- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087466041
作品紹介・あらすじ
交通事故に遭った男女を襲う"無関心"という恐怖を描く表題作、引きこもりの果てに家庭内暴力に走った息子の殺害を企てる夫婦の絶望(『倅解体』)。孤独に暮らす女性にふりかかる理不尽な災禍(『仔猫と天然ガス』)。定年を迎えたその日、同僚たちに手のひら返しの仕打ちを受ける男のおののき(『定年忌』)ほか、理解不能な他人たちに囲まれているという日常的不安が生み出す悪夢を描く14編。
感想・レビュー・書評
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文芸作品にもZ指定付くのでは無いかと心配になるこちらの作品。再読だが、期待を裏切らないセットリストだ。ここまでオチに期待をせずにただただ文章を目で追う楽しみを満喫させてくれる作品が他にあるだろうか。最高にバイオレンス&クレイジーな暗黒書物だ。
私は、誰もが知ってる留守電サービスの女性の声を「不感症女」呼ばわりし、誰かの粗相に対して「校長先生の咳払いのような屁だなぁ」と思った事は無い。最高すぎるだろう。
もう上げればキリのないゾクゾクするユーモアに虜です。不気味で仕方の無いキャッチボールできてる様で全く脈略の無い会話は、「彼等はちょっと旧式のサイボーグです。もしくはちょっと人間らしいSiriです」と言ってくれれば納得しそうな程の違和感。
終始様子のおかしい世界観が殆どですが、唯一人間らしい会話を覗かせる「人間失格」。この鳥肌狂気をコメディと化した手法に驚いた。
「おふくろと歯車」
SFなのだが、クレイジーベースが当たり前になってしまい普通にウルっとしてしまった自分が心配になる。人間の時が止まってから無になるまで猶予があったとしたら、私は腐りゆく身体で何を思うどう行動するのだろう。
あまりスポットが当たっていない作品を振り返ってみたが、誇張抜きでどれも平山夢明の脳内に恐れおののく作品集だ。人にオススメできない不動のチャンピオン本ですが、色んな方にこの世界観を味わっていただきたい。訴えられるかもしれないが。
「平山さんの作品が爆発的に売れて、どんどん楽しんで読まれるようになったら、それはむしろ平和な世の中」解説の冨樫義博大先生のおっしゃる通り、「残酷な非現実」を楽しむ事は、それが平和を信じて疑わない証なのかもしれない。 -
ザ・残酷短編集。
ダイナーに続け!と手に取った平山夢明作品だったが、どの物語も酷い、エグい、グロい。誰も幸せにならない、得るものは気味悪さのみでひたすらブルっとした。
そして昔に観た映画ファニーゲームを思い出して、またブルッと。 -
14編の短編集です。
ひたすら暴力。グロい。
理不尽で壊れてて非現実的がすごくいい。
「他人事」
崖から転落した車内に閉じ込められた主人公が、車外に投げ出されてしまった娘の救出を通りがかりの男性に求めるのですが、この男性が何を言っても他人事で、自分の事しか頭にない。
こんな緊急事態にこんなにも他人事で拒否しまくる人がいたら、それはそれで爽快で諦めもつくかも、、、笑
オチも最高です。
「仔猫と天然ガス」
この話が1番理不尽で、実際あったら恐怖でしかない。でもあり得なくもない。
胸糞悪くて、1番印象に残っています。
「クレイジーハニー」
この話が1番好きです。
SFなのですが、下品なSFなんて、そうないので貴重。
地球外の惑星に送られた犯罪者達の慰安ロボットが制御不能になり、大殺戮を起こす。
ロボットからキューティーハニーのテーマソングが流れてているのも笑える。
とにかく想像力豊かで、完成されたエログロが読みたい人にはお勧め。
漫画家の冨樫義博が解説してます。
HUNTER×HUNTERもグロいですもんね、、、。 -
表題作を含む14編の短編集。
そのどれもに何とも言い難い恐ろしさが潜んでいる。あり得ないのだけど、すぐ側にあるような…。
お薦めは「たったひとくちで……」と「れざれはおそろしい」です。 -
一年ちょい前に読み漁った平山夢明さんの本。
目黒のアトレで並んでたので新しいのが出てたんだと思って購入したが2010年に発行してたのね。ダイナーより前か。
今まで読んだ本と比べると幾分過激さが控えめかな?いや、十分にバイオレンスだけど笑
14の短編集。
平山さんの書く話は引き込まれ、あーこのあと絶対グロくなるやつ!ってわかっていながらやめられない。
心臓が弱い人は手に取らないでください、と大きく書いとかなきゃダメなレベルだけど、本当に文章は面白い。
本当は星を5つ以上付けたいような、付けたら人としてダメなような、、笑笑
幽白の冨樫先生が解説!!そうなったら星5つでしょ!!笑 -
なんと・・・文庫版はあの冨樫義博先生の解説付き。図書館にあったのはハードカバー版、ラズベリーで口の周りを真っ赤に染めた少女の姿が血染めを連想させて恐ろしい。
グロテスクで歪で醜悪、狂気に満ちたホラー短編集です。冨樫義博先生のお気に入りは「仔猫と天然ガス」だそうで・・・説明のしようがない運の悪さと絶望感が氏のツボなのでしょうか。 -
何度目かの再読。短編集でありながら、ぶっ飛んだ内容ばかり。
加えてグロさも。
大きな声ではおすすめ出来ないけれど、やっぱり平山作品大好きだ! -
テレビで紹介されており興味を持った。平山夢明は初めて読んだ。
怖くてグロテスクだけど可笑しみや愛もあって、心がザワザワする。中毒性がある。難解な作家だと思って食わず嫌いしていたのを後悔した。
気に入ったのは「おふくろと歯車」という作品。めちゃくちゃ悲惨なのに愛も可笑しみもあるのが良い。クセになるあじわい。毒性や破天荒さやスピード感に、昔ハマっていた筒井康隆の小説を思い出した。他の作品も読みたくなった。 -
経済学では人間はあたかも合理的に行動するものとして語られますが、実際は理由もなく合理的でも無い行動をする生き物が人間です。
そんな世の中の不条理や理不尽極まりない出来事を淡々と見せてくれるのが本書です。本書の帯には
「狂気と悪夢の世界へようこそ」絶望。孤独。憎悪。とっておきの”非日常”をあなたに
とあります。
犯罪心理学を学ぶと、世の中にはある一定の確率で、他人の感情を理解できない人や自分の欲求を満たすためにどんな手段であれ実行してしまう人がいることがわかる。
思いやりや助け合うという気持ちを普通に持ち合わせている人には理解し難い世界を覗いてみたい人は本書を手に取ってみてください。
日常では、そんな人達には近づかないように注意深く生きていくに限ります。読書の世界でも平和に過ごしたい人は決して本書には近づかないでください。
火傷しますよ〜〜。 -
冨樫が帯書いてたので買って読みましたが、うげえ!と思いながら最後まで一気に読んだ。高校生には胸糞すぎて、トラウマレベル。後年、ふとしたきっかけで人と今作の話になること三度。みんなのトラウマ。
人にオススメできない不動のチャンピオン本に、吹いてしまいました(笑)
よ~くわかります!
数年前に平山先生に、サインして頂...
人にオススメできない不動のチャンピオン本に、吹いてしまいました(笑)
よ~くわかります!
数年前に平山先生に、サインして頂いた本は家宝の様に保管してあります(*^^*)
こんにちは^ ^
今まで何人かに(半ば無理やり)押し付けてきましたが、残念ながらいい感想が返ってきた事はありません...私の人格が...
こんにちは^ ^
今まで何人かに(半ば無理やり)押し付けてきましたが、残念ながらいい感想が返ってきた事はありません...私の人格が疑われるだけの結果でした(笑)
家宝!良いですね☆ 大事にして下さいませ♪