エンド・ゲーム 常野物語 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.27
  • (156)
  • (440)
  • (751)
  • (231)
  • (45)
本棚登録 : 5490
感想 : 417
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087464320

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  光の帝国、蒲公英草紙 は、ほっこり、ウルっと、ゾクっとする。で最高に楽しめのに対して本作は終始「???」だった。
     世界観がまったく掴めない。
     章毎の時系列が前後してるのは良いとして、章内で更に時系列がバラバラで把握しにくい。
     能力面の表現を掘り下げすぎた結果、内面世界、象徴世界、心理世界などの濫用。ここらへんの表現があまりにも抽象化されてて、「比喩になってるのか、意味はあるのか」すらわからない。
     なんだったら記実子、亜希子、美耶子、篤あたりの「希望の続編」を早く読みたい。

  • 光の帝国、蒲公英草子の印象とはだいぶ異なる印象だった。
    特殊な能力を持つと言うことは、少し考えてみれば、当人たちにとっては良いことばかりではなく、負の部分を併せ持つ、ということではあるのかもしれないが、
    光の帝国や蒲公英草子が、いわば光の部分を描いた、温かい物語だとすれば、今作は影の部分を描いた物語、と言う印象。
    前2作の印象が良く、普段読まない、ファンタジー的なシリーズを手に取ってみたところがあるので、少し期待とは違う、と言うことで、評価は厳しくつけてしまった。2.5~3.0の間くらい、と言う感じ。

    最後まで読んで、拝島家に起こったことが、おおよそ理解できたような気がするが、途中の『洗濯』されて幸せな日常になったかと思いきや、最後に恐怖が戻る、みたいな描写のところなど、少し混乱するところがあった。
    『あれ』が、時子や高橋の言葉から想像するに、人間の精神の歪み・妄想で、それによって他人を巻き込もうとする力だとするならば、『裏返す』とどうなるのか、と言うところもいまいち掴みきれず。

    最後まで読むと、『洗濯』に意味があったのだろうか、、と言う印象も受け、正直、物語全体としてのメッセージが良く分からなかった。

  • 短編集『光の帝国』に入っていたオセロ・ゲームの続編。常野一族の中でもいまいちイメージが湧きにくい「裏返す」「裏返される」といった能力について。なので当然入り込みづらい。それがなんとも言えないゾッとする感覚を生み出す狙いを得ているのかもしれないが…
    著者自身も難しさを覚えた第三作。攻めてきたなぁ、というのはわかるものの個人的にはいまひとつ。

  • こういう結末もあり・・・かなあ!
    無理やり、この話をつくらなくても・・と思ってしまった。
    まさか、「常野物語」はこれで終わりじゃないですよね。

  • 常野物語シリーズの3作目。
    前の話までが良かったので、期待が大きかったが、この話はこれまでの話と違って、よりダークな要素が強かった。
    全体としてこの作者らしく読みやすいが、話の作りが意図的に複雑でわかりにくく、あえて混乱する仕掛けにしたらしいことは理解するが、納得のいく展開になっていたとは言い切れず、正直、あまり後味も良くなく、期待と違った、という感想が大きくなってしまった。
    そもそも「あれ」を「裏返す」必要性とは何なのだろう? 自分たちに害をなすから「裏返す」必要があるのか? 敵対する「あれ」側でも同様にこちらを敵対視しているとなると、ますますわからなくなる。争う理由が見えない。
    時子のトラウマのきっかけとなった事件もヒドイ。首輪をつけられて虐待されていた少年は、誰にも知られず、救われず、そのまま行方知れずだなんて。いくら子ども時代のこととはいえ、それこそを乗り越える必要があるのではないのか。
    (整理して書いていたら、また腹が立ってきてしまった)

    あとがきによれば、まだ終わらない、ということではあるが、その後、続きが書かれているようでもないようで、多分、構想はあるのだろうが、どうかな。

  • 常野シリーズ前2冊が面白かっただけになんだかぱっとせず。文庫版後書きを読んで納得。次の第四編もあるだろうか。期待。

  • 常野物語シリーズ3作目。書店でおすすめされており、著者の後書きにそれぞれ独立していて本作から読んでも楽しめると書いてあったので手に取った作品。とりあえずは読了したが、全てにおいて抽象的でひたすら「?」が浮かぶストーリーでした。ネットでは1作品目から順に読めば少しは理解出来るとあったが手は出さないでおこうと思う。描写はスリリングな場面も多くそれなりにハラハラするのですが、お化けのバックグラウンドがないホラー映画の様な印象。

  • 蒲公英草子の読後感が良かったので、次に読みましたがちょっとイメージが違いました。
    主人公が誰と何の為に闘っているのか、裏返す、というのは精神的に支配することなのか?読み進めるうちに見えてくるのかと思いましたが…ぼんやりとしたままでした。モヤモヤ感が残りました。

  • 2008.2.26 
    相変わらずの恩田ワールドやわ。
    途中からどんなオチやって考えてみたけど、結局「裏返る」とか「洗濯」とかよくわからんことで、オチもよくわからんかった。

  • なんか残念な終わり方。話の流れは良かったし、常野の設定もシリーズなので理解してる。なのに最後がイマイチ。

著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

恩田陸の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×