家日和 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 753
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087465525

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。ただ、3部作の2部3部と比べると、ちょっぴりアダルトでアクが強め

  • 6つの短編集。
    家庭で発生した変化に対して、それぞれの夫婦がどう対応するのか。とても興味深い。
    夫に内緒で夫のコレクションをオークションに出したり、夫が失業したのを機に主婦→主夫に切り替えたり、内職の仕事を届ける営業マンに密かな恋心?を抱いたり、、
    最後のお話は、もしかして筆者本人のことなんじゃないかと勘ぐる部分も。こういった痛快な短編の裏事情を覗けた気がして面白かった。
    相変わらず読みやすくて、視点が意外で、愛がある。星5つ。

  • 日々のあるあるを描いた痛快読み飛ばし短編集。読むのは楽しいが小説家の産みの苦しみや現実との葛藤など「奥田さん、頑張って!」です。

  • 家シリーズ第一弾(たぶん)
    とにかく好き、面白くて、笑えて、泣けて。

    短編集というと、奇をてらった物が多くて、結末がモヤっとするのが常だけれど、この短編集はそういうことがなく、それでいてどの短編も洗練されていてワクワクさせる。

    ネットオークションにハマる妻「サニーデイ」
    会社が倒産した会社員のストーリー「ここが青山」
    別居中の夫の話「家においでよ」
    内職妻の話「グレープフルーツモンスター」
    カーテン屋を開業する夫とイラストレーターの妻の物語「夫とカーテン」
    小説家とその妻の話「夫と玄米御飯」

    短編だと、必ずといっていいほど蛇足なエピソードがあるけれど、これは全てが傑作。
    どのエピソードもリアリティがあって面白い。
    どれも好きだけれど、特に好きなのは「夫と玄米御飯」かな?
    小説家が主人公なところが、もしかして奥田英郎が…と想像させて二倍楽しい。

    巻末の益田ミリの漫画も共感できて、隅から隅まで面白い。

  • 家の中での出来事を扱った短編集。
    「サニーデイ」は夫の私物を勝手にネットオークションに出してしまう妻の話だが、これをやったら我が家は離婚騒動になりそう。私もされたら怒るだろうなぁ…なんて思いながらハラハラ。
    「ここが青山」は急に会社が倒産して主夫を楽しく頑張るパパや、カラッとしてすぐに復職するママが楽しくて、これが一番好きなお話でした。

  • とても読みやすく1日で読めました

    本当に存在しそうな
    でも一癖ある
    家族の物語。


    最後のロハスは
    思わず声を出して笑ってしまった。


    ちょっとした読み物が欲しい時
    さらっと読めてオススメです

  • 家族のなかのひとりを題材にしたオムニバス

    「妻と玄米御飯」の、ロハスなら公立入れろ。はその通りだよなと納得しかなかった。

  • 「家」を舞台に中年夫婦を描く短編集。

    新婚の甘いカップルではなく、いつか離婚届を突きつけてやろうと思いながら日々をすごす夫婦でもなく、いろんなズレやらなんやらを感じながらの二人の生活を描いている作品。意外とこういうのないのよね、なかなかいいなぁと思いながら読破しました。

    お気に入りは「夫とカーテン」。見通しが甘く、猪突猛進であきっぽく、何かとしでかす旦那に対し、げんなりしたりいらいらしたりしながら、アイディアを出して手伝ったり、根っこの部分でこの人と暮らしていきたいと感じてる彼女。これからも、いろいろしでかしながら、ちょっと規格外だけど、この二人、意外に幸せに暮らしていくのでは・・・と感じさせる心地いい作品。

  • どこにでもありそうな家族の出来事が描かれている。分かるなぁとうなずいてしまう短編集です。

    特にそうそう!と思ったのは「妻と玄米御飯」。猫も杓子もロハスの時代。大人にはいいかもしれないけど小学生の子供にはちょっとね。でもいきなり経済的に余裕が出て、お洒落な人たちと交流が始まって、影響されてロハスに走るって奥さんの気持ちもわかる。何事もほどほどが一番ですね。

    あと妻に出て行かれたあと家を自分好みに模様替えしていく男性の気持ちもよくわかる。今まで諦めていたものを取り戻し、自分の城にしたいよね。

    全体を通して、心が暖かくなる雰囲気の本です。読後、自分の夫に優しくしようと思った。

    • だいさん
      >自分の夫に優しくしようと思った。

      世の旦那さんはすべて、そう願っていると思いますよ。
      >自分の夫に優しくしようと思った。

      世の旦那さんはすべて、そう願っていると思いますよ。
      2017/11/03
    • reader93さん
      だいさん、ありがとうございます
      だいさん、ありがとうございます
      2017/11/03
  • 読み終えた時に思わず微笑んでしまう話ばかりだった。

    まさか最後に真珠のイヤリングを?!と余計な心配。これはもう夫のレコード・プレーヤーを何としてでも落札するしかないな。の「サニーディ」

    初っ端から夫の会社が倒産、これはちょっと重くなるのかと思ったら、妻が仕事に復帰し夫婦共に適材適所、そこが青山だったの?な「ここが青山」

    妻との別居をきっかけに妻の好みの家をすっかり自分好みの男の溜まり場に変えてしまい、あらあらと心配したが、それが逆に妻の気持ちの刺激になりお互いを必要としているのかな?の「家においでよ」

    「グレープフルーツ・モンスター」妄想の自由。(笑)

    転職を繰り返す夫にあきれていたが実は天性の営業マンなのだと気付き、夫に対する頼りがいや幸せを初めて感じる。せっかくだから生活の心配がない時もいいイラストが描けて、自分の才能も伸ばしたらいいのに。な「夫とカーテン」

    作者自身の実話ですね。な「妻と玄米御飯」作者のロハスに対する考え方が一般的なのかわからないが、あまり知らない自分も同じように考えていた。誤解もあるのかも。玄米御飯がどうだとかじゃなくて、結局作者が奥さんを愛しているところが微笑ましくて好き。

    軽い訳ではなく温かい愛を感じ、心がホッとする短編集。面白かった。

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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