なつのひかり (集英社文庫)

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著者 : 江國香織
  • 集英社 (1999年5月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087470482

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江國 香織
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なつのひかり (集英社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 風変りな物語なのに、なぜか心地よい。
    童話を読む子どものように無防備になって、迷路に迷い込んだように楽しめました。

    探し物とは、遠い記憶とか、もっと大切なもの。目に見えないもの。
    読み終えて、21歳になった主人公とともに、すがすがしい気持ちになれました。

  • わくわくします。不思議な世界に引き込まれます。
    江國さんの描くエキセントリックな世界。絶対にありえない。
    けど、目が離せない。
    解説で、これは青春を描いているということが書かれていた。
    あっという間の季節の不思議な物語。
    何かを得ることは何かを失うこと。まさに青春そのもの。

  • 大人のファンタジ-とでも言ってみる??そんな感じです。江國さんの作品を色に例えようとすると、透けた色しか想像できないのはうちだけ??

    新しい作品に比べて不安定な感じがしました。漠然と!

    解説は必ず読むべき!キーがあります。今回はルールの話とパルレモアダムール。

    何でお兄ちゃん、名前を逆さまにしちゃったの??そんな陳腐さまで、この世界の一部だ。


    「それはまだ息をしていたので、お葬いというよりも生き埋めだった。かなしくはなかったけれど、少し苦しかった。」
    何をお葬いしたかは読んで知ってね。


    みんなが人をひどく愛している。

  • なんか作品の中でも飛びぬけて謎な気がする。
    もっかいは読まないかな。

  • 江國香織の小説は、四季の中で言うと、夏にいちばん読みたくなる。夏のじっとりまとわりつく空気と、江國香織が紡ぎ出す文体と物語が、すごく似ているし、読んでいるとなんだか夏の暑さにやられたように、ぼんやりとしてくるからだ。

    「なつのひかり」は、主人公である栞と、栞の兄、兄の愛人と兄の妻が二人(つまり重婚)が登場する。そして物語の奥に奥に連れていってくれる、指名手配のヤドカリだ。

    物語からわたしたちが受け取るものはあまりない。ただ江國香織が連れて行ってくれる、強い引力の物語の世界を、わたしたちはふわふわと漂うだけだ。

  • 女装趣味のヒロユキとベディとは?順子との死んだ娘?
    ナポレオンと洋一の殼の下り良い。結局なんでナポレオンは薫平が嫌だったのだろう。

    ファンタジー、アレゴリー、シュールレアリスムなどは好きだが、本作はそれっぽい要素を投げただけという印象を受けてあまり感心できなかった。書くべきことを書けないので煙に巻いて逃げる手法というか。

  • 江國さんの作品の中ではおそらく一番好きです。
    なつにふさわしい不思議とミステリーと哀しさでした。

  • 夏休みに歩いた道の眩しさ、夕方の懐かしい風、マンションの外階段の日陰でお菓子を食べた時の涼しさ、夏の特別が全部詰まってる大大大好きな本。内容も寓話的で読み手側が色々な解釈をする余白があって好き。逆に起承転結がハッキリした本が好きな人にはつまらないだろうな。

  • 【印象】
    夏の佇まいと後見と仕舞われたものと探す人たち。
    季節に関する描写が好みです。

    【類別】
    小説。
    不条理、ロマンス、伝奇ファンタジー、サイコホラー、そういった印象を受けます。

    【構成等】
    本筋を進める中で、定期的に本筋に関するなにかの話を添えます。

    【表現】
    地の文は一人称視点。
    文体に端整なものを感じます。

  • 分かるような分からないような不思議な話。
    順子さんの心の中の旅なのか。
    ナポレオンが可愛かった。

  • よくわからなかったけど。
    江國さんの言葉たちが好き。

  • 全然分からなかった、、
    もう一度読んだらなにか掴めるかな

  • 最初の辺りはごく普通の夏の日常を描いているのだが、物語は通常ありえないような展開をしていく。そんな流れが本当面白くて夢中になって読み進めた。

    物語の途中に入ってくる、一見関係無さそうな話。これらが『なつのひかり』の独特な世界観を形成しており、なんとも滑稽な話ばかりであった。

    この夏に読む事ができて満足である。是非とも色々な人にこの作品を勧めていきたい。

  • 1995年に文庫発刊。江國香織の小説。
    現実と幻想が入り混じるファンタジックな透明感のある作品です。

    江國作品らしく恋愛が病的なんですよねー。主人公のお兄さんに年上の愛人がおり、さらに別の女性と不倫してます。
    と、文章で書くと、ものすごくドロドロなんですが、ここが江國作品のすごいところで透明感があると言うのか、サラリとしていて違和感がないんですよね。
    登場人物たちが普通に受け入れているからなんですかね。

    途中までは、現実的な日常を描いているように思えるのですが、ヤドカリくんがキーポイント。
    ヤドカリくんを追っていると、いつの間にか幻想の世界に入り込みます。
    フワフワしたファンタジックな作品は嫌いではないので、どんどん読み進めちゃいました。

  • ファンタジーで不思議なお話だった。
    キャラメルの箱が電話になったり、時間が夕方の5時で止まったり。でも解説の人が書いていたように、ヘンテコなことがゾクゾク起こるけど、そのルールを認めてどんどん話の展開を楽しめればそれでOK、その通りだった。

    "現実というのはうけいれるほかにつきあいようがない"しおりの言葉が印象的。
    八百屋でおばさんと過ごす時間がうらやましいなと思った。

  • うたた寝をしたときの夢みたいな内容
    現実味を帯びたファンタジー

  • 文章は面白いんだけど、よくわからなかった。

  • 妻を探す兄。その兄を探す主人公。"誰も彼も何かを探しているのだ。誰も彼も何かを探していて、だからどこかしら出かけていく場所がある。"夏の夕方5時、時が止まると、場面はカメラのシャッターを切るように何度も切り替わる。日常と非日常の境があいまいで謎に満ちた物語。

  • 夏になったら再読しようと思ったらすっかり夏の終わりに。最初の方の引用文、これはもしやと思ったらやっぱり谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」で、この本の夏の陽射しが作る日陰そして日陰から流れ出る空気感を、今まで読んだ時よりもずっと美しく感じられて、現実と幻想(というか妄想)の境は曖昧に溶け合ったような気がしたのでした。読み手の経験一つで、記された文章の立体感はぐんぐん増す。これが再読の楽しみというもの。これからも再読したくなる本に出会いたいし、そんな本たちを更に深く味わえる生活を送りたいものです。素敵でした。

  • なんとも不思議な物語。でも、語られる夏の雰囲気は本物っぽい。二重人格?の兄貴が元美少年ぽい。

  • 昨年の夏に読もうとして間に合わず、
    一年越しでようやく読んだ。

    家出するやどかり、やどかりと義兄弟の男の子、
    謎めいた双子、家出する兄嫁、
    自分の知らない兄の顔、もうひとりの兄嫁、
    兄の愛人、ホテルの部屋で寝て起きたらフランス、
    辿り着いた家を抜け出したら元の世界 etc.
    あれ? デジャ・ヴ?
    これ主人公を男にしたら村上春樹の世界じゃない?
    でも、村上春樹の世界に近いけれど、
    でもやっぱり違う。
    そんな不思議な感覚を味わった。

    なつのひかりに包まれるとこんなことも起きるのかも。

  •  体も顔もすみずみまで洗い、小さなシャンプーで髪も洗うと、私はもう一度お湯につかる。夏の夕方、こんなふうにたっぷりのお湯につかるというのはほんとうに極楽だ。







    「来年の今月今夜、なにをしているだろう」
    「…………」
     たぶん、と言いかけて口をつぐんだ洋一の言おうとしたことが、怖いくらいはっきりとわかった。たぶんお互い別々の場所にいて、今夜の月の美しさなど思いだしもしない。まるで一度も会ったことがなかったかのように、涼しい顔で別々の生活をしている。
    「そうね、たぶん」
     それを淋しいとは思わなかった。淋しくも悲しくもなく、私たちはただそれを知っていて、とてもしずかな気持ちでその現実をうけいれる。いつだってそうだ。現実というのはうけいれる他につきあいようがない。
    (略)
    「でもさ」
    洋一がさわやかに笑って言った。
    「でも、いまはまだ今年の今月今夜だね」
    「…………」私はしみじみと幸福な気持ちになった。未来はどうすることもできないけれど、いつだって今はまだ今年なのだ。




    ・:・:・:・:・:・:・:・:・
    なつのひかりというタイトルに惹かれて読み始める。
    江國さんてこういうのもかくんだ!という驚き。
    よくわからないふわっふわの世界観のなかに光るグロテスクさは少し小川洋子さんに似ている。もっとマイルドで、素朴だけれど。
    日常の何気ないきらきらを丁寧に集めて、ファンタジー世界に移植して、セピアにしました。というかんじのおはなしだった。

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なつのひかり (集英社文庫)の作品紹介

「私」は来週21歳。ウェイトレスとバーの歌手という、2つのアルバイトをしている。「年齢こそ三つちがうが双生児のような」兄がいて、兄には、美しい妻と幼い娘、そして50代の愛人がいる…。ある朝、逃げたやどかりを捜して隣の男の子がやって来たときから、奇妙な夏の日々が始まった-。私と兄をめぐって、現実と幻想が交錯、不思議な物語が紡がれて行く。シュールな切なさと、失われた幸福感に満ちた秀作。

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