風の如く 水の如く (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087470307

感想・レビュー・書評

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  • 関ヶ原の戦い。徳川家康、石田三成に次いで第三勢力を狙った黒田如水の物語。関ヶ原の戦いが終わって論功行賞が行われるまでの間に本多正純が探偵の様になって黒田長政や竹中重門後藤又兵衛などを尋問して如水の壮大な計画を暴いていく。

  • 黒田如水が、関が原の戦いの前夜に、家康・三成ともう一つの勢力を作りつつも、家康の智謀に負けてしまったという関が原外伝というべき著書である。

    推理小説のような感じで話は進む。家康の謀将の本多正信の息子である正純が、関が原の戦いの後の論功行賞をするために、関係者から事情徴収するような話の進み方である。

    戦が終わった翌日から、恩賞にあずかろうと、猛烈な密告合戦が始まったという。如水の息子の黒田長政、如水の義理の息子のような後藤又兵衛、竹中半兵衛の息子の重門、前田利家の息子利長、毛利元就の孫の吉川広家などが如水に味方し、第3勢力をつくり、家康と三成の戦で、両者が消耗したところを、豊臣秀頼を頭目として兵を挙げて一気に政権を奪取しようともくろんでいた。

    それを家康も感付いていて、関が原に徳川秀忠が遅れたのも、わざと遅れさせたのであり、加賀の前田家への牽制として、江戸と関が原の中間地点に待機させた感じにしたという。

    著者の書”関が原連判状”で細川幽斎が公家に古今伝授を引き合いにして物語を仕立てたり、正史とは違った歴史の裏舞台で行われたかもしれない面白さを非常に説得力あるストーリーで進めるのが得意なようである。当然、その調査も膨大なものであったろう。

  • 関ヶ原の戦いに関する独自の解釈が興味深かったです。この天下分け目の戦いにおいて、黒田如水もまた天下を狙っていたというのはよく聞く話ですが、その構想とはいかなるものだったのか。また、関ヶ原本戦に遅参した徳川秀忠隊の真の目的とは・・・。黒田如水、本田正信といった一癖も二癖もある謀略家の思惑が絡み合う、非常に読み応えのある内容です。

    読了日 2007年2月

  • いろいろな「父と子」の葛藤、「キリシタン」といろいろな視点で書かれていてとても面白く読めた。推理小説を読むような新しい感覚がすばらしい。

  • たぶん長政が主役の話。
    重門も又兵衛も如水殿が好き過ぎて可愛い。

  • 光先生推薦

  • 初版本

  • この、父子の距離感が大好き…劣等感を抱える人ってそそる

  • 要約するとファザコン話

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著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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