楊令伝 7 驍騰の章 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
4.19
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本棚登録 : 667
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087467703

作品紹介・あらすじ

童貫率いる宋禁軍が、ついに梁山泊討伐に出動した。開封府では、燕青と侯真が、不穏な動きを見せる青蓮寺の妓館を探っている。梁山泊は楊令を中心に結束を強め、童貫を迎え撃つ準備をかためた。張平は黒崎兵を離れ、新たに編成した青騎兵を率いる。花飛麒軍が、宋禁軍の先鋒・岳飛軍と激突し、史進遊撃隊に入った呼延灼の息子、穆凌は、趙安の首を狙って疾駆する。楊令伝、白熱の第七巻。第65回毎日出版文化賞特別賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 「人間は小さなものだと思う。濡れた砂で作った、像のようなものだ。乾けば、崩れる。だから、志が必要なのだ。誇りも」
    と、楊令は云う。

    童貫軍との本格的な戦いが始まった。

    呼延灼の最期は「水滸伝」を視野に入れてもベストテンに入る名場面だったと思う。

    その直後の楊令のトラウマにはビックリ。

  • 呼延灼「死にたい者だけが俺の前に来い」

  • 4.2

    梁山泊vs禁軍のこの感じ久しぶりすぎてワクワクしたと同時に、水滸伝ぶりの死者が出て水滸伝時代の感覚を思い出した。

    水滸伝シリーズで初めて泣いた。ボロボロと泣いてしまった。主要キャラが死ぬこの感覚にブランクがあったのと、好きな将軍が ってのと、そのバックストーリーがあまりに素敵だったからだな。

  • 水滸伝に引き続き、一気読み。
    単なる国をかけた闘争を描くだけでなく、『志』という不確かなものに戸惑いつつも、前進する男たちの生きざまが面白い。壮大なストーリー展開の中で、たくさんの登場人物が出てくるが、それぞれが個性的で魅力的。よくもまー、これだけの人間それぞれにキャラを立たせられな。そして、そんな魅力的で思い入れもあるキャラが、次から次へと惜しげもなく死んでいくのが、なんとも切ない。最後の幕切れは、ウワーーっとなったし、次の岳飛伝も読まないことには気が済まない。まんまと北方ワールドにどっぷりはまっちまいました。

  • いよいよ始まった童貫率いる禁軍VSリベンジャーズの梁山泊軍!!!

    初戦は粘り強い趙安VS双鞭呼延灼
    どちらもフラグ立ち過ぎでどうなる事やらでハラハラドキドキ!


    今回は殆どいくさの話ですが若武者達が暴れまくります!


    高俅が大変な事になってます!
    さらに今回は子午山の話が全くありませんでした!今までそんな巻無かったような...

  • とうとう宋禁軍と梁山泊軍の決戦が始まった。
    これまでの局地戦とは違い総力戦となるこの戦いに際しての、童貫の準備には執念すら感じられる。

    宦官であることから、人一倍武人であることにこだわり続けた童貫は、逆に武人として戦いきったという実感を持てないままここまで来てしまったのだろう。
    休戦の勅令など出されないように南部の叛乱を平定し、北方の国が介入してこないように備えの軍を置き…ああ、まどろっこしい。
    これが老いということなのだろうか。

    あまりにも用意周到すぎて、戦の勢いが感じられない。
    まだ童貫自身の戦闘シーンがないからかもしれないが、宋禁軍、梁山泊軍共に小さくない犠牲を出したのに、まだ局地戦の気がするんだよね。

    そしてついに楊令の弱点が明らかに。
    トラウマがいびつな形で楊令の心に巣食っていた。
    子どものうちにきちんと悲しみを解放できなかったことのツケだと思う。
    それはまわりの大人の責任だ。
    楊令はそれを乗り越えることができるのか?

    なかなか手に汗握る展開にならないのは、青蓮寺の動きがないせいもあるだろう。
    梁山泊はずいぶんと重層的に描かれているが、宋は童貫しかいないんだもの。
    童貫が戦死してから李富が動き出すのかなあ。
    聞煥章が意外とあっさり物語から退場してしまったし、呂英もいまいちだしなあ。

  • 楊令率いる梁山泊軍、童貫率いる宋禁軍。共に最終決戦の準備は整った。
    童貫は三方向から梁山泊を囲むが、双方共に「如何に戦うか」の読み合いが続く。
    そして決戦の火蓋は切られた。

    「おまえは、ただ超然としていろ。実戦になれば、抜いた剣そのものになれ」

    童貫の命令は、やはり苛烈である。

    • ハムテルさん
      呼延錫の奮闘は心を揺さぶられました。切ないですね。
      呼延錫の奮闘は心を揺さぶられました。切ないですね。
      2012/02/14
  • 水滸伝から読み続け、ここで息切れ。

  • 宋は10年もたたない内に自滅することを認識した上で、童貫率いる宋禁軍と楊令を頭領とする梁山泊軍は睨み合いから小規模のぶつかり合いを経て本格的な戦闘へと移った。
    梁山泊軍は先ずは禁軍次席の趙安を討とうと動くのであった。

  • 童貫戦、開戦。
    呼延灼vs趙安戦の中で呼延凌が誕生するあたり、北方ワールド全開。
    息子に対して厳しすぎる父親は、前フリだったか。。

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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