精神科ER 鍵のない診察室 (集英社文庫)

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著者 : 備瀬哲弘
  • 集英社 (2011年5月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087467000

精神科ER 鍵のない診察室 (集英社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ブックリサイクルでゲット。(夏のブックリサイクルに出す予定。)

    精神科医療現場の日常エッセイような読み心地。12のケースが紹介されている。自死遺族、回復期の自殺、躁転、幻聴、薬物中毒、OD、リストカット、大人のPDDとその周囲の家族・妻、統合失調症、震災後のパニック障害など。

    「麦茶」が深く印象に残った。親子で統合失調症。親は20年以上も入退院を繰り返し「もう十分によくなったから、退院」と言われて二人で細々と暮らすものの…、誰かのサポートがないと薬もきちんと飲めない。のでベテラン保健師と一緒に当時、研修医だった著者が自宅を訪問し、薬の管理や確認、生活指導をする。というお話。

    淡々と描かれているから切迫した感じはないけれども、12のケースから様々なことを考えさせられてしまった。


    ODのケースの一文にはっとした。

    『私は、困ってしまった。母親の要求をのむことは、取り引きに応じることになる。何が言いたいかというと、彼女にとっては“大声で、死ぬことをほのめかして騒げば、薬が処方してもらえる”という認識を与えてしまうということになるのだ。今後の治療に大きく影響するのは避けられない』=190ページ=

    今、ここまで考えないで患者が言うとおりに「あ、はいはい」って、薬を処方してしまう先生が多いと思う。なので、こういう意見は本来は、当たり前のことなんだけど貴重だなぁ…と思った。

  • 基本的には最初に出たエッセイ後のエピソード(フィクションだと強調されてはいるが)。

    今回は中越沖地震、阪神大震災時のエピソードもあり、そしてこの原稿を脱稿した直後に東日本大震災が起こった(あとがきより)。

    震災で家族を失った人、自殺で失った人などさまざまだけど遺された重みは何年経ってもあたりまえだけど拭えないということが切ない。

  • 2014年の70冊目です。

    精神科医である著者:備瀬 哲弘の前作「精神科ER」の続作です。
    精神科とERが結びつくイメージを持ちにくいと思います。
    精神的に急激に悪化していくというより、継続的な精神的不調が続くことで、突発的に(周りにはそう感じられる)発現する行動に対処が必要だということです。
    代表的な事例が”自殺”や”自傷行為”です。幻聴に悩まされている人は、突然意味不明の事を叫んだりします。
    こういったケースで、警察へ通報されると、普通の人の行動基準と異なるため、精神科への緊急入院措置が取られるのだそうです。そして、そこでベットに拘束具で縛られ、病室に鍵を掛けるんだそうです。そういった経験をした患者さんは、二度と病院に入院したくないと頑なに拒まれるようになるそうです。鍵の無い診察室で診療ができているうちは、その人にまだしも寄り添ってケアーができます。
    精神的な疾患には、多くの種類があります。統合失調症や広汎性発達障害(代表的なものではアスベルガ―症候群)や一時的な抑うつ状態など。
    これら精神的疾患に対しては、多くの場合、完治させる薬があるわけではない。その時その時の患者さんの状況に寄り添う以外に方法は無いようです。いくつかの事例が紹介されていますが、どれも切なくなります。
    相手の気持ちに、迎合するのではなく、寄り添うことは、自分の身近な人に対しても難しいことだと思います。精神的な状態におけるダイバシティーが広範になりつつある現代において、この精神科医のような人への接し方が望まれているのでしょうが、ハードルは高い。

  • 短い精神科医エッセイがいくつか入っている。
    研修医時代のエッセイが面白かった。

  • あんまりキチガイいなかった。と思うわたしの頭がキチガイ。

  • 実際の精神科医がどのようなことを考えながら診察にあたっているかがよくわかった。フィクションとあるがリアルな患者さんとのやりとりも良かった。短編集になっていてとても読みやすかったので他の本も読んでみたい。

  • 精神的につらいときの解決方法がかかれているわけではない。
    みんななんとかかんとかやってるんだな、と再確認した次第。

  • 『精神科ER緊急救命室』の続編といえる本書。『精神科ER緊急救命室』では主に鬱病と統合失調症が紹介されていたのと比べて、この本ではそれに加えて境界性パーソナリティ障害や鬱病時の躁転、解離性障害、広汎性発達障害などが紹介されているが、いずれも初診時の事のみで、どうしたら寛解まで持って行けるのかという踏み込みが足らない気がした。

  • ノンフィクションだけに「読書」というには、おこがましいのですが・・壮絶な内容だった。

    会社でもメンタルヘルスの研修とか最近は増えているが、精神や心の病にかかる人が多い。
    いざというときに、自分に何ができるということでもないが、そういう人をまず理解できるかどうか。
    そこから1歩進むべきだと思う。

  • 精神科ERの2冊目

    備瀬先生は精神科救急センター勤務から、クリニックを開業され
    より精神科のかかえる、矛盾から救急センターでの研修医時代の話など12章に渡って書かれている。

    今年間3万人もの自殺者を抱える日本社会だけれど
    うつ病を患いながらも、会社は休めないとい人がほとんどだ

    そして、自殺され残された家族の心のケアも問題になっている

    うつ病は社会に受け入れつつあるけれど、統合失調症などは
    まだ偏見も多く、投薬、入院、陽性期の現状の救急対応などは
    患者の心に深い影をおとす

    それとBDDの問題リストカットや薬の多様服用
    はいまだに、服用しないだけ処方するしかないのである
    精神的に治療を構築しようとしても、なかなか限られた時間の中で
    は難しいものがある。

    あと大人のPDDは人口の0.6%にものぼる
    学生の間は勉強ができてもちょっとかわった子ですんだものが
    社会にでて顕著になるのである

    これは少ない数とはいえない。コミュニケーションがとれない
    話がかみあわない、自覚症状がないため来院しないなど
    問題は山積みだ

    胸が潰れそうな痛ましい話もあり。ここに書くこともできないくらいだ

    普通の生活を送っていても精神に変調をきたす事は誰にでもあることだ

    先生も患者の理不尽な言い分に怒ったりしながらも

    回復を信じて傾聴しづづけるのだ

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