漢方小説 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.43
  • (59)
  • (155)
  • (221)
  • (42)
  • (11)
本棚登録 : 1137
感想 : 178
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462562

作品紹介・あらすじ

川波みのり、31歳、脚本家、独身。胃がひっくり返ったようになるのに、眠れないのに、病院に行って検査をすると『特に異状なし』。あのつらさは何?昔の男が結婚したショックのせい?それとも仕事のストレス?最終的にたどりついた東洋医学で、生薬の香りに包まれながら、みのりが得たものは。心と体、そして人間関係のバランスを、軽妙なテンポで書き綴る、第28回すばる文学賞受賞作品。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 漢方の事に少し興味があり、なにかないかなぁ っと思っていたときに目に入ったので読んでみた。
    小説だけれど、なんとなく漢方の事が理解出来た。
    なかなか面白い一冊。
    特に最後の数行がこの小説を締めてくれる。

    川波みのり、31歳、脚本家、独身。
    救急車で運ばれるが西洋医学では正常と判断。
    症状は治まらず漢方医のもとへ。
    漢方治療で徐々に良くなるが、病名はなし。
    これはあなただけの病気です。
    うーむ、難しい。
    でも、徐々に分ってきたような。

    陰陽道に基づく東洋医学。
    それは五角形の元素の循環だけでなく、五臓や七情も表されている。

    第28回すばる文学賞受賞作品。

    メモ
    陰陽道 陰陽五行説、木火金土水、肺脾腎心肝腎、喜怒憂思悲恐驚

    140p 黄帝内経

    142p 変化を怖れない自分になりたい。

    143p 自然と同様、人の体は絶えず変化し、また循環しているという考え方ですね。

    156p 東京都薬用植物園

    • Minmoさん
      いるかさん
      私もこの小説が好きで、主人公と同世代の頃、だいぶ昔になりましたが(笑)、会う人会う人に薦めていました。読み返そう。
      いるかさん
      私もこの小説が好きで、主人公と同世代の頃、だいぶ昔になりましたが(笑)、会う人会う人に薦めていました。読み返そう。
      2022/10/15
    • いるかさん
      Minmoさん こんばんは。。

      コメント ありがとうございます。
      大きなイベントは起こりませんが、いい小説ですよね。
      私もこの本は...
      Minmoさん こんばんは。。

      コメント ありがとうございます。
      大きなイベントは起こりませんが、いい小説ですよね。
      私もこの本は手元にずっと置いておきたい一冊になりました。
      コメント うれしいです。
      これからもよろしくお願いいたします。
      2022/10/16
  • 現代医療の主流とされているとも言われる西洋医学と対置される東洋医学。本書はその東洋医学たる漢方に主眼を置いた物語です。
    主人公みのりの視点に立ち、淡々と描写されていく少し癖のある文体に、最初は戸惑うかもしれません。
    しかし、1頁、1頁とめくるたびに、まるで漢方が徐々に身体のバランスを調えてくれているかのように、身体に馴染み染み渡っていくような感覚を受けることでしょう。
    物語自体にそれ程の起伏はありませんが、それこそ本書の主眼とするところの漢方の性質をよく表しているように感じました。
    分量もそれほどなく、漢方についての基本的知識も身に付けられるので一読をおすすめしたい作品です。

  • 実は漢方の話以外は
    ほとんど何も起こらない小説なので
    肩透かしな部分があるかも
    でも その何も起こらないけど
    なんだかすっきりする
    という変な効き目が
    漢方にそっくりという
    なかなか いい雰囲気の小説でした

  • おもしろかった。
    漢方のことももう少し知りたくなりました。

  • もう何回読んでいるかわからない本。勉強になります。何故か調子が悪くなると手に取っていて読み終わった後、ドラッグストアで手に入るエキス剤飲んでいる。本格的に漢方薬調剤してもらったら、お高いんだろうな☺

  • アラサーで未婚のみのりが、普通の病院に行っても体調が改善されないため、漢方医のもとに通い始める。担当医にときめいたり、女友達と愚痴りあったりという日常を、自分の体調や漢方の考え方などを踏まえながら綴っている小説。

    ちょっと期待してたのとは違ったが、漢方の考え方など参考になった。

  • 漢方のことは全然と言っていいほど知らなかったので、そこは興味深く読めました。
    ただ漢方の話がメインで、小説としては内容があまり入ってこなかったかな、、
    軽いというか、文体があまり好みではなかったですm(_ _)m

  • 自分自身も漢方薬局に通って、漢方を煮詰めて飲むことで
    いろんな体調が改善しました。
    そのことから興味を持って読んでみた本ですが、
    漢方を知らない人でも楽しめる本だと思います。
    要は、病院にいったんだけど、どこも悪くないですねと一蹴され
    でも本人は相当調子が悪いんですけど…みたいな時もあるよねっていう話とか、それってどうやって解決していくの?っていう
    (それが漢方でいうところの未病を治すっていうのなんですけど)
    現代人ならだれしも、困ったことがあるのではないか、というような
    体調の話も。
    女性は特に、あるある、と思うのかも。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「未病を治す」
      深い言葉ですね、、、
      この本は、著者中島たい子自身の体験が関わっているのかな?
      西洋医学で出される薬って、如何にも合成された...
      「未病を治す」
      深い言葉ですね、、、
      この本は、著者中島たい子自身の体験が関わっているのかな?
      西洋医学で出される薬って、如何にも合成された感があって飲み辛いのですが、漢方は人間の長い営みから得た知恵みたいな感じがして効きそうと思ってしまいます(プラセボ効果抜群?)。
      2012/06/28
  • 東洋医学?漢方?治るの?と思うけど侮れず。
    明確な原因のない身体の不調には、ばっちりハマるなと思います。
    主人公みのりを苛む突如胃がびっくりするような感覚も、東洋医学ではなんら不思議でない現象。
    東洋医学に病名はない。
    一人一人の病気です。っていうのは納得。
    年を重ねてくると、漢方とか鍼とかお灸とかって確かに対して効果があるなぁと思う。特に未病。
    まだ決定的な病名が付く前の身体の不調を整えて、病気の決定打を作らないようにする事に長けてますね。
    そのかわり、続けなくちゃいけないけれど(笑)
    みのりの不調が出始めが、元彼の結婚を聞いたからっていう流れは、如何にもな精神不調の始まり出しでしたが、新たな恋愛が解決したみたいにはならず、みのりが自身の性格とか考え方を見直して、全体的に生き方を変えようとする感じが好ましかった。
    東洋医学の内容が難しい感じだけどテンポがいいから読みやすい。
    あと、単純に漢方を取り入れたいと思えます。
    漢方が気になっている人にはぜひ読んでもらいたい小説です。

  • タイトルの通り漢方薬がメインの内容でしたが、主人公の女性やその友達に起こる様々な変化に、東洋医学の診断を上手く織り交ぜながらわかりやすく解説されてます。
    患者さんへの説明の参考にオススメですよ❗️

全178件中 1 - 10件を表示

中島たい子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部みゆき
和田 竜
瀬尾まいこ
森見 登美彦
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×