楊令伝 2 辺烽の章 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087467154

作品紹介・あらすじ

北の地で苛烈な戦をしていた幻王の正体は、楊令だった。燕青と武松は梁山泊軍への合流を求めるが、楊令は肯んじない。一方、呉用は、江南で叛乱をもくろむ方臘のもとへ趙仁と名乗って潜入していた。梁山泊軍との決着を待ち望む童貫は、岳飛という少年に目をかける。呉用と楊令は会合を持ち、今後の戦略について話し合う。国を揺るがす動乱が、北と南で始まろうとしていた。楊令伝、戦端の第二巻。

感想・レビュー・書評

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  • 4.0

    コイツが岳飛か。。。
    水滸伝からの主要人物が老いていく寂しさがあるのと同時に、セカンドジェネレーションがどんどんと湧いてくる楽しさもある。
    そして梁山泊時代より確実に複雑な勢力図。
    ええやん。

  • 北と南で動きがある中、楊令がついに。
    方臘のキャラクターも斬新です。
    いよいよ始まる2巻目。

  • 著者:北方謙三(1947-、唐津市、小説家)

  • 水滸伝に引き続き、一気読み。
    単なる国をかけた闘争を描くだけでなく、『志』という不確かなものに戸惑いつつも、前進する男たちの生きざまが面白い。壮大なストーリー展開の中で、たくさんの登場人物が出てくるが、それぞれが個性的で魅力的。よくもまー、これだけの人間それぞれにキャラを立たせられな。そして、そんな魅力的で思い入れもあるキャラが、次から次へと惜しげもなく死んでいくのが、なんとも切ない。最後の幕切れは、ウワーーっとなったし、物流による国の支配がどうなるのか気になってしょうがない。次の岳飛伝も読まないことには気が済まない。まんまと北方ワールドにどっぷりはまっちまいました。

  • 青蓮寺の目を逃れ雌伏していた梁山泊軍が、徐々にその姿を現わし始める。
    しかし、それよりも大きく姿を変えたのが、江南一帯を手中にしつつある宗教団体の方臘たち。
    ちょっと力をつけた叛乱予備軍だと思い、彼らの中に潜伏した呉用は、己の見る目が誤っていたことを知る。

    ここで、ちょっと思ったのが、なぜ呉用自ら潜伏しなければならなかったの?ってこと。
    戴宗のほうが適任では?

    そしてこんな早い時期に、岳飛まで出てきちゃうのね。

    魯智信が、切り落とした腕を焼いて自分で食べた水滸伝に対応するかのような、武松の、切り落としたこぶしを焼いて食べる一件。
    水滸伝では、脱獄して逃げる途中に盲腸の開腹手術をして命を取りとめた白勝が、今作では医者となって、瀕死のけが人を開腹手術で救命する。
    水滸伝と楊令伝。
    今のところストーリーは並走している。
    道が分かれるのは、一体どこでだ?

  • 大きな戦闘は無いが物語の方向性が見え始めた第二巻。
    「幻王」となった楊令の真意。業を籠った右手を切り落とされた武松の変化。
    後の南宋の英雄・岳飛の登場。童貫・楊令との邂逅。
    特に気になるのが江南の宗教指導者・方臘。個性の強い人物が多い「水滸伝」の中でもかなり異彩を放っている。
    スパイとして接近している呉用もその魔性に取り込まれかけている感が。
    北では金国が勢力を伸ばし、南では「方臘の乱」が勃発寸前。そんな中、力を蓄え状況を注視する梁山泊。
    今後、どのように史実や実在の人物を物語に組み込み展開させていくのか楽しみながら読み進めたい。

  • ●1回目 2007.9.30

    小説の全貌が姿をあらわしはじめる。
    そうか岳飛が出てくるのか。

    これで北方謙三の梁山泊系は、出版されている分は全部読んだことになる。

    「小説すばる」に連載中らしい。
    これも読もうかな…


    ●2回目 2015.1.24

    方臘登場。

    杜興のじいさんさんがいい味だしてるなあ。
    1巻目だが、顧大嫂と孫二娘との掛け合いも面白かった。
    花栄の子、花飛麟の鼻持ちならなさ加減がまたいい。

    呉用が生き生きしてきた。

  • いよいよ梁山泊が集結。楊令を頭領に戴く。
    そして南ではあの方蝋の乱が始まる。
    どんな戦いが始まっていくのか。
    熱い男たちの戦いが。

  • 武松も明るくなったけど楊令も明るくなったと思います。やはり二人で焼く肉を食べると気持ちが和むのでしょうか?

    相変わらず王進先生の所は良いですね。梁山泊のオアシス!出来れば家族で移住したい!!

    方臘の宗教団体恐るべし、なんてったって数が凄い中国には国を傾かせる宗教反乱が数多くありましたからね。童貫元帥の今後の動きが楽しみです。

    呉用が可愛そうです。もう少し気遣ってやってほしい。せめて戴宗はあんな事を言うべきではなかったと思う。


    そして、英雄岳飛の登場です。これから彼はどのようにして宋軍に関わるのか楽しみです。

  • 「そうやって思い出してくれる弟がいて、おまえの兄貴は幸せだ」
    「違うな、項充。思い出してしまう人間を持った、俺たちが幸せなんだ」

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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