クアトロ・ラガッツィ (上) 天正少年使節と世界帝国 (集英社文庫)

  • 596人登録
  • 4.13評価
    • (42)
    • (41)
    • (17)
    • (1)
    • (3)
  • 34レビュー
著者 : 若桑みどり
  • 集英社 (2008年3月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (575ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462746

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
ヴィクトール・E...
池井戸 潤
村上 春樹
トム・ロブ スミ...
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印

クアトロ・ラガッツィ (上) 天正少年使節と世界帝国 (集英社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 2016.10.20読了。

    膨大な史料や文献をもとにした作品で、非常に読み応えのある一冊。
    天正少年使節団の話というよりは、戦国時代の日本の情勢や、当時のキリスト教布教の経緯、スペイン・ポルトガル等欧州諸国の世界進出の様子などが細かく描写されており、世界観に吸い込まれる。良書。

  • キリスト教の日本での布教と天正少年使節の話。
    キリスト教の布教のスタンスはグローバルでの生き方について学ぶところが多い。
    家族を持たないのは世界のあらゆる人間を愛するため。
    間引きはキリスト教の流入でなくなった。
    日本では僧侶はきれいな格好をしているから尊敬される。西欧は貧しい格好をしているから尊敬される。
    宣教師は西欧と日本は違いすぎるとして、布教にはわれわれが合わせないといけないと述べている。
    男色は戦国からあった。
    主君を信じない裏切りは戦国の世の中の考え方。
    日本も昔は白が喪で黒がめでたい。
    ヴァリニャーノは日本の文化に合わせて誰からも愛されたため、秀吉が神父を皆殺しにしようとしたが、石田三成な彼の名前を出して思いとどまった。これは国際和平の基本のスタンスだと思った。

  • ライフネット生命出口社長一押しの本。

  • 天正使節団、4名のキリシタンの子ども達が400年以上前にバチカンにまで行った。行くだけでも2年以上かかる旅程をよく行き着き、さらには無事で帰ってこられたものだ。
    16世紀の日本は、宣教師によりかなりの早さでキリスト経が広がっていった。貧しいものだけでなく、キリシタン大名と呼ばれる者も数名いたことから貧富の差なくキリスト経の来世があるという思想は、この時代民衆に受け入れられやすいものだったのだろう。
    しかし、天皇制をとる日本にとってキリスト経が広まることは、支配層にとって脅威であった。
    秀吉の時代からキリシタン弾圧がはじまり、その時期に帰国した4名の少年達は、つらい運命をたどることになった。
    生きた時代により、どんな運命が待ち構えているか誰にも予測がつかないし、自分の力だけではどうしようもないことがある。

  • 噂話を聞いている感じで、気になって読み進めてしまう。

  • 出口治明著『ビジネスに効く最強の「読書」』で紹介

    欧州各国を回り、宣教師となった少年たちの物語。末路は悲惨だが、日本人の素晴らしさが実感できる。

  • 上下巻の大作。
    上巻だけで500ページ以上もある。

    信長の時代のことを、これほどまでに事細かく文章で表現できていることが素晴らしい。

    いい本に巡り合った。

  • (感想は下巻にまとめて書きます)

  • 目からうろこが落ちっぱなし。こんなに重要な歴史をどうして今まで学ばずに来たのだろうと思う。
    背景理解のために第一章は大切なのだけれど、なかなか読みにくくて、挫折しかかってしまうのが難点。第二章まで頑張ればあとは読まずにいられない。物語が動き出す。

  • 上下あわせて1000ページ超の大著。上巻は日本におけるキリスト教の布教史から、天正少年使節として旅立った少年たちがフェリペ二世に謁見するまでをつぶさに記載(特に前者)。戦国という激動の時代に、キリスト教が巻き込まれていくようすについて、詳細な調査をもとに細かく記述しつつも、アツい文章を堪能。序盤の九州大名のあたりは基礎知識が無いこともあってやや難しかったですが、信長が文化として惹かれつつも布教はあくまで利害関係として認めていたところとかは面白く読めました。後半は帰国後の迫害の歴史か…。

  • <歴史は、紛うことなく人の営み。>

    ◇アジア交易の歴史のなかで、イエズス会宣教師は最初からポルトガル商人と日本の領主や商人との仲介者として重要な役割を果たしていた。79

    ◆豊後の国での布教の最初期に起こったことはその後の日本での迫害と殉教の雛形。130

    ◆ヒューマニスト・ヴァリニャーノ。

    ◆ヴァリニャーノが東方に向かった1573年は、トレント宗教会議が終了してから10年、レパントの海戦の2年後、つまり対抗宗教改革教会最大の高揚期。200

    ◆ポルトガル人の差別的態度が、反キリスト教論に力を与えた。231

    ◆性道徳が非常に緩やかで、妾当然の世にあって、一夫一婦で離婚を禁じたカトリックは、女性に刺さった。275

    ◆信長自身、国家宗教たる仏教を何とかしたかった。キリスト教が、相対化し平地にしてくれるなら大歓迎。348

  • 歴史的(?)名著の一つだと思います。
    楠木氏や出口氏、(多分成毛氏も)の本での
    すすめもあって読んでみました。
    感想は下巻で。。。
    ただ長い。。。文庫版といえ575ページは読みごたえ
    があるというかなかなか進まない。下巻も同じくらいの
    長さなので読み終わるのはもしかしたら8月か・・

  • 初めてヨーロッパに渡った日本人は誰か。記録上では鹿児島のベルナルドで日本名はわかっていない。天正遣欧少年使節がローマ法王に謁見したのはベルナルド渡欧から約30年後の1585年。それまでは一部の宣教師や貿易商のみが知っていた日本人をヨーロッパが初めて見、逆にヨーロッパを見た日本人が日本の戻ったのもこの時が初めてだった。しかし、彼らが帰国する直前に豊臣秀吉がバテレン追放令を出しており、キリスト教は弾圧された。

    著者の若桑みどり氏は西洋美術史が専門で若い頃にローマを訪問しミケランジェロに出会う。しかし、「東洋の女であるおまえにとって、西洋の男であるミケランジェロがなんだというのか?」という心の声から西洋と日本、そして自分自身につながることを研究したいと出かけた二度目のバチカンで天正少年使節の豊富な資料と出会った。そしてローマ留学した自分と彼らを重ね合わせている。

    当時ヨーロッパではルターの宗教改革によりカトリック教会は組織的な見直しを迫られており、その一つとしてイエズス会が活動を始めていた。会の目的の一つが高等教育機関の運営と世界各地への布教活動でアジアではインドのゴアが布教の中心でフランシスコ・ザビエルが日本に来たのもその一環だった。またポルトガル、スペインが世界を二分しアジアはポルトガルが優先権を得ていた。ポルトガル商人は日本と中国の金と銀の交換比率に目を付け日本の銀を中国で金と交換し仕入れた生糸を日本で売る。その商人の一人ルイス・デ・アルメイダは1557年豊後に日本に最初の病院を建てるために私財を投げうったのだが何がきっかけでイエズス会に入ったのかははっきりしない。その後も九州で布教と無償の医療活動を続け日本で生涯を遂げた。

    九州の藩主がキリスト教を受け入れたのは南蛮貿易が頭にあったことは間違いがない。一方でアルメイダのように西洋の科学を知る者は日本人の知識欲を満足させた様だ。かのザビエルは「日本人は非常に好奇心に富み、知識に渇し、問題を出し、またその答えを聞いて、少しも疲れない・・・・」と辟易した様子を見せている。ついでにいうとザビエルは日本人は強欲で戦争ばかりしておりに本を占領するのは骨が折れるのでやめたほうがいい、中国人の方がさらに優秀であると言って本人は中国に行きたがったが果たせなかった。

    ザビエルの布教の後継者が天正少年使節を企画したイタリア人のアレッサンドロ・ヴァリニャーノだった。使節の目的は日本での布教のための経済的な支援をえることと、帰国した後の少年達に見聞きした物事を語らせ布教の役に立たせるためであった。ヴァリニャーノの宣教方針は日本の文化と伝統を尊重し、大友宗麟、大村純忠、有馬晴信など九州ではキリシタン大名が一大勢力となり領民も多くがキリスト教に帰依した。

    ヴァリニャーノによる日本人の長所や特徴は以下の様なものだった。極めて礼儀正しく、理解力があり下層の人々も一般に高尚に育てられ仕事に熟達している。国土は貧しく庶民も貴族も極めて貧困であるが貧困は恥とは考えられていない。ある時には貧しくても清潔で低調に待遇されるので、貧困が他人の目につかない。日本人は世界で最も面目と名誉を重んじる国民である。彼らの間には世にも奇妙な支配の方法が見られる。彼らはその家庭に置いて、また配下のものに対して絶対的な君主である。・・・誰もが自分の家臣や子供を殺す。武器を重んじ戦うことは希であるがひとたび戦うと死に到るまで徹底的に戦う。相手が警戒していない時にだまし討ちにする。極めて忍耐強くあらゆる苦しみや不自由を耐え忍ぶ。感情を表さず誰かに対して復讐しようとするときも、ともに笑い、ともに喜び、相手が最も油断した時に刀に手をかける。通常、一撃か二撃で相手を倒し、それから何事もなかったように冷静に刀を鞘におさめ、動揺もせず、... 続きを読む

  • この時代にヨーロッパへ行くということが、どれだけ覚悟のいることだったか。キリスト教の普及が、少年たちを遥か彼方のヨーロッパへと導き、キリスト教への信仰が「死」への恐怖を取り払ったのだと思う。
    何かを信じて挑戦しないといけないと励まされた気がします。

  • 題名は、四人の少年。天正少年使節の話。荒海を超える冒険譚かと思いきや、さにあらず。戦国時代の社会情勢、キリスト教会派の対立、現代につながる、東西文化の邂逅を論じた本と言ってよい。
    邂逅の前に、西も東も傲岸不遜で、両方を知った宣教師がやきもきするあたり、世界が小さくなっても人間はあまり変わらないと考えさせられる。

  • 後編に感想あり。
    2巻合わせて1000ページの大作。今年最大の読み応えあり本(今のところ)。

  • 4人の少年がローマで教皇に謁見するにいたるカトリック、日本の事情を当事者の日記、手紙などの資料をもとに解説。
    旅の記録、4人それぞれのその後の人生まで丁寧に記述している。
    なかでも使節団の企画者、イエズス会宣教師ヴァリニャーノのエピソードは興味深い。
    イエズス会というと「剛」のイメージが強かったのだけど、彼の柔軟性、開明性、適応性はホントにすごいと思う。フェルディナンド2世の家庭教師が彼だったら30年戦争もなかったろうに・・・

  • 日本におけるキリスト教の布教について、そしてその時代の日本について。
    世界との対比の中で書かれている。明日の我が身がわからない時代。文化の成熟って何だろう。。

  • 2年かけてようやく読破。
    クアトロ・ラガッツィとは日本語で
    4人の少年ということで、戦国時代に
    ローマ法王に謁見した天正遣欧使節を
    通して、ザビエルから始まるキリスト教の
    伝来と鎖国までを記載した評論です。

    -ハンセン病医療施設の付設
    -スペインやポルトガルなどの国家権力と
     バチカンの関係
    -カトリック教会内の問題
    -キリシタン大名の秀吉政権での立場
    -宣教師から見た日本の風俗や為政者の性格など

    などが記載されていてまあまあ勉強になった。
    でも、これは大学院生とか退職したおじさんとかが読むよんだね。全530Pで1Pが2段になっている
    なんてつらすぎました。

  • 1580年頃に、日本から欧州に派遣された天正青年使節にまつわる話。
    もの凄い細かい歴史的背景、人物紹介などを含めた少年使節が派遣されるに至る経緯を、膨大な文献を証拠に紐解いている。
    当時戦国時代だった日本では海外との折衝が多くあり、その中でキリスト教の布教が日本に与えた影響は大きかった。キリスト教の布教には、スペイン国王、ボルトガル商、イエズス会、日本の戦国武将など、多くの人物が絡んでいる。その中でも、ヴァリニャーノというイエズス会巡祭祀を中心として、キリスト教の日本への布教と、天正少年使節の派遣との関係をときながら、展開が進む。

  •  天正少年使節を軸に、戦国時代末期から安土桃山期の日本と世界の出会いを詳細に描いた大著。
     少年使節は、それまでのどの時代よりも日本が世界に開かれた時期に祖国を発ち、世界の覇権をうかがう西欧を見聞し、ローマ教皇との謁見の栄誉に浴した。しかし彼らが帰国した時、日本は急速に世界との扉を閉じようとしていた。
     信長や秀吉、戦国大名たちがどのようにキリスト教宣教師とその背後の西欧に向き合ったのか、宣教師たちが見た日本はどのようなものだったのかが詳述されている。
     著者は「私は一枚の史料よりも、その人間の行為や言動の総合によって判断する。(中略)人間よりも一枚の紙や一個の印鑑を信じるのが歴史家ならば、私は自分が歴史家でないことに確信をもっている。史料ではなく、人間を読む歴史家だと言いかえてもいい」と語っている。
     著者の視線は、歴史の流れ以上に、歴史の中で生きた一人一人に注がれ、天下人も宣教師も使節の少年たちも同じ人間として生き生きと描かれているのが、非常に好ましく感じる。
     本書は、病死、亡命、棄教、殉教に分かれた4人の少年使節の最期で結ばれる。学術書ながら、著者が描く4人の人生の結末は文学的な感動をもって迫ってくる。

  • もっと小説っぽいものを期待して読みはじめてしまったのでかなり苦戦。物語ではなく、どちらかというと論文に近い雰囲気です。(論文としてみればかなり一般向けに読みやすいものですが)
    日本におけるキリスト教の状況や、大名たちの事情なんかもかなり詳しく書かれていて、それだけにちょっぴり難解。かなり気合を入れて読まないとワケが分からなくなります。「分かりやすく伝える・楽しんでもらう」というよりはどちらかというと「正確な史実を伝える」ことを主眼においている印象。手ごわい相手ではありますが、興味深いところではありますし、頑張る価値は大いにある作品だと思います。

全34件中 1 - 25件を表示

クアトロ・ラガッツィ (上) 天正少年使節と世界帝国 (集英社文庫)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

クアトロ・ラガッツィ (上) 天正少年使節と世界帝国 (集英社文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

クアトロ・ラガッツィ (上) 天正少年使節と世界帝国 (集英社文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

クアトロ・ラガッツィ (上) 天正少年使節と世界帝国 (集英社文庫)の作品紹介

十六世紀の大航海時代、キリスト教の世界布教にともない、宣教師が日本にもやってきた。開明的なイエズス会士ヴァリニャーノは、西欧とは異なる高度な文化を日本に認め、時のキリシタン大名に日本人信徒をヨーロッパに派遣する計画をもちかける。後世に名高い「天正少年使節」の四少年(クアトロ・ラガッツィ)である。戦国末期の日本と帝国化する世界との邂逅を東西の史料を駆使し詳細に描く、大佛次郎賞受賞の傑作。

ツイートする