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この作品からのみんなの引用
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この四年間、性同一障害の人たちに性転換手術を開発、実施しながら、ひとつのことが気になり出していました。男か女かへの固執、ジェンダーのどちらかへの帰属意識は、ひょっとすると、社会自体の二者択一思考の反映ではないかと思い始めていたのです。社会が男か女かの判定ガンしかもっていないので、性同一性障害の人々も居心地が悪くなり、その苦悩が五倍にも十倍にも増幅されているのではないか―。そういう疑問を抱くようになっていたのです。
― 598ページ -
胎児に意志があるはずはないと、人は反論するだろう。しかし、子宮内で生きようとしている行動そのものが、意志ではないだろうか。死のうとする胎児など、いるはずがない言葉がない世界では、行動こそを意志とみなすべきではないのか。
― 329ページ -
人の病いの最良の薬は人である
― 124ページ
みんなの感想・レビュー・書評
2011年にテレビ東京でやった、同じテーマを扱ったドラマを見ていました。
その時初めてインターセックスという言葉を知り、更に確率的に低くもない事にも驚きました。
TVの場合はオブラートに包んだ物の言い方でしたが、この本ではもっとはっきり書かれているのでショックを受けます。
でも、知って良かった。
ひとりひとり告白の部分は胸を打ちます。
ミステリーの部分は・・・これ、必要だった?
と思ったら、前作からの続きだったんですね。
前作を読んでいないので、殺人云々の部分はスルーの評価で。
性染色体の異常で性器が男でも女でもない、<インターセックス>とよばれる人たち。
性同一性障害については近年マスメディアに取り上げられることも多いけど、インターセックスについては全く知らなかった。出現頻度は百人にひとり半、日本で毎年千人弱は生まれているとは・・・
舞台が(おそらく)福岡、冒頭部分はうちのご近所の裁判所あたり、著者は九州大学医学部卒、ということでさらに引き込まれた。
”(解説より)二つのミステリーが交叉する物語である。一つは、通常のエンターテインメントとしての、犯罪と謎解きを意味するミステリー。もう一つは、人間の性、性別そのものを大きな謎ととらえて探求するミステリーである。”
うん、前者のミステリー(医療サスペンス)は王道とっぽいいうか途中からそこそこ読めたけど、それだけじゃなく「性の多様性」について絡むことで圧巻だった。超分厚いけど一気読み!
先天的に性別がはっきりしない形で生まれてきた人たち(=インターセックス)を巡るサスペンス。
インターセックスにまつわる社会背景とかは、知らない世界で興味深かった。
ただ、手術シーンの描写がリアルすぎ(泣)
しばらくは読まなくていいかなーというところ。
インターセックスを知ることができて良かったと思います。丁寧で細かい描写は相変わらず。でも最後の遺書はいらなかったかも・・・。
岸川に誘われて、先端医療を行うサンビーチ病院に転勤した翔子。
やりがいの中で、隠された秘密に気付く。
医学部卒である著者ならではの医療サスペンスではあったが、
真相は途中から分かってしまうこともあって、
600Pを超えるボリュームはやや冗長としてしまっている。
しかし、インターセックス(性分化疾患)を題材にした内容は、
読者に対してジェンダーに関する意識を高め、偏見も取り去ってくれる。
自分のジェンダーに関する見方を大きく変えてもくれた。
前作「エンブリオ」を読んでから読むほうが良いと思う。 インターセックスという言葉があるとは知らなかった。 世の中には遺伝子と外見が一致しない人々がいる。彼らをインターセックスというようだ。 性同一性障害は精神との乖離なのでインターセックスとは違う。 遺伝子は女なのに男性性器や精巣があったり遺伝子は男なのに女性性器や卵巣があったり、また両方あったり・・・程度の差こそあれ何かしらのインター... 続きを読む »
今帚木蓬生にはまっている。確実におもしろい。
さすが精神科医である。
精神を病む人を描く点では「閉鎖病棟」などと共通しているが、
この作品は染色体異常により「インターセックス」と呼ばれている男性でもない女性でもない人たちを専門用語を駆使して描いている。
作品的価値もさることなが、最近はわりに公にされてきたとは言え、社会的理解を得られない闇の部分もえがいてあり、感動した。
「人は男女である前に人間である」この一言にもまた感動した。
「エンブリオ」の続編。
岸川先生、いくら医療とはいえ
ちょっとやりすぎだろーって思ってたから
最後は可哀想だけど、ちょっとすっきりした。
現在の産婦人科についての問題点を指摘している面や
インターセックスについて知ることができて興味深かった。
「性って何だろう」という問題提起、また「エンブリオ」の続編として、二方向から興味深かった本。 ――インターセックスとは、文字どおり男性と女性の中間に位置する様々な性を意味します。人間の性は原始の時代から、男と女の二つに分類されてきました。宗教の世界でもこの二分法は変わらず、旧約聖書ではアダムとイヴから人間の歴史が始まっています。しかし、男と女に二分する方法は、全くの観念的なもので、自然界の現... 続きを読む »
帚木蓬生さんの作品実ははじめて読みましたが、読みやすいです。
こちらも、あっという間に導入から引き込まれ読み進みました。
ミステリ仕立てだったようですが、実は知らずに読んでいたので、人間について書かれたものかと思っていたら、段々とそちらの方向へ。
しかし、そうであってもヒューマンドラマを書き込んでいる為、途中コンテンツが詰め込まれすぎ、話の本筋が見えなくなりますが、最後で駆け足に纏めています。
ちょっと導入が良かっただけに、途中膨らみすぎて、最後駆け足が残念かなとは思いますが、基本的にはお薦めの一冊です。
男性と女性の中間に位置するさまざまな性、「インターセックス」。 たとえば染色体がXYで男性なのに、身体的特徴などの外見は女性だったり、性器などがどちらも完全ではなかったり。。 広義のインターセックスを含むと、日本でも100人に一人、狭義だと毎年1000人弱は生まれているのだとか。。 それ以外にも、いま一般的に処方される薬は男性基準で、臓器の大きさが違う女性には多すぎるのだとか、知らなかった話... 続きを読む »
ミステリーとしては凡庸かも知れないが,あまり知られていない題材を掘り下げていて社会勉強になる小説。半陰陽という語はどこかで聞いたことがあったが,生殖器や染色体が男女どっちつかずの人たちが「インターセックス」と呼ばれていることは知らなかったし,彼ら彼女たちの生き方を想像してみることもなかった。 安易な二分法というのは往々にして批判されるものだが,男女の区分など,世の中にはあまりにも当たり前とされ... 続きを読む »
エンブリオの続編。ハハキギ作品は、読み終わった後に静かな感動が残るものが多い。固定観念や差別について考えさせられました。
知らなかった世界がある感じ。医療は万能ではない。人間も機械のように万能ではない。さらに二つの性だけに分類可能なわけじゃない。知らなかったというより見ようとしなかったことが大きいかもしれないね。犯罪者は完全悪に分類できるのだろうか?
ちょっと前のドラマにISというのがありましたが、残念ながら不調だったようですね。
この本を読んでから見るとかなり印象も変わり
面白く視聴できたと思います。
サスペンス物としては今ひとつだけど、
詳細な医療描画が素晴らしかった。
インターセックスに関する知識が身についた。

難しい・・・・・・!





