- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087464764
作品紹介・あらすじ
大学を出たが就職の決まらない一馬。姉に呼ばれてパリに渡り、ふとしたことから三つ星レストランでキノコの管理を任される。ある日オーナーから、店の名物料理に使う「マルコ」という日本原産のキノコの買い付けを命じられた。パリではこの店だけで食べられる極上のものだ。早速日本に飛んだ一馬だったが、思いもよらない事実を知ることに-。魅惑のキノコをめぐる、奇想天外な物語。
感想・レビュー・書評
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お仕事の物語かと思えばそうでもない独特な世界観。
キノコに振り回されながらも主人公の一馬の順応性が凄い。
キノコに仕組まれたような、でも逃れられない程の深刻さではなく、緩い感じが面白い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不思議な物語。
出てくるキャラが独特で風変わり。
でもそれが作品の雰囲気にあっていて、とても良いです。
キノコにとりつかれたようになった一馬がそれはそれで幸せそうだったりして、そういうのも良いかと思えてくる。 -
庭劇団ペニノの「大きなトランクの中の箱」を思い出しました。キノコが巨大つながり。
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キノコと青年・・・。
人生に翻弄されながら、次第に自分の置かれた運命に・・・ -
不思議な内容だった…
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読みやすい。
不気味な自分を支配するなにかしらを知ったところで、多少の戸惑いや怒りを感じつつも、共生できる。
答えを出さないまま生きる日本人のあやふやさとその力強さ、と言ったら言い過ぎかな。そうして生きられるのは、何よりうまいから、という食感と、仕事がほしいという生活中心的な価値基準。すてきな俗物としての面。呪いも忘れてしまえば呪いで無い。
河童で芥川龍之介が言っていた生活教が最近の気になるキーワード。 -
現実に則した話かと思ったらメルヘンだった。ふわふわした読後感が気持ちいい。
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前半は流されて生きてきた主人公が自分の生き甲斐を見つけていく、ありがちな展開かと思って読んでましたが、とんでもない展開でした。作者の投げやりかとも思える話の成り行きが面白かったです。
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生きるのは自分で、感じるのも自分。だったら、見え方なんて何だっていいじゃないか。人生の途中でイキイキとできるなら、それで十分だ。そんな風に感じる本でした。