マルコの夢 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.44
  • (17)
  • (26)
  • (52)
  • (13)
  • (0)
本棚登録 : 261
感想 : 51
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087464764

作品紹介・あらすじ

大学を出たが就職の決まらない一馬。姉に呼ばれてパリに渡り、ふとしたことから三つ星レストランでキノコの管理を任される。ある日オーナーから、店の名物料理に使う「マルコ」という日本原産のキノコの買い付けを命じられた。パリではこの店だけで食べられる極上のものだ。早速日本に飛んだ一馬だったが、思いもよらない事実を知ることに-。魅惑のキノコをめぐる、奇想天外な物語。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • お仕事の物語かと思えばそうでもない独特な世界観。
    キノコに振り回されながらも主人公の一馬の順応性が凄い。
    キノコに仕組まれたような、でも逃れられない程の深刻さではなく、緩い感じが面白い。

  • 魅惑的なキノコに導かれる物語。就職活動にことごとく失敗し、都合のよいアルバイトを急募していた姉夫婦にフランスへと呼び出された一馬。商売の手伝い……だったはずが、なぜか取引先の三ツ星レストランでキノコ担当に。辞めることも叶わず、上司命令で幻のキノコを求めて再び日本へ。異様な光景や寝耳に水な話に対する受容力の高さよ。彼の未来は開けているが、俯瞰するとキノコの掌で踊らされているような怖さも。

  • 不思議な物語。
    出てくるキャラが独特で風変わり。
    でもそれが作品の雰囲気にあっていて、とても良いです。
    キノコにとりつかれたようになった一馬がそれはそれで幸せそうだったりして、そういうのも良いかと思えてくる。

  • 庭劇団ペニノの「大きなトランクの中の箱」を思い出しました。キノコが巨大つながり。

  • キノコと青年・・・。
    人生に翻弄されながら、次第に自分の置かれた運命に・・・

  • 不思議な内容だった…

  • 読みやすい。
    不気味な自分を支配するなにかしらを知ったところで、多少の戸惑いや怒りを感じつつも、共生できる。
    答えを出さないまま生きる日本人のあやふやさとその力強さ、と言ったら言い過ぎかな。そうして生きられるのは、何よりうまいから、という食感と、仕事がほしいという生活中心的な価値基準。すてきな俗物としての面。呪いも忘れてしまえば呪いで無い。
    河童で芥川龍之介が言っていた生活教が最近の気になるキーワード。

  • 現実に則した話かと思ったらメルヘンだった。ふわふわした読後感が気持ちいい。

  • 前半は流されて生きてきた主人公が自分の生き甲斐を見つけていく、ありがちな展開かと思って読んでましたが、とんでもない展開でした。作者の投げやりかとも思える話の成り行きが面白かったです。

  • 生きるのは自分で、感じるのも自分。だったら、見え方なんて何だっていいじゃないか。人生の途中でイキイキとできるなら、それで十分だ。そんな風に感じる本でした。

全51件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

直木賞を受賞した恋愛文学の旗手から、早熟の天才少女作家まで。いま、もっとも切実な恋を描く6人の女性。

「2008年 『コイノカオリ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

栗田有起の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×