鳩の栖 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 190
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087471243

感想・レビュー・書評

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  • 初読みの作家さん。結論から言うとドンピシャにタイプの文章。シンプルで静かだけど、その中にも美しさが垣間見えるような言葉遣い。国語の教科書に載ってそうな、読解問題向けの短編集だけど普通に趣味で読む分にも楽しいので、こういう物語に学生時代に出会えていたらよかったのになーという感じ。
    本作は表題の「鳩の栖」以外にも中学生の男の子が主人公の短編が4作ある。作者のあとがきにも書いてあるように、この本は「騒がしい思いに駆られがちな年齢の彼らの、静かな部分を描いて」いる。大人に比べればまだ不自由な身で、どこか不器用さが残る少年たちの心の奥を描いた、四季折々の物語。友や家族との死別、複雑な家族構成など、様々な境遇の彼らが何を思い、どう進むのかを繊細に描いているのが好きだな…
    中でもお気に入りは「鳩の栖」と「紺碧」。病で伏せている至剛のために水琴窟を鳴らす操の描写が愛おしい。「紺碧」では真木のキャラクター性が好きだった。おちゃらけていて自分の弱さを決して見せないけれど、友達の亨には真摯に接する姿がかっこいい。

  • 素敵な空気です。落ち着いてて清々しくて。
    少年たちに気品が感じられるところか大きいなあ、やはり。
    「鳩の栖」「紺碧」「紺一点」が好きです。
    浦里と真木は続きがあったはずなので楽しみです。

  • 登場人物がひっそりと死んでしまう話はなぜこんなに美しいのか。『鳩の栖』『栗樹ーーカスタネア』が良かった。

  • 儚き少年期の幻のように過ぎ去っていく淡い恋情。透明な色をした少年たちの未成熟な想いが未成のまま過ぎ去っていくところがなんとも静かでたおやかでした。

  • “紺碧”と“紺一点”に出てくる浦里くんがすごく好き。
    この子関連の話は紺極まるに続いてるんだけど、浦里くん天然というか鈍すぎてほんと真木くんがんばれ。

  • 中学生の男の子を主人公にした短編集。たぶん昭和三十年代の物語。ことばが美しい。こころも。

  • 長野まゆみさんを読んだことがなくて、
    中村明日美子さんみたいな少年愛を求めている人におすすめしたい本。
    独特の雰囲気がありますが、それが大丈夫なようでしたら本当に非常におすすめします。文体にくせがあるので、苦手な人は苦手かと思います。
    それになにより少年愛をズバズバ書いてますからね!!!!
    彼女の作品は何の疑問もなく、みんなホモですからね!!!!!


    この中に収録されている、「栗樹―カスタネチア―」が、
    …驚かないでくださいね。
    現代文模試の……小説読解に選ばれていたのですよ……

    なにを…考えているんだ……ベネッセ…

    そんなにガッツリとした部分ではなかったのですが、いやしかし、いやしかしですよ、長野まゆみ作品ですよ。
    そのような描写がないページなんてございませんよ。
    おかげで模試が終わった後の女子はヒソヒソささやき合いましたよ。
    「え?なに?あれ、弟はお兄ちゃんが…好きなの……?肩が触れ合っただけで赤面して動機が激しくなってときめいてたけど、それは…そういう…ことなの?」
    「しかもお兄ちゃんは友達(男)が好きみたいな」
    「えっ、近親相姦でさらにホモなの?禁忌キッズじゃん」

  • 思春期の揺らぎのある透明な静かさを掬ったような短編集。
    時代は大正あたりのイメージでしょうか。言葉遣いはやや文学調ですが、癖がなくさらっと読めます。

    表題作の「鳩の栖」が好きでした。
    淡々と描く静かさが素敵な作品。

  • 短編のどれも萌えるがやはり紺碧・紺一点の連作2編がたまらない。義兄弟義兄弟。そういえば兄弟ネタ多いねこの本。

  • どれも少年ものばっかり、ですねー。
    いつもの事ながら・・・
    紺シリーズは続きのお話があるようなので読みたいです。
    長野さんの作品はかなり癖がありますがこの独特の雰囲気が好きです。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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