水滸伝 17 朱雀の章 (集英社文庫 き 3-60)

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  • 集英社
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感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462616

作品紹介・あらすじ

童貫と〓美(ほうび)が、怒涛の猛攻を開始した。董平率いる双頭山が総力を挙げて迎え撃つが、次々と同志は討たれていく。更なる禁軍の進攻を止めるため、侯健は偽の講話案を進めていた。巧みに高〓(こうきゅう)を信じさせるが、そこには思わぬ落とし穴が待ち受けている。一方、致死軍と高廉の軍の決戦が間近に迫っていた。闇の中で、両者は息を潜め、刃を交える時を待っている。北方水滸、悲泣の十七巻。

感想・レビュー・書評

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  • 禁軍元帥の童貫がいよいよ梁山泊に牙を剥く第十七巻

    つおい!童貫強すぎます
    あっという間に砦の一つ落とされちゃいます
    もうがんがん死んでいきます
    どうなるのよ!?

    そして次シリーズの主人公楊令の成長も描かれます
    安心して下さいめっちゃいい漢に育ってます!
    109人分の魂を背負って尚負けずに育っております

    あと気になる扈三娘×王英さんですが、扈三娘も浮気相手だった白寿の二人が共に王英さんの子を生みますが、扈三娘は父なし子であると宣言します
    王英さん、扈三娘はもちろん子どもたちにも会えてません
    かわいそう!身から出た錆とはいえかわいそう!。゚(゚´Д`゚)゚。

    はい、一〇八星ぜんぜん違うじゃん!のコーナー!

    今回は、梁山泊第十三位の好漢、天孤星、渾名は花和尚(かおしょう)の魯智深です

    『北方水滸伝』の最重要人物と言っても過言ではない人物で、オリジナルにはないとんでもなく大きな役割を与えられた人です
    この人がいなかったら『北方水滸伝』は成立しないといっていいと思います

    オリジナルではまさに「弱きを助け強きをくじく」人でめちゃめちゃ人気がありますが、中々に短気で暴れ者です
    酒の飲んで暴れてお寺破門になるし
    そしてオリジナルでは二竜山の山賊をやっつけてそこの頭領になった後、官軍に攻められたのを機に梁山泊入りし、その後は歩兵隊の隊長として活躍します

    『北方水滸伝』での魯智深はまさに「繋ぐ者」です
    全国を旅して同志となる者を見つけ、梁山泊へ加わるよう説得したり、悩む同志に助言を与えたりと、まさに梁山泊という組織を大きくし維持する役割を一身にになっています
    思慮深く暖かい人物として同志たちを導く存在ですが、必要であればとてつもなく冷酷にもなれます

    そして最後に次の主人公楊令に梁山泊に集まった想いを繋ぐという大きな仕事を成し遂げ退場していくのです

    ぜんぜん違う『北方水滸伝』を体現する漢それが花和尚魯智深なのです

    • 1Q84O1さん
      いやいやいや!
      もしかしたらサヨナラ逆転満塁ホームランがあるかも、…やっぱりないですか(-_-)
      いやいやいや!
      もしかしたらサヨナラ逆転満塁ホームランがあるかも、…やっぱりないですか(-_-)
      2023/10/19
    • kuma0504さん
      あのね、これはコメント書くことで今回発見したことなんだけど、この51巻、もしかしたら副題は「王英とその子供たち」だったんではないか?と気がつ...
      あのね、これはコメント書くことで今回発見したことなんだけど、この51巻、もしかしたら副題は「王英とその子供たち」だったんではないか?と気がつきました。うーむ、ギリネタバレにならないと判断して書きました。

      魯智深の最期は壮絶でした。一生記憶に残ると思います。
      2023/10/26
    • ひまわりめろんさん
      ええええええええ!Σ(゚Д゚)

      そんなん聞いたら、だらだら読んでる場合じゃないじゃないですか!!!
      ビックリマーク3つもつけちゃったじゃな...
      ええええええええ!Σ(゚Д゚)

      そんなん聞いたら、だらだら読んでる場合じゃないじゃないですか!!!
      ビックリマーク3つもつけちゃったじゃないですか!
      早く次読まねば!
      2023/10/26
  • ある重要な展開の中で、(記憶に間違いなければ)初めて「百八人」という数の記述が出てきた。今やその半数近くが戦死。大物も次々と逝き、哀惜感漂うラスト。「楊令伝」への伏線(らしきもの)も張られ…残すはあと2巻。一体誰が生き残るのか…。

  • 完全に最終段階に入ってきて、どんどん人も死んでいくわけで。初期に出てきた人たちも随分減ってしまって、そういや新しい人ばっかだよなー、と。
    そんな中でも林冲は生き続けてるというか、いや最初の頃ってけっこうナイーブだったんでね?すっかりやさぐれてしまったよなぁ、なんて昔を思い出したりしつつ。
    ともかく佳境に入ってきてドキドキなわけですよ。

  • 半日で読み切った17巻。最後の戦に向けて。死者が多すぎる。

    孫立、董平、関勝、単廷珪、鄒淵、候健、盧俊義、龔旺、楊林、劉唐、孔亮、魯達
    心の中で札をひっくり返した。

    童貫率いる軍隊が強すぎて文章からも気迫が伝わってくるから読むのが苦しい
    孫立、董平のことも認めていたし、数で負けるのはもう仕方がないのか……

    高俅=犬以下 ←new!
    厳しい死に方が増えてきた。候健も。少しの心のゆらぎが命取りになるんだな

    厳しい戦の中で飛礫に打たれた童貫を笑ってしまったことを許してほしい。
    童貫たちが強いのって、戦のPDCAをめちゃくちゃ回して部下にも回させてフィードバックめちゃして褒めて、部下に合った戦いを任せているからやんな?!上司としては頼り甲斐もあるし超リスペクトできる人やん。敵にしたら死ぬほど怖いけど。(飛礫打たれた後でさえも部下にフィードバックしてたんすごい)

    馬麟は大切なことを二度言う。高廉を討ち取れたのは大きい。公孫勝の過去、知れないままかなと思ったけど、想像以上に悲惨だった。暗闇での絶望が彼を育てたのか。お互いのピンチの時に訪れる林冲×公孫勝。もう仲良うせぇよ。

    孔亮。もう少し何を考えていたのか教えて欲しかったナ。もうちょっと推したかった。
    一方ぎゃん推ししてる燕青ですけど、活躍しすぎじゃない?まさか女抱いてるところまで見れると思ってなかった。。。呂牛もあっさり、心はそんなに強くなかった。

    子午山。楊令が脱童貞。めでたい!育てたみたいな気分になる。魯達……無念やね。でも最後に楊令に志を伝えられたのが良かった。108人の豪傑のことも。楊志が楊令を助けたのを見たのは魯達だけ。楊令はみんなの志を背負って剣を振るう。でもそれを重荷とは思ってなさそうなところが豪傑。感じてるかもやけど。張平が助けてあげてほしいな。

    やっぱり宋江が大好きです、私。晁蓋を胸に戦うと決めていても、同志が死ぬとやっぱり泣いちゃうところ、あだ名のない人にセンスの良いあだ名をつけてあげるところ、魯達の死に胸を冷たくさせるところ。人が好きで感受性が強くて情があって、でも志は絶対に忘れない宋江。昔から宋江の周りに居た人がどんどん死んでいく。でもそれが頭領の役目なんよね。最後まで応援しています。

    18.19巻を読み終わった時、私の涙を乾かして塩生産できるかもしらん。梁山泊に届けたい。少しでも糧に。(いらん)

    解説コーナー
    あまり目立たない飛脚について、原作を踏まえての話!宋はあんまり人気のない時代らしい。

  • 元の水滸伝でも気になってた、方天戟使い2人のドリームマッチが実現。
    花和尚の無念が痛いほど伝わってくる大往生に胸を打たれる17巻目。

  • 再読。

    全編に渡って繰り広げられる激闘に次ぐ激闘。
    童貫の強さを見せつけられた双頭山戦から始まり息詰まる流花寨近郊戦、ヒリヒリする二竜山防衛戦、待ってましたの高廉軍殲滅戦、その間に挟まれる楊令童貞喪失戦。
    否が応でも盛り上がる巻。
    それに伴い赤い札が多くなる巻、寂しい。
    見事に様々な生き様を見せつけてくれる。

    この頃にはもうすでに岳飛伝の構想はあったのだろうか?楊令伝も岳飛伝も未読なので一気に読みたい気持ちにはなるんだが…

    ささ、次巻へ。

  • まぐわいとは戦いである!お話し

  • 2021.12.24
    この巻では宋江の人間味が出ていて宋江を好きになりました。
    あと二巻なのに今後どうなっちゃうの…

  • 致死軍vs高廉軍
    阿骨打立つ
    魯達死亡

  • 4.3

    一番好きだった人間が死んでしまった。梁山泊側の死ぬペースが早すぎる。どうするんだ今後。魯達がそうしたように第二世代に託すしかないのか。
    あと二巻、どういう風に帰結するのだろう。お互いに削り合っていよいよ佳境、というかもう決着にまで近付いてるのかもしれない。時が経つのが早い。

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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