おいしいコーヒーのいれ方 Second Season 3 消せない告白 (集英社文庫)
- 集英社 (2011年6月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087467062
作品紹介・あらすじ
楽しい焼肉パーティー…のはずだった。オーストラリアから一時帰国した秀人さんを囲んだにぎやかな会が、一転、激しい兄弟ゲンカに。さらに運の悪いことに、仲裁に入った勝利の頬に強烈なパンチがはいった。顔面が腫れ、歯を失い、部活を休んだ勝利のもとを星野りつ子が見舞いに訪れ、これまでとは違う一面を見せる。一方、かれんはひとり悩みを抱えているが…。セカンドシーズン第3弾。
感想・レビュー・書評
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セカンドシーズン3作目、シリーズ通算13作目。
今作では、以前から匂わせのあった、大家さんの森下家周辺が掘り下げられている。そしてその森下家の喧嘩に勝利が巻き込まれ、すごい怪我を負ってしまう。
森下家弟の秀人さんと気が合うようだし、気質を認められもしているから、勝利はそのうち本当にオーストラリアに行ってしまうのでは。
「別れが待ってるのに、じゃない。むしろ、いつか別れが待っているからこそ、僕らはまだ間に合ううちに、愛してるってことを相手に伝えなきゃいけないんです」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今回は森下家の三角関係がメインで、ショーリとかれんの間は、思わせぶりな記述があったのみで進展していませんが、好きになってはいけない人を好きになるというテーマは面白かった。
個人的には、恋愛の形も、幸せの形も人それぞれだと思っているけど、今回の秀人さんみたいな人はちょっと押しつけがましいように感じるし、好きになってはいけない人って、いるんじゃないかなと、この作品を読んで感じた。 -
「More Than A Feeling」
巻き込まれた兄弟喧嘩。
余程虫の居所が悪かったのだろうが、それでも客人の前でだけは耐えるべきことだったのではないのか。 -
Second season3巻。
前巻の不穏な幕引きは、大家さんチでの一件でした。
秀人さんかぁ。山男には惚れるなよ、という文言を思い出す人です。社会の通念を放り投げてでも、自分の意を通したいものがある。そのためなら、全てを投げ打っても構わない。という覚悟を隠し持って、ギリギリのところで踏みとどまっている人だ。
それは違うだろう、と思いもするけども、そういう覚悟を持って生きている人には憧れてしまうものです。自分の人生全てを、これまで培ってきたもの全てを捨ててでも、成し遂げたいものがあるのなら、自分自身のためだけに進むことを選ぶ。
憧れです。
そこに憧れる一方で、秀人さんのお兄さんの生き方が魅力がない、というわけではないのが困ったことです。
毎日コツコツチ小さな幸せを積み上げてゆく生き方。地味だけど堅実に、大きな喜びはないかもしれないけど、大きな悲しみもない生き方です。
過去の悪事から更生したから素晴らしい。それは賞賛されることだけども、悪事に身を染めないで行くことが一番。ニュアンスは違うだろうけど、ここの兄弟の違いって、こういうことなんだと思います。
秀人さんが悪い人ではないですけどね。
大学3年生だっけ勝利は。学生生活の終わりが近づいてきているであろう時期に、出会ってしまった秀人さんという存在。マスターともネアンデルタール先輩とも違う大人の男性との出会いは、勝利の行き先に何をもたらすのか、ですか。
勝利の進路が二人の行き先にどう影響するのかなぁ。かれんさんが突然アパートを訪ねてきた理由も不明だしなぁ。あとがきで不穏なこというので、暗い想像ばかりしてしまう。 -
好きになってはいけない人、好き以外の感情が見つからない人。理屈ではなく本能に突き動かされる衝動。恋の持つ光と闇が詰まった1冊。おいコーの物語としての幅がぐっと広がった気がします。
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ラストで
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楽しい焼肉パーティー…のはずだった。オーストラリアから一時帰国した秀人さんを囲んだにぎやかな会が、一転、激しい兄弟ゲンカに。さらに運の悪いことに、仲裁に入った勝利の頬に強烈なパンチがはいった。顔面が腫れ、歯を失い、部活を休んだ勝利のもとを星野りつ子が見舞いに訪れ、これまでとは違う一面を見せる。一方、かれんはひとり悩みを抱えているが…。セカンドシーズン第3弾。
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勝利は、一人暮らしをしているアパートの大家の奥さんである森下裕恵(もりした・ひろえ)と、その義弟の森下秀人(もりした・ひでと)にさそわれて、彼女の部屋で焼き肉パーティをおこなうことになります。ところがそこへ裕恵の夫が帰宅し、険悪な雰囲気になってしまいます。
兄弟のケンカの仲裁に入った勝利はケガをしてしまい、さらに彼らの家にわだかまる複雑な人間関係に入り込んでいくことになります。
勝利とかれんの関係についてはあまり進展はなかったのですが、りつ子が本来の明るさを取り戻していることを知ることができたのにはほっとしました。