救命センターからの手紙 ドクター・ファイルから (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087473049

感想・レビュー・書評

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  • 「救命救急センターなんぞという、なんとも立派な名前を頂戴してしまっている 」
    という件が文中に何度となく出てきた

    救命とついたばかりの患者側の期待ももちろんあるだろうし、
    救命とついたばかりの医師の葛藤も相当なものがあるようだ

    それはどういうことか?
    次にこんな文が出てくる

    その名の通り「救命」ということに全力を尽くしてさえいれば良いというのであるのなら確かに、何も悩むことはありますまい

    しかし、医学の進歩によってかつては思いもつかなかったような新たな不幸が生み出されているというのだ
    「脳死」「植物人間」「院内感染」等々

    愛するものに先立たれるということよりももっと辛い大きな悲しみを患者を取り巻く家族にもたらしてしまっているのではないか
    医者が、人の苦しみや悲しみを少しでも取り除くことをその本分とするのであれば、私は、一体なにをしているのやら、自分で自分がわからなくなってしまう時があります

    TVのドキュメンタリーには出てこない実態を垣間見たようで胸が痛くなる

    それと同時に、もし我が家で心肺蘇生が必要で救急車を呼んだ時到着する間、迅速に的確に必要な対応ができるだろうか、少々、人工呼吸や心臓マッサージの心得があっても家族に的確に施すことができるのだろうか不安になった


  • 自宅近くで交通事故に遭った小学生の男の子の話は
    自分にも同じ歳の頃の息子がいるので
    読み進めるのが辛かった

    でも全体としては、他の作品同様
    救命の中心である医療行為に留まらず、
    患者の救命が果たしてその患者の幸せなのか、や
    家族への配慮が描かれており
    激務の中でも人の気持ちに配慮する姿勢に
    感銘を受けた

    個人的には、ずっと気になっていた
    仕事中の荒い言葉遣いが!演出でなく
    実際通りと分かってすっきりした

  • 救命センターというとスーパードクターが奇跡的に患者を救うというイメージがテレビで刷り込まれている。現実はほとんどがそんなキレイな話ばかりでない事、命を救う事で起こる問題、患者の家族との対面、等。ここには現実の救命センターで、力を尽くされている医師の姿がある。医療系のドラマは嘘とは言わないが、それ以上に感じるものがある。

  • 若い研修医を怒鳴りつけながらも、その研修医に語らせた一語一語にも著者の想いが含まれているのでしょう。緊迫した救急処置室の状況や、医師の葛藤がストレートに表現されている。そして外はいつも雨降り・・・。

  • 医者としてというより人間としての葛藤が描かれている

    家族が突然植物人間になってしまうとか、
    迷惑ばかりかけられていた兄弟がどうなろうと知ったこっちゃない、という家族がいる事とか
    明らかに老衰での呼吸停止時に救急車を呼ばないこたが果たしてできるだろうか

  • 毎日無事に過ごせることに感謝を感じました^ ^

  • 救急医の本心を垣間見れた気がした。また、色んな家族、患者がいるんだなと思った。

  • 突発的な事故や病気で命の危険にさらされた人間を救うべく登場した救命救急センター。だが、収容された患者の死亡率が、3割を超えるという厳しい現実がある。医療の最前線であるために、人生の表も裏もきれいごとも本音も、鮮やかに浮かび上がらせる病院。24時間態勢の救急医療の現場で医者と患者が織りなす生と死のドラマ。

  • 突発的な事故や病気で命の危険にさらされた人間を救うべく登場した救命救急センター。だが、収容された患者の死亡率が、3割を超えるという厳しい現実がある。医療の最前線であるために、人生の表も裏もきれいごとも本音も、鮮やかに浮かび上がらせる病院。24時間態勢の救急医療の現場で医者と患者が織りなす生と死のドラマ。「こちら救命センター」に続く待望の第二弾!日本エッセイスト・クラブ賞受賞。(裏表紙)

  • 自分が読んだ文庫本のデータがアマゾンにもなかったのだが。
    内容は、同じだと思います。

    死に向き合うと”人間のサガ””本性”がでるという真実に
    焦点を当ててみている。ベテラン救命救急センター医師の経験
    に裏付けされた価値観には、共感を持てる。

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