スクープ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087464016

作品紹介・あらすじ

TBNテレビ報道局社会部の布施京一は、看板番組『ニュース・イレブン』所属の遊軍記者。素行に問題はあるものの、独自の取材で数々のスクープをものにしている。時には生命の危険にもさらされるが、頼りになるのは取材ソースのひとりでもある警視庁捜査一課黒田裕介刑事の存在だ。きらびやかな都会の夜、その闇に蠢く欲望と策謀を抉り出す。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった
    7編からなる短編連作ストーリ。
    「ヘッドライン」としてシリーズ化される前の作品。
    ここで描かれる主人公布施はすごくて、かなり危険な目にあいます!

    ストーリとしては
    TBNテレビの報道番組「ニュースイレブン」の遊軍記者の布施と捜査一課の黒田刑事との物語。

    ■スクープ
    芸能人の覚醒剤パーティネタ
    現場でヤクザたちに追われるも黒田刑事登場

    ■傷心HEARTBREAK
    女性芸能人が玉突き事故で死亡。事故か殺人か?
    ここでも布施は拉致されかけます

    ■遊軍記者
    中国人がらみの抗争
    六本木のクラブで働くミンミンとの遊びからのネタ

    ■住専スキャンダル
    大蔵省の官僚、高級デートクラブ、ヤクザと完璧な構成(笑)

    ■役員狙撃
    電気会社の役員狙撃、犯人は?その真相をスクープ

    ■もてるやつ
    ホステス殺しの真犯人のスクープ
    ここでも囮のようなことをやらされて犯人逮捕。

    ■渋谷コネクション
    女子高生のドラッグ売買。その真相までたどり着いたところで、女性キャスター含めて拉致されます。さてどうなる...

    本作では、布施はかなり危ない目に合っていますが、何とか救われている感じ。そしてそれがスクープにつながるという展開です。

    エンターテイメントとして楽しめます。
    ドラマになったら見てみたい。

  • 先に、書店に並んでいたオフマイクを購入したのですが、どうせシリーズものを読むなら第一作目からと思い、手に取りました。
    住専問題、総会屋、官僚汚職、チーマーにコギャルと、時代は今や懐かしさすら感じる平成1桁の頃です。しかし、主人公の遊軍記者・布施の人物像にまったく古臭さはなく、飄々とした態度の奥に熱いものを秘めている。遊んでいるように見えて、毎回本質に迫る仕事をする。でも、謙虚。こういう人物に憧れます。
    夜回りで訪れる、かめ吉という居酒屋の常連刑事・黒田のにべもない扱いもまったく意に介さない。数々の事件を通じて徐々に黒田のツンデレぶりが垣間見えるところも見所です。
    短編集のような作りですので、気軽に読めるところもいいですね。あと4作、楽しめます。

  • あ〜面白かった。

    布施のような遊軍記者が本当に存在するのか分からないけど、この莫大な取材費はどこから出ているのだろう?と疑問に思いつつも…そんな事はどうでもよくなるほど、どれも面白かった。

  • ※今野敏さんは……個人的には、売れ初めて以降に出された警察小説以外には思い入れは少ない(樋口さんのシリーズは除く)。

    今作も、軽い気持ちで手に取り、軽~く、でも楽しく読ませてもらった感じ。「オヤジ狩り」とか、イラン人とか…青春時代によくテレビから聞こえてきた単語が登場し、懐かしかった。

    ★3つ、7ポイント半。
    2019.11.25.古。

    ※半分位まで進んだ辺りから、しきりに頭をよぎったことがある。

    「これ、連ドラになったらウケそう」

    ・・・安積班以上に主人公のキャラが立ってるし、
    ・・・いい意味でのパターン化がなされてるし、

    それでいて、
    (まあミステリ通なら読めたかもだけど自分はそうでもない)

    ・・・驚きの展開が毎回入っているし、
    (使い古された感はあっても王道な)
    ・・・記者と刑事の協力関係、という方程式が成り立つ♪


    ※となると、キャスティングについてあれこれ想像を巡らさざるを得なくなる(笑)。

    例えば・・・

    黒田部長刑事……遠藤憲一さん?
    布施ちゃん………菅田将暉?、濱田岳くん?生田斗真?
    キャスター………二階堂ふみ?

    ・・などなど。


    ※ブクログの皆のレビューを見てみたら(いつも、自分のレビューを書いた後に他の人のレビューを読むようにしている)、続編が2作も出されていることが判明。
    読まねば♪

  • 「クローズアップ」を図書館で手に取り読みました。
    前作が有る事を知り「スクープ」読みました。
    「ヘッドライン」も読みます。

  • 再読です。テレビ局の遊軍記者の布施が、さまざまなスクープをものにしていく。
    その情報の取り方がユニークで取材なのかプライベートなのかわからないが、彼の中では事件と情報が独自の方法で結びついている様子。
    なぜスクープを追いかけるのか?彼の答えは「事件にかかわっている人のことが気になるから・・・」なかなか興味深かったです。

  • 今野敏の『スクープ』はテレビニュース記者、布施京一が活躍する報道ミステリーの短編集。どの事件も、布施と警察の連携で不思議とうまく片付き、スクープになる。
    布施京一はTBNテレビ報道局の看板番組である二ユース・イレブンの遊軍記者だが、敏腕記者というわけではなく、どちらかというと不良社員で、いつも会議に遅れてくる上に、真面目に参加することはなく、会議はそれこといつも上の空。そして取材といいつつ、実際は六本木や新宿、渋谷でプラプラと飲み歩いている。でも布施はどこの店でもそこそこ人気がある。布施の肩ひじ張らず自然に受け入れる雰囲気がつい相手が話したくなる雰囲気を醸し出すのだ。
    警視庁捜査一課の黒田部長刑事に対しても同様。黒田刑事がお決まりの居酒屋で一人で呑んでいるところへ布施はやって来る。黒田部長からしてみれば、来るとうっとうしいが、来ないと寂しい。しかもいつも持ちつ持たれつの関係は実はかなりよいコンビだと思う。

    布施の取材姿勢、というか行動姿勢は実は一貫しており、ネタをさがしているわけではなく真にプラプラと遊んでいる。しかし、ただプラプラと遊んでいるわけではなく、さりげなく問題を見つけている。困っている人のことを気にしているから真の姿が見えてくるのかもしれない。マスコミはとかくスクープに躍起になるが、スクープに躍起になると目がくらんでくるのではないか。

    今野敏は「スクープなんてどうでもいい。事件に関わっている人のことが気になるんだ。」と布施に『スクープ』の中で語らせている。この小説が面白いのは、事件そのものよりも、事件に関わる「人」にフォーカスしているためだと思う。そして、布施のようなプラプラした記者が実は爽快に活躍するという、完全懲悪、大人のスーパー戦隊、水戸黄門だ!

    そうそうこの展開!という、分かりやすい中にも結果的に事件を解決していくスッキリ感を味わい時にはぴったりの短編集だ。

  • 1話1話完結する報道記者の話。危なっかしい感じが好き。

  • あらすじ
    TBNテレビ報道局社会部の布施京一は、看板番組『ニュース・イレブン』所属の遊軍記者。素行に問題はあるものの、独自の取材で数々のスクープをものにしている。時には生命の危険にもさらされるが、頼りになるのは取材ソースのひとりでもある警視庁捜査一課黒田裕介刑事の存在だ。きらびやかな都会の夜、その闇に蠢く欲望と策謀を抉り出す。

  • 布施京一シリーズの第一作。
    週刊漫画の読み切りでよくやるような、ちょっとお試し感のある内容の短編集。
    これはこれで面白かったけど、二作目以降の長編のほうが読み応えがあって良かったかな。

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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