ピュタゴラスの旅 (集英社文庫)

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  • 集英社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087473377

感想・レビュー・書評

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  • なかなか手を出さないジャンルとゆうか雰囲気な本なのだけど酒見さんが好きだから!!とゆう理由で読みました。
    酒見さんの凄いとこは、そんな理由で読んだにもかかわらず、人の心をワシッと掴んで物語の中に引き込んでしまうところ。最初の文章から簡単に捕まりました(笑)
    短編なのに、短編らしからぬ面白さ。
    文章の引力 すさまじい。

    あとやっぱり読みやすいです。

  • 他の小説の合間合間に読み進めてました。
    初版が出た当初に読んで以来の再読。
    その頃よりおもしろく読めたように思う。

    後宮小説は何度か読んでるけど、他の酒見作品も読み直してみようかな。

  • ピュタゴラスの旅は二冊目で、単行本も文庫本も知り合いの古本屋で入手した。何か縁深いものを感じるわけで。哲学的な何かが呼び寄せるのか(笑)短編集5編。生き方というか生き様を考えさせられる何かがあり、人生は旅のようでもあり。たゆたい流されるように生きるのか、確固たるポリシーをもって四角四面に生きるのか。私の魂は何人にも屈せられず、汚されず気高く生きるのか。さてさて。どんな生き方をするのも自分次第だ。

  • この人の、中国モノでない小説を読んだのは、これが初めてかもしれない。
    1991年に出た単行本が底本だとのこと。

    そう思うと、最初の、いかにもメタ小説メタ小説した「そして目に見えないもの」なんかは、まあ、90年代だなあ、と思っておけばよいのかな?
    冒頭の作品だっただけに、ちょっとガクッとしてしまった。

    でも、それ以降の作品はすばらしかった。
    西欧近代の男性的な文化を嘲笑するかのような「籤引き」。
    飼い猫に愛された男が、飼い猫虐待の仇を討つ「虐待者たち」。
    どちらも、イデオロギー的な主張だけが押し出されているわけでなく、むしろ主人公の男の中で、常識や日常性といったものがゆらいでいく様子が、とても印象的に描かれていた。

    最後の中篇「エピクトテス」は、主人公の姿に、精神の高潔さというのはこういうことなんだ、と思わせられた。

  • 短編集。中島敦文学賞受賞作です。酒見賢一であれば中島敦もご納得でしょう。
    実験小説あり古代ギリシャ哲学ものあり、文学と知識の交差点、知識人教養人というものの姿を見ることができます。
    酒見賢一は引出しが多い感じはしないけど、そこ深さを感じます。

  • 中国歴史小説でおなじみの、酒見賢一さんの短編集です。5つの短編が収録されていましたが、どれも一筋縄ではいかない面白さがありました。
    この作品で酒見さんは中島敦文学賞を受賞されたそうですが、作品の雰囲気は中島敦さんの作品に通じるものが感じられました。

  • 寄贈 資

  • 再読。「そしてすべて目に見えないもの」は陳腐な感じがしたけど、表題作、「エピクテトス」は如何にもらしい…虚構の築きかたが上手い。
    解説にあるような構成までは読み解けなかったけど、どうなんでしょうね。

  •  何とも切れ味のいい短編集。物語の持つ楽しさが一杯詰まっていて、しかも結論じみたことを押しつけてこないのが心地よい。古代ヨーロッパを舞台とした表題作ともう1編が、含蓄があって一番気に入った。おもしろい。

     でも、全体の量としてちょっと物足りない気分がある。もっと読みたくなるね、これは。

  • 表題の物以外のが楽しかったなぁ。

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