- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087464320
感想・レビュー・書評
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光の帝国、蒲公英草子の印象とはだいぶ異なる印象だった。
特殊な能力を持つと言うことは、少し考えてみれば、当人たちにとっては良いことばかりではなく、負の部分を併せ持つ、ということではあるのかもしれないが、
光の帝国や蒲公英草子が、いわば光の部分を描いた、温かい物語だとすれば、今作は影の部分を描いた物語、と言う印象。
前2作の印象が良く、普段読まない、ファンタジー的なシリーズを手に取ってみたところがあるので、少し期待とは違う、と言うことで、評価は厳しくつけてしまった。2.5~3.0の間くらい、と言う感じ。
最後まで読んで、拝島家に起こったことが、おおよそ理解できたような気がするが、途中の『洗濯』されて幸せな日常になったかと思いきや、最後に恐怖が戻る、みたいな描写のところなど、少し混乱するところがあった。
『あれ』が、時子や高橋の言葉から想像するに、人間の精神の歪み・妄想で、それによって他人を巻き込もうとする力だとするならば、『裏返す』とどうなるのか、と言うところもいまいち掴みきれず。
最後まで読むと、『洗濯』に意味があったのだろうか、、と言う印象も受け、正直、物語全体としてのメッセージが良く分からなかった。 -
光の帝国でオセロゲームが結構好きだったから、なーんかしょんぼり。あまり頭が良くないからか、え?ん?ってなって「結局のところ」が良くわからなかった。洗って、叩いて、洗濯する。の文言は好き。
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裏と表の分かり易いオセロゲームから、内側と外側をひっくり返しひっくり返しを繰り返して内も外もない宙空に放り出されてしまったような視点に。
敵と味方ではなく見え方の違う同族による返し合いでは?と視ると、皮肉というか薄ら寒い。
誰から仕掛けたゲームなのか、どこから仕掛けたことになったゲームなのかが判らなくなって、勝ち敗けに意味が無くなった時、そのゲームの意義はそもそも何だったのか?
終わらせて良かったのか定かではないけれど、終わって始まってしまった、そんな“不安の次元が一つ上がった”達成感を感じる結末。 -
何が本当で、何が作られたものなのか。
登場人物だけは同じで、繰り返し語られる、微妙に違う世界。違う結末。彼女の作品には、ミステリーのような文章の運びと「藪の中」形式のストーリーが繰り返しでてくる。
「光の帝国」の続編?スピンアウト作品?拝島母娘の孤独な戦いに終止符が打たれる。でも、本当に終止符なのか。
ちょうど読み終わったポール・オースターの「リヴァイアサン」もそう。同じ人物。語られる違う物語。
重複する物語に作家が、私が、魅かれるのは、私達の世界もそうだからなのか。重なり合う物語から見えるもの。
何が本当で、何が作られたものなのか。 -
常野物語第3段・・・前作までの作品が良かったので手にとってみたものの、後半は無理やり感が否めず消化不良だった。種明かしもあり納得できたところもあるが、正直評価は分かれるところか?
そのため評価は星3つ!!
どうやら続きもあるようなので次回作に期待。 -
前巻までとあまりにも雰囲気の違うものだったけれど、かなり引き込まれた。
おもしろかった(^^) -
何度もひっくり返る展開。どちらが正しいか。。。結局どっちが正しいかなんて無意味なのだな。しかし、もう少し言葉を紡いで欲しかった。次があるから、多くは語らないのかも。でも次に出てくるか分からんしね。
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私の頭が悪いせいかどういうこと!?の連続。
精神世界?の描写が不気味で引き込まれた。