言えないコトバ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087468472

作品紹介・あらすじ

口に出している言葉より、あえて口に出していない言葉のほうがその人物を知ることができるのではないか?そんな疑問から始まった「言えないコトバ」をめぐる探求。例えば「おひや」。家で水と呼んでいるものを外では「おひや」と変換しようとする自分が照れくさい。更に、カクテルの名前だと思っていた「チェイサー」も水だったことを知り驚愕!「ギャランティ」というと、どうしても「ギャランドゥ」というコトバが浮かんでしまう。「ギャランティ」は高そうだし、遠い世界のできごとのよう…。その他「彼氏」(何歳まで使っていいかわからない言葉)、「パンツ」(自分が使うと下着だと思われそう……などファッション用語)、「結婚しないの?」(デリケートな言葉)、「親友」(もう必要ない言葉)、等々。言えないコトバから、日々気づかなかった本当の気持ちが浮かび上がる。笑い、共感し、時にしんみり心に響くエッセイ+マンガ集。

感想・レビュー・書評

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  • H31.4.1 読了。

     普段から言わない言葉、使わないようにしている言葉って、確かにあるなあ。何でも言葉を短くするのもどうかと思うし。一人「それ分かる。」なんて、頷きながら読めました。

    ・「悪口の言い方にその人の本質が見える気がする。」
    ・「『知らないの?』は場合によっては人をキズつけるのかもしれません」
    ・「いくら気をつけていたところで、普段使っているコトバって、あらゆるところからにじみ出てくるもの。」

  • 他の人は言ってるけど、ミリさんには「言えない言葉」がたくさん載っています。
    普段使っている言葉について、改めて考えてみるきっかけになりました。
    「擬態語」の「ノリノリ」とか「ガーン」とか、私今でも使っているなぁと思いながら、楽しく読めました。

  • 益田ミリ 著

    これまでの益田ミリさんの4コマ漫画を起点とした 「すーちゃん」や「僕の姉ちゃん」と違った 著者本人の人物像が垣間見える。

    普段、自然に口に出してるコトバを
           改めて考えさせられた。
    この作品の中のコトバは、そうそう、それは言えないなぁとか、共感したり、
    特にこだわりなく口に出してる言葉もあったけれど、何故言えないか?ちゃんと、理由付けをしてあったので、分かりやすく、その状況が浮かぶので興味深く読め…見れた(^。^)

    極論を言えば、”言えないコトバ”を持っている人は “言ってはいけないコトバ”
    “使ってはいけないコトバ(言葉)”を知ってる人間なんじゃないかって思える。
    もしくは、言わなくていいコトバ!

    私も人と話す時は、口に出すコトバに注意して、気をつけてはいるつもりだが…
    自分の中では相手にとって、良い意味であるとか、和ませるつもりで口に出したコトバが、まさかの…相手にとって不愉快に思われることがあるという落とし穴を発見⁉︎
     えっ(・_・;何が引っかかったのか分からないけど、相手の怪訝そうな顔を見て、
    驚いた経験がある…Σ(゚д゚lll)
    誤解されたのか?言ってはいけないコトバを使ったつもりもないし、言い訳も何も…
    不愉快に思われる要因や理由が分からず困ったことを思い出した(・・;)

    “ブクログの皆さんもそんな経験された方
    経験談持ってられる方おられますか?
    なんて素朴な疑問が湧き、もしあったら聞いてみたい、教えてほしいと思います。”

    私が、その時、感じたのは親近感が決して、全ての人に通じる訳じゃないってこと
    論点がズレていたり、相手が見ている視点や側面が自分の思ってることと違う場合もあるから、
    言えないコトバがあっても
    ちっとも不思議じゃない!

    きっとみんな、(わざとならそれはそれで仕方ないのかもしれないが…)
    無理に相手との争いを望んでる訳でもないし、とりあえず、相手に合わせてみたり、
    少しくらい傷ついても、何でもないふりをしたり…場の雰囲気を出来る限り壊さないように努力しているんだろうと思う… 。

    だがしかし、この前読んだすーちゃんの、
    “どうしても嫌いな人”じゃないけれど、
    お互い気を遣っているのに、どうしても
    ソリが合わないと言うか 建前じゃない本音のとこでお互いを、理解し合えない人っていると思う。
    自分の意見を押し付けてる訳でもなく、しかも、正しいか間違えてるかを問うような、
    大それた話しでもなく、ただ…自分はこう思えたとか、感じたと話した時に、相手は、自分はそうじゃなかった…そう思わないって時は正直にそう言ってくれる人はまだいい。

    お互いの気持ちを確かめ合い、お互いの相違に気付き認め合え高めあえる人が居ればいいんだって気持ちが私の中にはある

    そうじゃなきゃ無理に取り繕って付き合うって難しい、、だから、ちゃんとボーダーラインを引いて上手く付き合うしかないのかなって感じたりする。

    だから…言えないコトバを持ってるなんて可愛いもんだ!って思う。
    そのコトバにクスッと笑えたり、自分にも言えないコトバが、色々あるけど、この作品読んでると、言えないコトバとは自分の中で必要のない言葉であるとも言える気がする。
    言えないけど、言ってみたいコトバはあるけど…言えなくても、人様に迷惑かけてる訳じゃなく言わなくてもいいコトバだと思えば、何だか、それでいいんだと感じる。

    言わなくていいコトバはなるべく言わない方がいいと、、この頃は特に感じている。

    私が思う 言ってはいけない言葉は、

    “相手の容姿に対する弄り”

    “自分が言われて嫌だった言葉”

    “間接的に貶すコトバ”
    例えば…「Aさんが、貴女の事を、何々…って言ってたよ」だとか「皆、貴女のことを(何々…)って言ってるよ」とか
    余計なお世話な言葉( ̄^ ̄)
        それに、その皆って誰だ!
    “その間接的なコトバが自分への褒め言葉であれば、照れつつ、嬉しいだろうし、相手の品位も上がるだろうけど…。”
    兎に角、人の気分を害し落ち込ませる
    “それを言っちゃ…おしまいよ”コトバ!

    ところで、
    「言えないコトバ」の本のレビューに
    一体、何を言ってるんだ!と思われた事でしょう(>人<;)
    それは言えないコトバじゃなく
    勝手に私が思う言ってはいけないコトバを
    羅列しただけのレビューじゃないか…と
    そうなんです!(また誤解を受けそう(・・;)

    この作品を読んでいると
    言えないコトバを綴っている、益田ミリさんの言葉に、とても謙虚さを感じた。

    最初に書いたように言えないコトバを持ってる人は言ってはいけないコトバを知ってる人だと感じた…それは、相手の気分を悪くしないように、自分自身も、しっくりこない言葉を敢えて使わない
    言えないコトバがあるということが
    私の中に意味を持ってすんなり入ってきて…

    言えない…そして言わないコトバって感覚が
    意外と似てるな…と感じた。

    言ってはいけない言葉にまで波及して、妙なレビューになってしまい申し訳ないです。
    言ってはいけない言葉は言えないコトバにリンクしていて、
    私はレビューに一見関係ないような事柄を書き綴ってしまいました(^◇^;)

    実際は、とても謙虚で言えないコトバがあると言う益田ミリさんは、すーちゃんやら、
    4コマ漫画で、それでも言いたいことの代弁を果たしてるように思えました。
    自分も随分逸れる話へと代弁させてもらいました。m(_ _)m

    ほんわり、癒され系のような
    益田ミリさんは人間観察、自分観察が、鋭く
    上手く捉えているなぁ…と思う。
    ついつい、そうそう、あの時、あの場面で
    出くわしたような思い出の映像が
       ぽかり、頭に浮かんでくるのだ。

  •  個人的に、「使いたくない」もしくは「好きになれない」ことばについて思うところを書き留めたエッセイマンガ集。
     益田さんがピックアップしたことばは34個プラスアルファ。益田さんらしい、ちょっとしたこだわりが好もしい作品です。

         * * * * * 

     なんか使いづらい。そう感じることばは意外に多い。本作に取り上げられたものでも、「チャリ」「メット」「グラサン」「サ店」「借りパク」などで、どこか軽薄な感じがするので、自分も益田さんと同じく使う気にならない。

     川上弘美さんの『センセイの鞄』に、主人公の再三の勧めで携帯電話を持つことにしたセンセイが、「携帯電話と言ってもらえますか? ケイタイという呼び方は、ワタシには気持ち悪いのです」と主人公に言うシーンがあり、共感を覚えたことを思い出します。

     ほかには「さばさば(した人)」が印象に残りました。このことばは、男性よりも女性に対して使われることが多いように思うと益田さんが書いていて、そこには「女性なのに」というような、ある種のニュアンスが含まれている気がするとも書かれています。

     心に引っかかることば。そのことばには益田さんが言うように、使う人の本当の姿が表れるのだとしたら、ちょっと怖い気がしました。

  • 益田ミリさんは、朝日新聞にコラムを書いているので知っていますが、本という形で接するのは初めてです。
    奥ゆかしさと、気を使いすぎで生真面目な感じがじわ~っと伝わってきました。
    いろんな言葉について益田さんが感じていることに共感できる部分が多く、こだわりが良く分かります。

    例えば、「おばさん」という言葉、頭の中では「おばさん」と認識していても確かに言えないですよね。
    「パンツ」や「ボトムス」も言えません。「ズボン」で通じているうちは言う必要も感じないと思います。
    この本には出てこなかったけど「デニム」も言ったことはありません。
    最近は「ジーパン」のことを「デニムパンツ」と言ったりするようですが、女性用のように聞こえてピンとこないです。

    相手によって言わない方が良いという言葉もあるけど、この本で取り上げられた言葉の大部分は(言おうと思えば)言えます。

    私が言えないのは、自分のことを示す「僕」「わし」「おいら」という言葉。
    「俺」も外では言わないけど、家の中では普通に使っています。

  • 日常生活で人と会話していると特定の言葉に違和感を感じる事ってあります。

    ・その時は気にしてなかったけど、後になって「あの時のあの発言っておかしくない?」と感じる言葉。
    ・言われた瞬間、「!!」「!?」と感じる言葉。
    ・言いたいけど言えない言葉。(タイトルそのもの。笑)

    こういうのって、なかなか言語化できないんですよね。
    そのような言葉を取り上げ、益田さんの視点で書いてます。

    中でも「思ってたより」は、私も経験あるな~、で共感度100%。

    10年以上前、転職したての時に、一緒にランチに行った女性社員から面と向かって「よく見ると、思ってたより、かわいいよね?」と言われたのです。
    「ありがとうございます」と、受け流したものの、、、。
    ずっと心に引っかかっていたんですよね。
    今思うと、”よく見ると”と”思ったより”のWパンチですね。
    ものすごく失礼な発言。。。笑
    「あなたの目に私はどういう風に映っているのですか?」って言い返したくなりますね。
    この引っ掛かりが何か、ずっとわからなかったのですが、”思ってたより”の章を読んで、「これか!」となりました。
    あの時のムカつきは消せないけど、長年頭の片隅に残っていたモヤリの原因が分かり、スッキリ。
    心のつっかえが1つなくなりました。

    その他「結婚しないんですか?」「自信を持って」等、口にしずらい言葉がずらり。
    自分では良かれと思った言葉が他人を傷つけていた、、、なんて事にならないためにも、知っておいて損はないと思います。

  • ひとつひとつの言葉を大切にすることって素敵だなと感じました。私が言えない言葉って何だろう?と考えると、初めに思いついたのはニカピン。可愛くなっちゃってなんかダメなんだよなぁ..と。漫画リスペクトはとても共感。基本的に省略して言う言葉や流行り言葉も好きじゃないなぁ...

  • 言えないというより、使う機会がなかったり自分に馴染んでいなかったりして、あえて言わないような言葉って確かにある。
    年齢が上がるにつれて、この歳でこれ使うのってどうなんだろう、と思う言葉も変わってきて、特にこだわっているわけでもないけれど無意識に選んでいるんだなあ。

    この本は10年ぐらい前の本だから、言葉のチョイスもちょっと前のものという感じで、えっそれ気にするの?と思ったり、いやそれは使うよと思ったり、なかなか面白い。
    「ちょっとしたパーティー」は、私も同じく無縁だ。

  • 私も言えないなーという言葉もあれば、これは普通に言ってるぞ!という言葉もあり、ゆるりと読み進めていきました。
    作家さんだし、言葉には人一倍敏感なところもあるのかななどと思ったりしました。

  • それ分かるー!もあり、いやそこまでは...と思うようなコトバへの作者の繊細?な意識。
    年代が似ているからか、昭和の懐かしいコトバも沢山出てきて面白かった。
    同じ物を表すコトバも、昭和からいつの間にか時代に合わせて変化してるんだよなあ。不思議〜。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。イラストレーター。主な著書に『欲しいものはなんですか?』『みちこさん英語をやりなおす』『そう書いてあった』『今日の人生』『しあわせしりとり』『すーちゃん』シリーズ、『マリコ、うまくいくよ』『僕の姉ちゃん』シリーズ、『スナック キズツキ』『ツユクサナツコの一生』『ヒトミさんの恋』『ランチの時間』等がある。

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