右岸 上 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.27
  • (34)
  • (131)
  • (159)
  • (55)
  • (19)
本棚登録 : 1636
感想 : 116
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087467932

作品紹介・あらすじ

やくざ者の父とその愛人の子として生まれた九は、隣家の茉莉とその兄、惣一郎と共に育つ。
奔放で天真爛漫な茉莉に想いを寄せ、聡明で男気のある惣一郎を実の兄のように慕う九。
しかし、突如会得した不思議な力と、惣一郎の死が運命を大きく変えてゆく・・・。
生涯にわたる愛をテーマに、江國香織との共作に挑んだ一大長編。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • どうしようもない「体の衝動」と、対人的には悟った人のようにも受け取れる「思考」と。

    これは大変そうだなぁ、と思いながら下巻に進みました。

  • 色んな事が起こる起こる‼︎人生色々も甚だしい。そこが読んでいて飽きさせない。さすが辻さん‼︎
    読み始めてすぐに引き込まれててしまい、左岸上下を注文してしまった

    • 1800413番目の読書家さん
      同感です
      同感です
      2022/11/12
    • satokoさん
      ありがとうございます。
      違う角度からのお話も読めて良かったです。
      ありがとうございます。
      違う角度からのお話も読めて良かったです。
      2022/11/13
  • 銀次と七を許せない気持ちに共感すると同時に、でもやっぱり、彼らを許せない九ですらネネをさし置いてマリを探してしまう。どの人物も、さまざまなひとに惹かれ、「いちばん」を塗り替えていく。ネネの愛は、一途に見えて、結局じぶんがいちばんにも見える。「いちばん」はそう長くは続かないんだと、再確認する。それが分かっていてもなお、わたしたちはすこしでも長く誰かのいちばんでありたいと願うのは何でなのかな。

  • 左岸よりも哲学的。

  • 読了日2010/09
    「冷静と情熱のあいだ」から10年。またまた辻仁成さんと江國香織さんの共作です。
    人生とは大きな広い長い川。
    その、右岸と左岸を歩む不思議な力を持つ九と自由奔放の茉莉の幼いころから50代までの壮大な物語。
    辻さんが九の視点で、江國さんが茉莉の視点で描いています。
    テーマは人生。
    川の右岸と左岸は決して交わることはないがバラバラに離れてしまうこともない。
    そんな、九と茉莉。お互い波乱万丈な人生を歩んできて、最後にはまた静かに隣同士で暮らす。
    人の人生ってすごくいろんな物語があり、紆余曲折しながら乗り越えて歩んでいく。
    そして、今回、この対になった物語で、人は個々で絶対に誰かと一緒になることはないと強く感じました。
    九には九の人生、茉莉には茉莉の人生。右岸と左岸は絶対に交わらないように。
    二冊同時年代ごとに交互に読み進めると、より物語に深く入っていって楽しめます。
    ただ、「冷静と情熱のあいだ」のようなドラマチック。。劇的。。な物語では全くありません。
    読中に、ふと、自分の人生を振り返ってしまうような作品です。

    そして、かなりの長編です。今年の夏はこの2冊にどっぷりはまって終わりました。。

  • 運命を変えたり、やめたり、逃げたりするのではなく、見つめること。

  • 4.3
    ヤクザの妻帯者・遠藤匠と恋に落ち、
    母・祖父江七は周囲の反対を押し切り、九を産んだ。
    幼少期の九…隣に住む寺内惣一郎に傾倒し心酔。 その妹・茉莉とは生涯を通して、唯一無二の関係を紡いでゆく。
    その二人の父・寺内新、
    九の祖父・勘六、
    祖母・三、匠の舎弟・銀次。
    福岡のトルコ嬢・菊丸。
    阿蘇に住む祖父・勘六の朋友・田崎勇三。

    家出し、勇三の牧場へ向かう途中に出逢った修験者・円。
    親子三人で身を寄せたサーカス団の団長・赤沼。
    生涯の師・黄色いオババとの出会い。

    舞台は九のさすらいの旅を経てバリへと飛ぶ。
    転がり込んだアパートの友人、竜二と秀樹。
    最愛の妻となるネネと息子・阿弥。
    ネネの働く店のママ・マイコとの、爛れた関係。

    超能力という、荒唐無稽な題材を扱っているにもかかわらず、
    人生とは、
    男と女、
    そして生と死、
    宗教と輪廻…

    壮大なテーマを魅力的なキャラクター達と共に踠きながら歩んで行く九

  • 江國香織の右岸からの左岸。

    こっちはやたら重め。ファンタスティックな内容でもあるんだが、重い重い。

    胃にずっしりきますわ。
    かなり焼ける勢いの重さ。ひきづる。同じ内容を別の視点から見るとこうなるのね。。と、面白く読める反面、こんなふうにどんなことも、自分と相手じゃ違うふうに見える世界があるんだな。と、改めて思う一冊でありました。

    私は割と軽めに生きているので、こんな重い思いを持ち続ける人の身になると、胸焼けが起こる次第です。

  • 辻さんバージョンに期待するも撃沈。
    九ちゃんの外見もなんでこんなの?
    繊細な芸術肌かと思いきや、見た目は巨漢。
    他の身体的特徴もおかしくない?
    それ必要??
    あおいと順正を返して!!

  • 力を持って生きる男の話。

    能力とコンプレックスは紙一重。

    『左岸』と同時進行で読めばよかったのか
    時系列がこんがらがる。

    九目線の方がなんだか不幸だ。

全116件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

東京生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『十年後の恋』『真夜中の子供』『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』『父 Mon Pere』他、著書多数。近刊に『父ちゃんの料理教室』『ちょっと方向を変えてみる 七転び八起きのぼくから154のエール』『パリの"食べる"スープ 一皿で幸せになれる!』がある。パリ在住。


「2022年 『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

辻仁成の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×