精神科ER 鍵のない診察室 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087467000

感想・レビュー・書評

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  • ノンフィクションだけに「読書」というには、おこがましいのですが・・壮絶な内容だった。

    会社でもメンタルヘルスの研修とか最近は増えているが、精神や心の病にかかる人が多い。
    いざというときに、自分に何ができるということでもないが、そういう人をまず理解できるかどうか。
    そこから1歩進むべきだと思う。

  • 精神科ERの2冊目

    備瀬先生は精神科救急センター勤務から、クリニックを開業され
    より精神科のかかえる、矛盾から救急センターでの研修医時代の話など12章に渡って書かれている。

    今年間3万人もの自殺者を抱える日本社会だけれど
    うつ病を患いながらも、会社は休めないとい人がほとんどだ

    そして、自殺され残された家族の心のケアも問題になっている

    うつ病は社会に受け入れつつあるけれど、統合失調症などは
    まだ偏見も多く、投薬、入院、陽性期の現状の救急対応などは
    患者の心に深い影をおとす

    それとBDDの問題リストカットや薬の多様服用
    はいまだに、服用しないだけ処方するしかないのである
    精神的に治療を構築しようとしても、なかなか限られた時間の中で
    は難しいものがある。

    あと大人のPDDは人口の0.6%にものぼる
    学生の間は勉強ができてもちょっとかわった子ですんだものが
    社会にでて顕著になるのである

    これは少ない数とはいえない。コミュニケーションがとれない
    話がかみあわない、自覚症状がないため来院しないなど
    問題は山積みだ

    胸が潰れそうな痛ましい話もあり。ここに書くこともできないくらいだ

    普通の生活を送っていても精神に変調をきたす事は誰にでもあることだ

    先生も患者の理不尽な言い分に怒ったりしながらも

    回復を信じて傾聴しづづけるのだ

  • 知らない世界への興味

  • どのエピソードにも、治療の難しさとともに、著者自身のつらさや迷い、やるせなさが率直につづられていて好感が持てます。
    ”ファイル5 麦茶”のような家庭が、たぶん私が考える以上にたくさんあって、こんな風に支えている人たちがいるんだとしたら、同じ時代に生きている者として私には何ができるんだろうか。

  • 2011.09.15. クラスメイトに借りて。冒頭から、遺族の方の話で、実は、身近にそういう人がいるので、読んでいて辛かったです。タッチが軽いめなので、さらっと読める。

  • シリーズで読んでます。
    「かっこよく白衣をなびかせる自分」を空想
    笑えました。
    肉親の死、 ODが止まらない、幻聴に苦しむSz、自殺未遂
    重々しいことが読みやすくサラリと描かれてます。

  • 精神科救急ってなんだろうと思っていたところ、目に入ってきた本。
    精神の病を発症するまでの生活環境から、社会的な状況、医師がどこまでかかわれるかなど、色々と考えさせられました。
    仮眠室や救急対応の話など、研修医の過酷な部分も書かれていて興味深かったです。

    今まで、うつ病や統合失調症など個々の病気の本は10冊以上読んできましたが、入口でこの本に出合えばよかったかも。

  • そんなつもりはなかったけれど「PDDの妻たちへ」が身につまされて涙がでてきてしまった。家族を診察室に連れていくために、時には自分が病気ということにしたり、波風が立つのを承知で孤軍奮闘したり。ドクターはそのことをわかってるのだろうか、と思うこともあるのでこうやって文章にしてエールを贈ってくれるだけで頑張れる気がする。
    個人的には、このドクターが研修をしたERで父は看取っていただいたので、ドクターたちの大変さはよくわかるし、腑に落ちる部分も多々あった。

  • 一般的な診療の例や著者の研修生時代の話を通して、精神科医療がどのようなものなのか、またどうあるべきなのかなどがさくっと述べられている。

    読んでいて一番印象に残ったのが「麦茶」。
    母と息子が共に統合失調症を患いながらも2人だけで生活しているところへ訪問する保健婦に著者が付いて行ったときの話だったが、本文にもある通りこのような生活をしている人がいることを忘れてはいけないと思った。

    本の後半の方では震災についても述べられている。

    精神に抱えている問題は、医師や社会制度に支えてもらいながら自分で何とかしていかなければならないものなので、この本に書かれている個々の患者の例に単純明快な解決策が示されているわけではない。

    患者の例を見ていると、昔の自分を思い出してイライラしたり悲しくなったりしたので、読んでいて辛くなりそうな人は要注意かもしれない。

  • 2011.7.6.

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著者プロフィール

1972年沖縄県那覇市生まれ。精神科医。吉祥寺クローバークリニック院長。精神保健指定医。琉球大学医学部卒業。同附属病院、旧・東京都立府中病院精神神経科、聖路加国際病院麻酔科、JR東京総合病院メンタルヘルス・精神科などを経て、2007年より現職。著書に『発達障害でつまずく人、うまくいく人』(ワニブックス)、『大人の発達障害』(マキノ出版)などがある。

「2017年 『大人の自閉スペクトラム症』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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