- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087463576
作品紹介・あらすじ
35歳の瑞子と23歳の千絵。何かと反目しあう二人が所属する第二販売部に、ロサンジェルスからきたエリート男性・冴木が配属された。いつの間にかお局さまと呼ばれている瑞子、自分より若い女子社員が入って焦り気味の千絵。それぞれの思惑を持って、冴木に近づくが…。一方の冴木も、何やらはっきりしない態度。誰もが感じる年齢の不安や、結婚や仕事に揺れる女心を語りつくす爽快恋愛小説。
感想・レビュー・書評
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展開は悪く言えばありきたり。
それが読みやすくもある。
時代感のせいか、登場人物の口調がなかなかリアリティを持たない。
それを味わうのもまたよし。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【2024年71冊目】
23歳の千絵と35歳の瑞子が働く会社に、ロサンゼルス帰りのエリート、冴木が配属された。見た目よし、人当たりよし、仕事にも一生懸命な冴木に浮き立つ女たち。いつしか千絵と瑞子もそれぞれに冴木と距離を縮めていた。千絵にはしがない劇団員の恋人、瑞子には同じ会社に不倫相手がいるのだが、そもそも冴木にはどこか煮え切らないところがあり――?
歳の差の女たちの熾烈な恋模様を見せられるのかと思っていたら、途中からどんどん雲行きが怪しくなり始め、なるほどクソやなと思っていたら、女は強かった……!という感じの話でした。
千絵の恋人の司は、読むからに地雷で、不倫相手の史郎の方が、まだまともだな、なんて思ってしまう始末。からの冴木の行ったり来たりの不信感が割り込んできて、人間模様が丁寧に描かれてるな〜という印象でした。
しかし、瑞子さん、かなり大人の女性な気がする。話し方といい、振る舞いといい、もちろん踊らされてる〜!って感じのところもありましたが。
あとはまぁ、因果応報、悪いことはできないですよね。 -
描写に時代性は感じるけど、女の敵は女だよね~で終わらなかったしハッとするような視点もある
ただ、劇団員の彼とは離れるべきだと思う⚠︎ -
なんでもいいけど、とりあえず劇団員の男は切ったほうがいいと思うぞ
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なんとなく続きが気になって1時間くらいで読んだ。
いったいいつの時代の話だろう、と調べたら2000年の本なのね。この頃ってこんな感じだったのかなあ。(・・・いやこの5年後には働いていたけど、こういう感じだったかなあ)まだ男女が区別されている時代(職種のせいか?)なので大変そうですね。 -
ざっくり言ってしまえば、総合職のお局様、短大卒の一般職、それともう一人の若さだけが売りの女性たち。
彼女らが一人のエリート社員をめぐって恋のさや当てをするというのが大筋の流れ。
ただし、最後にちょっとしたどんでん返しが起こるというものです。
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私は昭和生まれなので、ある意味「すんなり」と読めてしまいますが、それでも感じるのが「時代」でしょうか。本作、1993年発表のもの。
Kindle版で、巻末に作品発表時のままの表現にしてある云々と但し書きがありましたが、改めて思い返して、確かに、となりました。
まず総合職と一般職という採用方法が今の社会に残っているのかどうか、と。
隣で寝っ転がってYoutubeを見ている今春大学生になる息子に聞いてみました。・・・彼すら知っていました。すみません。まだ概念としては結構残っているようです。
まあ、その括りは置いておくとして。次。
女性が恋愛に生きる、というのはやはり時代なのかなあ、と感じました。
今でも当然のことながら恋愛→結婚という、いわば人生の「定食」みたいなルートはありますね。ただ、シングル、おひとり様、フリーランス、子なしetcと、もう多様な生き方が徐々に浸透してきていると思います。
独りの男をめぐって熾烈な争いが起きるという筋に「本当かあー?」と思ってしまいました。もちろん、そんなモテた経験がないためよく分からないというのはありますが。
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他方、端々に描写される登場人物の心象は、個人的に「分かる」と膝を叩く箇所もいくつか。
例えば千絵の結婚を日常の鬱憤の出口として捉えているシーン。
「結婚さえすれば、今、自分が抱えている不満も不安もすべてが解決されるような気がする。主婦業や子育てだって、考え方によってはものすごくやりがいの持てる仕事ではないか。昔は、結婚ばかり口にするような女性を軽蔑していたこともあった。けれでも今は、安定した生活に憧れている(位置103/2581)」
私は「結婚」を「転職」に、「主婦業」を「証券業」に、「子育て」を「どぶ板営業」に、「安定した」を「新しい」に読み替えて読みました。
ほかにも千絵による心象で、ひも彼氏でも家に寄り付かないと食事作りが雑になるとか。また瑞子が当初は優しい先輩たろうとしたものの、次第に心を頑なにし、ベテランのシニシズムに陥った独白とか。
窓際のオトメオヤジ?の私には、妙に「分かる」箇所が多くて、逆に戸惑いました。やはり昭和世代特有なのかもしれません。
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ということで初めて唯川氏の作品を読みました。
確かに時代は感じるものの、私は失った若さを感傷的に思い出しました。その点では何となく、ほっこりと気分になりました。 -
後半のたたみかけから、エピローグも良かった
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いやー面白くてあっという間に読み終わっちゃった!最初の犬猿の仲の2人から、後半にかけての畳みかけが一気に面白みを増してく!
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古い時代の話ではあるものの、重くなくすっきりした内容で面白かった。