な要素もありつつ、時代的な風景も描かれていて面白かったです。精神的に追い詰めてたり、ブラック的な要素があったりと、4編の短篇集ですが、内容は濃い!

  • 「谷崎潤一郎犯罪小説集」谷崎潤一郎◆友人が「殺人の現場を見に行こう」と言い出す『白昼鬼語』など4編。谷崎潤一郎にミステリのイメージはなかったが、ホラーっぽかったりブラックだったり、多彩なミステリに驚いた。犯罪小説集というからアブノーマルな短編集かと思いきや、そんなことはないです。

  • 読後手放しにおもしろいと思うタイプの本ではなかった。

    ・柳湯の事件
    えっここで終わり?というところでスパッと完結。話の内容がどうこうというより単純に狂人の脳内描写を楽しむ話でしょうか。ぬるぬる系の描写が気持ち悪いようなエロティックなようなでとてもリアルに思い浮かびます。

    ・途上
    長々とした会話の応酬。ほぼ会話だけで一つの殺人事件が解決する。これもスパッと終わります。なんだか痛快。

    ・私
    一度読んだだけではいま一つ。読み返してみると納得いく部分が色々。元祖叙述トリック……とまではいかないけどそれに近いような。

    ・白昼鬼語
    異常性癖な男女の話。四つの話の中で唯一普通のミステリー小説っぽいなと。うまいこと騙されたし面白かったです。美人の描写が秀逸。

  • 恥ずかしながら無知で、谷崎潤一郎がサスペンス風味のものも書くとは知らず…
    特に印象に残ったのが「私」という作品ですね。
    某コピペみたいな語り口で、犯人おまえかよみたいなw
    でもこの手法は当時の日本では画期的で、谷崎はのちにこの作品を自分のベストだと語っているらしいですね。
    あとはラストに収録されていた「白昼鬼語」が印象に残りました。角刈りの若い男と姐さんの関係が気になる……。

  • 谷崎潤一郎の犯罪に関する短編を編んだもの。「白昼鬼語」が出色。

  • 犯罪小説が4作品。
    「柳湯の事件」
    「途上」
    「私」
    「白昼鬼語」収録。

    「柳湯の事件」は、上野の弁護士事務所に「人を殺してしまったかもしれない。」と、画家の青年がやってくる。
    いろいろと白状するのだけど、その青年の性癖に笑いが止まらなくなってしまった(笑)

    なんせ、友達から"ヌラヌラ派"という名称をつけられるぐらいヌラヌラしているものに執着している。
    私的に、"ヌラヌラ派"がツボってしまったようです(笑)
    読者で同じ感覚に襲われた人いるかなぁ。

    「白昼鬼語」は最高!
    "ヌラヌラ派"も打ち消してしまうくらい。
    真夜中、男二人が節穴から"殺人ショー"を覗き見るのだけど、女の妖艶さの描写が、さすがはタニジュン。

    結末は、物語のなかの男たちは担ぎに担がれるのだが、私もまんまと担がれました。

  • 犯罪小説。
    べたっと張り付いてくる感覚。

  • 表紙の絵に惹かれて購入

    どれも聞いたこともない作品だったが
    粒ぞろいで大変に楽しめた

    ねとねとじめじめしたいいタニジュン

  • 一番最初と最後の短編が素晴らしかった。中二篇は、ふつう。
    トリックどうこうより、頽廃的で煌びやかな文章とか変態趣味の方が全面に出てるとこが谷崎さんらしいなーと思った次第です。

  • 古本で購入。

    谷崎潤一郎は日本の推理小説の発展に重要な影響を与えた作家である、という。
    その一事でも意外なのだが、江戸川乱歩をして自らの青年期にとって「谷崎ほど刺激的な作家はいなかった」と言わしめたというのだから驚きだ。

    小説としての技術の巧さというような話はさておき、『春琴抄』とは一味も二味も違う読み心地がいい。
    収録された「柳湯の事件」の、恋人を殺したと思い込んだ青年が濛々と湯気の立ち込める銭湯の風呂の底に間違いなくヌラヌラとした恋人の死体があったと独白するシーンの描写の細かさなど、実にアレでステキである。
    犯罪というものが漂わせる甘い腐臭と、大正~昭和初期の頽廃的な雰囲気がマッチしていておもしろい。

  • カバーに魅かれて購入。
    正直に言ってしまうと少し物足りなく感じるかもしれない。
    けれど、発表当時はこれが日本の推理小説なのだなあと感慨深くもある。
    やはり、ミステリーというよりは、犯罪心理小説と言っていいのだと思う。その中に谷崎氏十八番のエロティシズムが相まって、妖艶な世界観を作り出している。

  • 「私」に思わずしてやられた、面白い! 読後すぐさま、改めて始めから読み直さずにはいられなかった また「柳湯の事件」や「白昼鬼語」の異様で少々気色悪くもある妖艶で魅惑的な物語の雰囲気も良かった 読み終わってからも後を引く独特の浮遊感があるような気がする

  • 独特な語りを持つミステリー作品たち
    谷崎作品の中でも比較的、犯罪がクローズアップされているものが集められている。トリックよりも心理描写が読みどころ

    収録作品:『柳湯の事件』『途上』『私』『白昼鬼語』

  • 一作目、柳湯の事件を読んでガツンとやられた。
    この手の小説は、同系色にしていいのか疑問だけれど「ドグラ・マグラ」以来でなんとも言い難い読了感がある。スッキリともモヤモヤとも違う、非常に複雑なものなのだが、厄介なことに嫌いじゃない感覚。
    ただ理解しがたい世界の話であることは間違いない。
    精神疾患を患う登場人物たちに踊らされながらただ夢中に読めてしまう作品であることは紛れもない事実で、これがおよそ90年前に発表されたものなのかと驚くばかりです。
    現代にない、不思議な力に満ちた四作品でした。

  • 去年の夏に同志社で買った。

    ずっと古本で探していたが可愛い表紙で売っていたので購入。
    谷崎文学におけるミステリ的要素については「鍵」でも見ることが出来る。

    しかし収録されている話は、正直現在「ミステリ」と言われているようなものとはすこしベクトルが違う。
    そもそもトリックも出てこないし。
    銘打ちが「犯罪小説」なので、とにかく犯罪が出てくるって感じ。トリックや伏線的なものもあるにはあるが、現在のミステリとくらべると格段に精度もおちる。
    というよりも、この時代の「ミステリー」といえば、あやしげな犯罪や謎、ミステリアスな怪盗や探偵が出てくればそれで十分だったんだろう。
    そういう時代背景を鑑みると一概に谷崎ミステリをやれ程度が低いのロジックがないのとなじることはできない。

  • 女性のなまめかしさがまさに谷崎。
    じわじわと心理を暴いていく静かで冷ややかな展開が読後ひやりとくる。

  • 初読みです。
    谷崎作品は自分には合わないと思っていたけど
    これは読めました。
    ミステリっぽい4篇の作品なんですが
    やはり犯罪小説というしかないのでしょう。
    どの話も予想外の結末に驚かされてばかりでした。
    「途上」がお気に入りです。

  • 装丁に惚れた。

    りんご飴の艶やかな紅さが
    どうしても手に取らずにはいられなかった。

    楽しいはずの祭りの喧騒のなかで見せる
    りんご飴を持った少女のうつろな瞳と
    懐かしさすら感じる夜店の風景。
    何時間でも眺めていられる。

    柳湯の事件/途上/私/白昼鬼語
    の四編収録。

    犯罪小説と銘打っているが
    トリックをどうこうする類いのものではない。
    人の秘めたる欲望、狂気を表現した作品。

  • 私的に「途上」が一番ぞくぞくした。

    犯罪そのものでなく、罪を犯した人の心理描写に迫るような内容かな、と。

  • うーん、すごく期待していたせいか、それほどでもなかったかな?

  • 図書館で借りたのはレトロな表紙だった
    そっちのほうが良かったのになー

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君と時計と嘘の塔 第一幕 (講談社タイガ)

綾崎 隼

読了後すぐに続きが読みたくなる、新しいタイムリープミステリー。

タイムリープをテーマにした作品は様々ありますが、この作品では、タイムリープするたびに大切な人が消えていきます。それも、存在していたという痕跡すら残さず。とても残酷な条件です。
物語は、このタイムリープというSF要素と、解決策を模索し、大切な人を救うべく奔走する主人公たちの青春要素が合わさった、青春ミステリーです。
前半、小学生時代についた些細な嘘によって心に残った消えない傷や、母親との些細な口喧嘩といった、主人公の幼ない言動が印象に残りますが、タイムリープを目の当たりにした直後から、一気に様子が変わります。また、協力者となる先輩や、自分もタイムリープしていると言う同級生など、新たな登場人物もあり、彼らと今後どのように関わっていくのかも気になるところです。
優しくて美しいミステリーを紡ぐ、綾崎さんの新シリーズ、読了後すぐに続きが読みたくなる一冊です。

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