いつか白球は海へ (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087464368

感想・レビュー・書評

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  • 堂場瞬一と聞くと警察小説を思い浮かべるが、スポーツが題材の小説も多いようだ。
    この「いつか白球は海へ」は、社会人野球のチームへ入団した主人公の物語。

    スポーツに秀でて、そのスポーツをすることでお金を稼ぐという一握りの人たちがいる。
    例えばプロ野球ではイチローや松井、サッカーでは中田や中村俊輔など・・。
    彼らのようになるには、東大に入るより難しく、実力と同時に運のようなものも左右されるだろう。

    またプロにならずとも企業に就職し、そのチームで活躍することが広告となるような実業団。
    この小説の中の間島水産野球部は、まさにこのようなチームである。

    小説の舞台は昭和ゆえ、まだまだ地方に活力のあった時代。
    この間島水産チームも漁師たち荒くれどもに愛され、支持されている。
    しかしカリスマオーナーの急逝により、チームが存続の危機に陥るのだ。
    様々な苦悩、チームの仲間との絆・・その力がやがて大きな勝利へとつながっていく。
    清清しい読後感であった。

  • 堂場瞬一による野球小説2冊目。
    自分にとって身近なテーマはやっぱり読みやすい。

  • プロ野球選手を目指していた人物が地方の社会野球部にスカウトされそこで奮闘するお話。
    お話はシンプル。
    盛り上がりに欠ける。

  • 自分にとって、堂場瞬一の野球小説二冊目。

    …またこのラストか(笑)面白かったけど、特大ファウルでガッカリさせなくても十分にしっかりしたオチになってると思うんだけどなぁ。

  • 六大学野球で活躍した海藤はプロ入りを諦め、オーナーが熱心に勧誘してきた全国制覇をした事もある名門チーム間島水産に入団。
    しかし、オーナーの急死でチームは存続の危機・・・
    それでも所属する選手達にもやる気は感じられない。
    はたして、勝利にこだわるルーキーの熱い思いはチームメイトに届くのか!!
    (以上紹介文)

    昭和40年代の東北が舞台。
    過去の栄光、田舎故のしがらみ、東京との距離以上の距離などが描かれているが若干物足りない気もする。

  • 堂場瞬一の野球小説。

    いつもの如く、現代の作品かとおもいきや、
    舞台はどうやら昭和40年台。
    しかも、プロではなく、実業団野球。
    その後の彼の野球小説は登場人物、
    物語共に洗練された物語となっているが、
    堂場瞬一初期の作品ということもあってか、
    まだまだ泥臭い・野暮ったい物語になっている。

    ちょっとね、精神論を語る気配もあり、
    ちょっと微妙な感じもありますが、
    昔なつかし昭和の野球物語というところでしょうか。

  • こういう選手がいてもいいと思います。

  • 六大学野球で活躍したスラッガーが低迷する社会人野球部に入団し、チームメイトを闘う集団に変えていくという話。
    野球を愛する者には堪らないストーリー。試合中のシーンには手に汗握る。運命のラストゲームも意外な結末であり、野球の奥の深さを十分に堪能できる。

  • 1年以上本棚で寝かせてたけど、やっと読みました(^_^;)自分的には可もなく不可もなく・・・ちょっと物足りなさをカンジちゃいました~

  • ここのところ堂場瞬一氏のメジャーリーグものにはまっていて、次に「8年」という小説を読みたかったのだが書店で手に入らなかった(後日Amazonで取り寄せた)ので、書店で見つけた堂場瞬一氏の野球物を読んでみることにした。

    (以下ネタバレ注意)

    舞台は昭和40年の東北地方。
    六大学野球で活躍した主人公が、弱小の実業団の野球部に入部するところから話は始まる。
    12年前(昭和28年)に日本一を経験した後衰退の一途をたどっているチームは、雰囲気的にも最悪で、一人活躍する主人公が孤軍奮闘する。
    チームのメンバーが少しずつ心を開き、全国大会出場という目標(その目標が達成されると、廃部寸前のチームを別会社の社長が買い取ってくれることになっている)を目指して一つになってまとまりつつある。
    順風満帆なストーリーというわけではなく、主人公も最後は町のチンピラにからまれて大けがをしてしまい、試合で力が発揮できないというなんだか歯がゆい感じだった。

    こういうエピソードを書くと、なんかありきたりな感じがするが、漁業を生活の中心とする町とチームが一体となっているためさまざまな人間関係のしがらみがあり、読んでいて引き込まれていく感じである。

    最後に場外ホームランが「幻」のものとなってしまうあたりが、これまで読んできた堂場氏の小説と同じような終わり方なのが少し残念。

    そういえば、話の中で、南海から大リーグに渡った村上正則氏のことがでてきて、主人公につきまとっていたスカウトが主人公を村上同様に野球留学させようと手を回すくだりがあり、主人公もその話にまんざらでもない様子。
    どうせなら、その海の向こうでの続きを読んでみたい。

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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