天帝妖狐 (集英社文庫)

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著者 : 乙一
  • 集英社 (2001年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087473421

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天帝妖狐 (集英社文庫)の感想・レビュー・書評

  • なぜかまた手を出してしまいました、ホラー怖いのに。

    「A MASKED BALL」
    あまり人の寄り付かないトイレで、カタカナの落書きを発見する。
    同じトイレの壁に、決まったメンバーが落書きをするようになり、それを密かな楽しみにするが、カタカナの落書きのとおりに、事件が発生する。
    カタカナの落書きは次第に過激さを増していく…。

    ちょっとぞくりとするけれど中田さん名義の色があった。
    少しミステリーの入った構成とか、飄々とした男子に裏表のある女子とか。
    学校を舞台にしたちょっとした不思議。

    そして、表題作の「天帝妖狐」

    杏子は、行き倒れそうになっていた、顔中に包帯を巻いた青年を助ける。
    夜木と名乗るその青年は、異様で暗い雰囲気を身にまとっていた。
    杏子は夜木の生活の面倒を見、夜木は工場に仕事に行くようになるが、ある日忽然と姿を消すこととなる…。
    夜木の抱えていた秘密、そして夜木を襲った凶悪な事件とは。

    おおおおお乙一ー!という摩訶不思議系なホラーです。
    一人こっくりさんをして「早苗」に魅入られ、人生を奪われてしまった少年。
    こわい!とりあえずこっくりさんこわい!
    昔、クラスの女子としたことあったけれど、ちっとも動かなかったなぁ。。。
    でも動かなくてよかった。
    こっくりさんなんて嘘っぱちという人も多いけれど、無防備な状態に低級霊が寄ってきて危険だという話になんとなく頷いてしまう。

    彼は、そんな運命を甘受しなければならないほど、一体何をしたというのか。
    ほとんど救いなんてないのに、壮絶な孤独の中で出会った一筋の光がただ眩しくて。
    もの悲しいお話でした。

  • 学校の怪談が苦手です。
    タッキーこと滝沢秀明くんがキラキラ可愛かった「怪奇くらぶ」も見てしまった後には後悔…
    「地獄先生ぬ~べ~」も回によっては怖すぎてうなされたほど…

    辻村深月さんの「ふちなしのかがみ」も学校の怪談がベースっぽいので手を出せずにいます。

    こちら、乙一氏流「トイレの花子さん」と「こっくりさん」。

    トイレの花子さんの顔の見えない怖さや、天帝妖狐における早苗のもたらした異変…きっかけが軽いものであるだけ、魔に取り込まれる危うさに震え上がります。

    しかも夜に読み終えてしまった…いやだよーう。
    伏見稲荷大社に行ってみたかったけど今はちょっと怖いな…

  • 夜木の手紙の最後の文章が印象的な作品でした。 彼はこれからの長い時間、孤独と絶望の中で過ごしながらも、きっと杏子との思い出を胸に生きていかなければならないのでしょう。 それは幸せなことのようでもあり、寂しいことのようにも思えます。 どうか神様、夜木を救って下さいと、お願いですから彼を呪いから解放してくださいと、思わずにはいられませんでした。 哀しいですが、優しく胸を打つ作品です。

  • 本交換会でゲット。久しぶりの乙一さん。「A MASKED BALL ァ マスクド ボール」「天帝妖狐」の2篇

    「A MASKED~」が新鮮でした。トイレの壁がまるでネットの掲示板のようで懐かしさと共に面白さがありました。(解説でも言われていたけどすごいや)。カタカナのメッセージを書いた正体は中盤くらいで察しがついたけど、それでも先が気になってついつい読んでしまった。

    「天帝妖狐」の世界観は悲哀に満ちていて切なかった。野良犬のような孤独や心細さ憎しみがひしひしと伝わってきた。夜木のキャラはシリーズ化したら良さそう。けど乙一が書く少女はいつも年齢よりも大人びていて、理想化されているようであまり好きになれない。杏子も心がきれいでお利口さん過ぎて、うーん…と思いながら読んだ。それにしても文章がきれいで読んですぐに頭の中で映像化できるので読むのが楽でした。

  • 表題作良かったです。夜木…。心が寂しくなりました。
    最後に泣きそうになりました。はい。

    A MASKED BALLもよかったです。とても読みやすく、次のページをめくるスピードが速かったです。物語の登場人物になれた感じで読めたので、凄く好きです。

  • もしも私が人間であったなら、ずっとあなたのそばにいたかった。
    さようなら、ありがとう、私に触れてくれた人。

  • 表題作の「天帝妖狐」が素晴らしいです。乙一の作品は文庫であれば大抵読みましたがその中でも5指に入るのではないでしようか。

    読み始めてまず「こころに似てるな」と思いました。手紙での罪の告白という形式的な点と、それから語り口。そう思った人は多いのでは?

    そして山月記のようでもありました。これは夜木が怪物の如き容貌であり、それゆえに人から自ら離れて暮らすところに虎のその後を重ねて読んでいました。


    全体的に暗い印象ですが、それでも情景を鮮明に思い浮かべることができるのはやはり乙一の描写力の凄まじさがあると感じた作品です。

  • トイレの落書きはストーリーのテンポがすごく良かった。犯人の目星がついてしまって意外性はなかったけど、繰り返されるかもしれないラストは面白かった。
    犯人も「反応してくれる相手がいるから」こそ大げさに動けたんだろうし、主人公も新たなスリルを求めている感じがしました。
    高校生らしい気概が嫌いじゃない。

    妖狐は狐の成分が薄かったけどホラー描写は乙一さんらしく読み応えがありました。切なくて少しだけ温かいラスト。

  • 乙一は久しぶりだったが夏の花火〜とはだいぶ違う。、良くない意味の方で

  • ホラーにしてもドラマにしても中途半端

  • 天帝妖狐
    グロ描写に耐性がある(というか積極的に読みたい)方なので秋山をいたぶる描写は何度も何度も読み返しました。
    私がこういう描写で心を惹かれるポイントは、いかにわかりやすく書いてあるかです。
    例えば、「顎の骨を砕く感じが、土の塊を崩すのと似てる」とか、
    骨を砕くところを「力を籠めていくとパンとはじけて潰れる」とか。
    やっているのは人あらざるものでも、自分でやっているかのように容易に想像できて好みの描写でした。
    逆に夜木が秋山達にいたぶられている時は(痛みに強い設定なので)淡々と自分の身体が今どうなっているか描いてあったのもわかりやすかった。
    自分自身が獣になって理性を忘れてしまうこと、そして永遠の時をさまようことを、杏子たちとのふれあいだけが救ってくれると言っていたのは切なかった。


    トイレのタバコさん
    乙一にしては普通の高校生が主役の話でした。
    ヒロインの猫かぶり具合がサイコーでしたね。清純そうな子が中指立てるとかファンキーすぎる。
    あと、東くんが友達だったらいいなぁ……。

  • 趣の異なる2編。
    どちらの味も好み。
    どちらかをあげるならエンタメ要素の強いA MASKED BALLの方が好み。
    ちょいひっかかる謎は残るがまた読み返せば氷解するのかも。

  • トイレの落書きのやつは途中まではワクワクしとってんけど、
    気付いたら、不良ぶっとったやつが何を正義感振りかざしてやがるんだとばかばかしくなってしまったw
    でもトイレ掲示板は楽しそうやと思ったよ。

    天帝妖狐は、秋山さんがロバートの秋山さんに脳内変換されて、怖いのにギャグになってしまい複雑な心境でした。
    こっくりさんまじこっうぇーって思った。

  • 筋少の曲にありそう

  • 表題作の天帝妖狐は乙一さん独特の筆致を感じさせるホラーファンタジーで、謎の青年・夜木が一人の少女に向けた手紙から始まる。途方もない孤独の中でただ一つ優しい思い出を手に入れた夜木。はたしてこの物語はハッピーエンドといっていいのだろうか。
    そして解説で我孫子さんも言っていたが、収録作「A MASKED BALL」のアイデアがすごい。目の付け所にセンスを感じるというか、トイレの落書きからミステリーを一本書いてしまうんだから、乙一恐るべし。

  • 乙一作品を一通り読んでからここに戻ってくると、「荒さ」が目につく。
    文章の一つ一つの言い回しであったり、伏線の貼り方のような技巧の部分であったり、キャラクター作りであったり、いろんな部分が荒削りな印象。

    だって、これを書いた当時の乙一は、18歳くらいだもんなあ。
    ここで物書きとして完璧に仕上がってたら困るよなあ。
    なんて、変に納得したり安心したりしてしまった。

    でも、目の付け所や切り口は光っていて、この頃の乙一はやっぱり「神童」であり「天才」だったと思う。どうやったら「トイレの落書き」からそんな話を思いつけるの。

  • 最近の乙一作品ばかり読んでいたため、逆に新鮮。
    表題作品よりも、他に収録されていた落書きの話が個人的には好き。

  • 乙一さんの中ではあまりかな。でも残酷な部分は健在。小学校のときに読んだ虎になっちゃう話に近い気がした。

  • (裏表紙より)
    とある町で行き倒れそうになっていた謎の青年・夜木。彼は顔中に包帯を巻き、素顔を決して見せなかったが、助けてくれた純朴な少女・杏子とだけは心を通わせるようになる。しかし、そんな夜木を凶暴な事件が襲い、ついにその呪われた素顔を暴かれる時が………。表題作のほか、学校のトイレの落書きが引き起こす恐怖を描く「A MASKED BELL」を収録。



    ***

    「A MASKED BELL」は、トイレの落書きを巡る物語である。学校の主人公しか行かないような外れにあるトイレの個室にある日、「ラクガキスルベカラズ」という自己矛盾のような落書きが書かれたことに始まり、次々とその壁にメッセージが書き込まれるようになる、というのが話の始まりとなっている。
    この物語の始まりだけでも魅力的で、そこから発展していく事件など、一気に読んでしまえるストーリー展開は流石乙一と言えるものだ。ただ、少し終わりが呆気ないような…それでも、凄くどきどきさせられる。


    表題作の「天帝妖狐」は、正直、ホラーにも関わらず、泣ける。始まりはこれからどう話が展開していくのか全く分からない内容になっているが、夜木という人物の世界の哀しみと喜びが、この短い話の中に詰まっていたのだと言ってもいい内容になっている。
    最後の1文には、心が潰れそうになった。(↓は最後の1文ではありません)


    「一生懸命、私を人間として扱ってくださったあなたのことを思い出す度、私は、自分が人間であることを忘れることはないでしょう」

  • 突然ですが、わたしは乙一氏は天才だと思ってます。でも「天帝妖狐」怖かったので(嫌いじゃないけど)星は3。「A MASKED BALL」とてもとてもよかったです。わたし的に乙一No.1は「ZOO」で「SO-far」と「SEVEN ROOMS」と「陽だまりの詩」がすごく好きです。読み終わった時、本当に秀逸だなあ!って思うのです。
    読んで良かった。おすすめです。

  • 「A MASKED BALL 及びトイレのタバコさんの出現と消失」
    タイトルも書き方もコミカルな表現だが、それが逆に "落書きが引き起こす恐怖" を煽る。伏線と起承転結がサックリしているので、読みやすいけど、僅かに物足りない。
    「天帝妖狐」
    ストーリーが単純で、不燃焼感......"描写" の部分だけはホラーだが......

  • 3/10
    乙一は読みやすい。設定が好きなので、最後が微妙でも損した気がしない。

    a masked 〜
    トイレの落書きでチャットし、不思議な事件が続く。犯人は微妙だけど、途中の事件とチャットがスリリング。

    妖狐〜
    コックリさんで死ねない体になった男と優しい女の子の話。最後は悲しく終わる。そんなに新鮮味はないが雰囲気がすき。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    とある町で行き倒れそうになっていた謎の青年・夜木。彼は顔中に包帯を巻き、素顔を決して見せなかったが、助けてくれた純朴な少女・杏子とだけは心を通わせるようになる。しかし、そんな夜木を凶暴な事件が襲い、ついにその呪われた素顔を暴かれる時が…。表題作ほか、学校のトイレの落書きが引き起こす恐怖を描く「A MASKED BALL」を収録。ホラー界の大型新人・乙一待望の第二作品集。

    愛娘からのお勧め本。2番目の表題作「天帝妖狐」を読む為の本と言っても過言ではありません。
    幼いころの過ちから孤独に耐えて長い長い時間を過ごさなければならなくなった夜木。瘴気を放つ彼に優しく手を差し伸べる杏子。ようやっと人間らしい生活ができると思った矢先に・・・。

  • 『こっくりさん』を皆さんご存知だろうか。
    幼少期に誰もが一度は遊んだことのあるあの遊びから物語は始まる。
    この作品の一番の見所は夜木という青年の外見とは裏腹に『人』としての醜さ、脆さの中にある誠実だから故の孤独感、そして愛を求める力である。また、その愛に触れた瞬間の人の心の温もり、情動が乙一の独創的且つ繊細なタッチで克明に描かれている。
    乙一ならではの表現力で残酷ながらも最後にどこか心暖まる愛のあるホラーファンタジーを是非。

  • 顎を砕いた後に指を一本ずつ折って…腕、肩、それから…

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天帝妖狐 (集英社文庫)の作品紹介

とある町で行き倒れそうになっていた謎の青年・夜木。彼は顔中に包帯を巻き、素顔を決して見せなかったが、助けてくれた純朴な少女・杏子とだけは心を通わせるようになる。しかし、そんな夜木を凶暴な事件が襲い、ついにその呪われた素顔を暴かれる時が…。表題作ほか、学校のトイレの落書きが引き起こす恐怖を描く「A MASKED BALL」を収録。ホラー界の大型新人・乙一待望の第二作品集。

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