夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087471984

感想・レビュー・書評

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  • これも、おそるおそる読みました。
    多くの皆様のレビューで気になりすぎました。
    乙一さんデビュー作品。しかも当時16歳でこの作品を?と衝撃を受けました。

    『夏と花火と私の死体』
    九歳の夏休み。少女(五月)は、殺された。
    あまりにも無邪気な殺人者によって、あっけなく。
    私の死体をめぐる幼い兄妹の、悪夢のような四日間。

    まず「私(死体)」目線で描かれている奇抜さが斬新。
    しかも「私」の、犯人に恨み、憎しみ、怨念などの描写がないのが返って、気持ち悪さ感や奇妙さを醸し出している。それから自分の死体が運ばれたりしていく様子を実に淡々と実況中継していくようなところが、不気味感が漂う。
    大きな事件になっているし、死体を隠そうとすることで当然……次々に訪れる危機があるのだが、それも、ハラハラ、ドキドキさせられていく描写となっていて引き込まれてしまう。

    そして衝撃が走る怖〰️いラスト。
    伏線もちゃんと回収されているところも鮮やかで凄く良かった!!
     
    もう一作品、短編
    『優子』
    ずっと不穏な空気感で不気味なのに、更にラスト
    でひっくり返されて、ゾッとした。
    もともと私は「人形」って苦手なのに
    この作品でもっと苦手になったと思う…w

    乙一さんの凄さを思い知った一冊、
    面白かったー。

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      う〰️わ、わ、わ、わ!!
      確かに~!!

      ほんとだ! (;゜0゜)

      ぴったりですわ〰️!!!!

      ((( ;゚Д゚)))ガクガクブル...
      う〰️わ、わ、わ、わ!!
      確かに~!!

      ほんとだ! (;゜0゜)

      ぴったりですわ〰️!!!!

      ((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

      音響……など…お任せします_(..)_




      2023/05/01
    • mihiroさん
      わ〜!高評価ですね✩︎⡱
      この作品、まだ読めてないんです、、
      これデビュー作なんですね!
      感想読んだら読みたくなってしまいました〜( ˶>ᴗ...
      わ〜!高評価ですね✩︎⡱
      この作品、まだ読めてないんです、、
      これデビュー作なんですね!
      感想読んだら読みたくなってしまいました〜( ˶>ᴗ<˶)
      2023/05/01
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      機会があれば是非、是非~♪
      機会があれば是非、是非~♪
      2023/05/01
  • 乙一さんのデビュー作である本作。
    この作品が初めての乙一さんなのだが,なんとまぁ気持ち悪くホラー。
    表題作の『夏と花火と私の死体』は死体の視点という形で物語が進んでいる,死体じゃそんなところまで分からんだろうというところも多いが,まず視点になり得ないところなのでとても面白かった。またそれ以上に,健の死体遺棄に対する必死さ,そして何よりも緑のサイコパスぶりには完全に引いてしまった。最後のかごめかごめがさらに恐ろしさを増長させ後味がとても気持ち悪い。
    『優子』は,最初こそ政義が人形に気持ちを入れすぎてやばい人間なのかと思ったら清音の方がやばい人間で狂っているところはほんとに語り手を無意識に信用している自分がいて完全に騙されてしまった。
    ほんとにすごい作家さん。乙一さんの作品をこれからも読んでいきたいなぁ。

  • 私が本を好きになるきっかけをくれた本。

    描写がここを目線で描く小説とは新しく、後にも先にも無いと思う(先にはあるかも…笑)

    子供の目線で大人を見て大人の目線で対応して、さらに主人公の目線で遠目に見て全ての描写で素晴らしい。

    大変楽しめた。

  • 乙一さんのデビュー作。だいぶ昔に読んだのを再読。
    死体目線と言うのが面白くて好き。

  • ドキッ!ハラハラ… 乙一さんの思惑通りに私の気持ちが
    振り回されました。「優子」も良かった。

  • 狂気じみた兄と罪悪感のある妹、どちらも子供ながらの残酷さが窺える。設定はありがちだが、語り部が死体なので不思議。ホラー小説は初めてだったが、とてもスラスラ読めた。面白い。

    同時収録されている優子も素晴らしいものだった。事実が分かったとき、ハッとさせられた。

  • 死体になった「私」の視点で物語が描かれる倒叙ミステリ。「私」こと五月が死んでいる、死体が見つかるかもしれないのに冷静でいる健がサイコパスすぎる。
    二話目『優子』の伏線回収とどんでん返しが好きすぎる。清音がベラドンナを食べてしまったから、悲劇が始まった……。

  • この本には2つお話が入っていて、一個目が表題作の夏と花火と君の死体で、こちらは女子小学生の主人公とその友達の女の子、友達のお兄ちゃんを中心に物語が進む。しかし、主人公である私は読み始めてすぐに殺されてしまうのだ。さらに驚くことに殺された後、最後の最後まで主人公の目線でお話が進むのである。解説の言葉を借りると、死んだ後に神の視点となって話が進んでいって、その表現方法が斬新である。
    展開が豊富で、結末まで飽きずに爆速で読み終わった。
    2つ目の優子では、鳥越家の主人と、妻の優子、そこで働く清音が登場する。
    清音はその館でご飯を作り、運んだり、洗濯など様々な家事を任せられている。しかし、妻が寝たきりになっているという主人の部屋に入ることだけは許されていない。さらに、一回も奥さんに会ったことはなく、ご飯や洗濯時にも存在を感じられない。そしてついに、主人の部屋を覗いてしまう。そうすると、ベッドに横たわる女性の人形と目があってしまう。というのが冒頭部分のあらすじである。
    ここまででも十分に、不気味さや怖さを感じゾクゾクするが、さらに物語が進むと恐怖、衝撃、の展開があり、再読は必至である。
    どちらの作品も展開が上手くてすぐに読み終わってしまうが、読み返してさらに面白いという物語になっていてとても楽しめた。

  • 他の死人が出る小説に比べて登場人物全員が生に対して割と無関心でこわひ

  • 乙一さんは人間の本質的なところを突いてくるなって、改めて思った表題作。「わたし」の視点もすごい!
    そして、『優子』もそう来るかって驚くけれど、時間が経つに連れ、ものすごく怖くなる。

    この読後感がたまらない。

著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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