風が吹いたら桶屋がもうかる (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 454
感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087472219

作品紹介・あらすじ

牛丼屋でアルバイトをするシュンペイにはフリーターのヨーノスケと、パチプロ並の腕を持つイッカクという同居人がいる。ヨーノスケはまだ開発途上だが超能力者である。その噂を聞きつけ、なぜか美女たちが次々と事件解決の相談に訪れる。ミステリ小説ファンのイッカクの論理的な推理をしり目に、ヨーノスケの能力は、鮮やかにしかも意外な真相を導き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 日常の謎を超能力での解決を期待していろいろな依頼人がやってくる。主要三人の登場人物はみんな良いキャラしているし、特に「陽之介」が可愛らしい。ただ7話の連作短編集が全部同じ流れで残念だったです。

  • 牛丼屋でバイトをする大学生シュンペイの同居人ヨーノスケは〈超能力〉の持ち主で、次々と不思議な事件解決の依頼が舞い込むのだが。心地よい展開のユーモアに満ちたミステリー。



    いやぁ、面白かった。牛丼屋でバイトしているシュンペイが窓口となって大した超能力でもないのに、人びとが助けを乞い、その超能力をやってる近くで推理する。もう最高だった。イッカクの推理、全然当たらないんだもん。推理に当たるもあるのか知らないけど、毎回見当違いの推理を披露して、依頼者の女の子を不安にさせ、その子たちが自力で解決している。


    超能力なんて嘘と決めつけた依頼者の女の子も出てきたけど、結局ヨーノスケの能力を目の当たりにして、大人しく菓子折り出して帰っていく。いやぁ、はなから信じてない人を信じさせる。ヨーノスケの呑気な時間のかかる超能力のおかげか。


    面白すぎて、あっという間に読んでしまった。読みやすいかんじでもあったしな。女の子の口コミって恐ろしいなぁと思ったりもした。


    2023.4.16 読了

  • 短編は苦手なのですが、この作品はとても楽しめました。

  • 昔読んで好きだったのを思い出して購入。
    牛丼屋でバイトをしているシュンペイは、ヨーノスケ、イッカクらの三人で同居をしている。
    そして、このヨーノスケは実は、超能力者なのである!噂を聞いて、次々と現れる相談者たち。なぜか美女ぞろいの彼女らの持ち込んだ事件を、果たして解決できるのか!
    …というわけなのだけども、いやあ、読んだ当時は実に衝撃的だった。
    なんせ、ヨーノスケの超能力は「ぜんぜんすごくない」のである。
    ・超能力で割り箸を割る(30分かけて)。
    ・超能力でお湯を沸かす(数時間かけて38度)。
    ・超能力でウクレレを弾く(たまに音が鳴る)。
    ・超能力で絵を描く(発泡スチロールに墨をつけて転がす)。
    …。
    「超能力というより低能力」「彼がやるより、僕たちが普通のやり方でやったほうが、ずっと確実で効率もいい。」
    至極雑な扱いを受ける超能力!「あくまで趣味」な超能力!
    相談者の持ち込んだ、人探しやら箱の中身の透視やらに苦戦するヨーノスケを尻目に、事件を解決しようと論理的な推理を展開するのはまさかのイッカク!
    推理を聞き、慌てて戻っていく相談者!
    …いやあ…これで結局その推理も外れてるってんだからなあ…。
    「いつだって、そうなのだ。ヨーノスケの超能力が人の役に立ったためしはないし、理屈屋イッカクの推理がなにかを解決したこともない。結局、こうなるのだ。」
    当時の自分は「超能力」も「推理」も「すごいもの」カテゴリーに入れていただけに、相当の衝撃でした。当人たちがまったく気にしていないのも含め。それでいて、おもしろいっていうのがまた……。

  • 軽めの方の井上作品。

    今までに読んだ井上作品で一番あっさり味。
    たまにはこうゆうのもいいね。

  • 推理マニアのイッカク、超能力(低能力)者のヨーノスケ、毎回プチ失恋のシュンペイ。
    毎回同じ展開だけどそれもお約束で、3人の個性がうまく噛み合ってゆる~く事件解決。
    軽く読めて面白かった。
    それぞれの章のタイトルが内容と全く関係なくてはてなだったけど、解説を読んでなんとなく納得。

  • さすがです。

  • 3人の登場人物がいい。そこに依頼人が来て一つの話が始まっていく。ヨウノスケはシュンペイに言わせれば低能力者だが超能力だ。イッカクは理論的というかうるさい。毎回同じことの繰り返し。気軽に読める一冊。

  • 毎回同じ展開で話が進む連作短編。
    それをマンネリと見るかどうかで面白さが変わりそう。

    個人的には有り。
    登場人物三人組がいいキャラをしてるし、主人公の語り口が面白い。

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著者プロフィール

昭和25年生まれ。昭和57年に徳山諄一との岡嶋二人名義で第28回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。平成4年に『ダレカガナカニイル……』(新潮社)で再デビューした。代表作に『ラバー・ソウル』(講談社)など。

「2020年 『平成ストライク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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