小説フランス革命 7 王の逃亡 (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087468038

感想・レビュー・書評

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  • かの有名なヴァレンヌ逃亡のみを扱った一冊。
    捕まることは分かっている逃走劇だけども、逃走劇というのはやはりおもしろい。
    何よりも、フランス革命において欠かすことのできないルイ16世がようやく主人公になったこと。
    うまいなあと思ったのは、ヴァレンヌで国王であるとばれたときに、王は国王であることを名乗らざるを得ない状態におかれたのだと思っていたけど、ここでは国王の権威を利用するというポジティブな宣言であるという描かれ方をしていて、目からうろこ。名乗ってしまえば逃げれるのではないかという書き方もよい。
    結論としてどうやって失敗するのかは次のお楽しみ。
    美化されがちのフェルゼンがこてんぱんに書かれていて、ルイ16世も愚鈍どころか王としての思考を巡らせていて、今までで一番飽きない巻だったと思う。

  • ルイ16世の内面のお話し

  • ヴァレンヌ逃亡事件

  • 第68回毎日出版文化賞特別賞
    著者:佐藤賢一(1968-、鶴岡市、小説家)
    解説:池田理代子(1947-、大阪府、漫画家)

  • ミラボーが亡くなって・・・ロベスピエールはレベルが上がった!目的達成のための政略を覚えた!そして、頼れる部下を失ったルイ16世は初めて自分で先の事を決め・・・
    フランス革命において、ルイ16世目線ってのは初めて読んだ気がする。今まであまりにも愚鈍という定説を何も考えずに受け居ていたなあと反省

  • 物語の語り手はここでルイ16世に移る。
    この有名なヴァレンヌ逃亡劇は、革命史観に立てばマリー・アントワネットの世間知らずを嘲笑したくなるし、ベルばら側に立てばフェルゼンの愛を信じたくなる。300年語り尽くされてきたこの物語を、佐藤氏はルイ16世の視点で語る。しかもその彼は、家族を愛し、馬車の御術に通じた小市民的発想の持ち主。斬新で良かったけれども、逃亡はかなわず、やがてパリに連れ戻されてしまう彼の運命が悲しい。

  • 佐藤賢一らしい、物語を異常なテンションでぐいぐい推進するミラボーが退場し、どうなるのかと思っていた今巻、いよいよロベスピエールが舞台の中央に来るか、それにしてもちょっとまだミラボーにはなあ、物語としてテンションが落ちるのかなあ、と思いきや、メインはルイ16世。この造形がまたなんとも言えぬキャラで、なるほどこう来るか、と変に納得。迫る運命を思うと妙にマイペースというか、浮世離れしたルイ16世のキャラがいい。

  • ルイ16世の視点で書かれている巻。これが像として正しいかどうかは知らないが、面白い!このルイ16世で1本小説を書いてほしいくらい。

  • やっぱだめだった。逃げちゃいけなかったんだな。

  • 2014/05/28完讀

    米拉波過世後,路易十六才開始發現他的重要性,王妃絮絮叨叨地吵著要逃亡國外,於是國王開始進行這個計畫…

    這一卷幾乎都是路易的心境描寫,寫這段逃亡行。原本可能只是歷史事件和地名的陳列而已,從路易的心境角度切入,實在太有趣了!!!讓我實在不忍釋卷(也開始感受到這個角色的魅力與溫度)。某些作家的心境描寫,會和劇情有關,這位作者到是沒有那麼強烈全都有關,就很直接針對心境在寫,可是一邊寫歷史事件,突然又是第一人稱心境描寫,當初我一開始讀他的書沒辦法馬上適應,到喜歡也要花一段時間(我覺得他的作品就是這種感覺),但是其實是寫得相當好,從之前寫米拉波、羅伯斯比爾到這卷的路易十六,還有好久以前的布列塔尼快男兒,描寫男性的心情實在是很出色!雖然內容是比較硬的歷史居多,但比起一般生硬的歷史小說家,他這點可以算是相當出類拔萃的。

    這本因為劇情太懸疑,讓我連中斷閱讀工作都覺得很痛苦。。。。好久沒有遇到這種閱讀感了,還是覺得很開心。

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著者プロフィール

佐藤賢一
1968年山形県鶴岡市生まれ。93年「ジャガーになった男」で第6回小説すばる新人賞を受賞。98年東北大学大学院文学研究科を満期単位取得し、作家業に専念。99年『王妃の離婚』(集英社)で第121回直木賞を、14年『小説フランス革命』(集英社/全12巻)で第68回毎日出版文化賞特別賞を、2020年『ナポレオン』(集英社/全3巻)で第24回司馬遼太郎賞を受賞。他の著書に『カエサルを撃て』『剣闘士スパルタクス』『ハンニバル戦争』のローマ三部作、モハメド・アリの生涯を描いた『ファイト』(以上、中央公論新社)、『傭兵ピエール』『カルチェ・ラタン』(集英社)、『二人のガスコン』『ジャンヌ・ダルクまたはロメ』『黒王妃』(講談社)、『黒い悪魔』『褐色の文豪』『象牙色の賢者』『ラ・ミッション』(文藝春秋)、『カポネ』『ペリー』(角川書店)、『女信長』(新潮社)、『かの名はポンパドール』(世界文化社)などがある。

「2023年 『チャンバラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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