なんて遠い海 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.21
  • (2)
  • (6)
  • (23)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 90
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087473711

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この人、はじめて読みました。
    過去がテーマの短編集というふうに感じました。

    ローランサンの話の構成良かった。ああいうの好き。
    なんて遠い海、は時代を感じさせました。
    あとなぜか、雪渓が心に残った。

  • 9つの短編から成る、よせては返す波のような愛のお話。夜学教師のじめっとした読後感が一番お気に入り。

  • 「暗がりローランサン美術館」”ぼくは不完全なものには耐えられないんだ。”完全なモノなんてない。例えあったとしてもいつかは必ず崩れていくよ。でも不完全なモノを置いておかれと不安になるのもよくわかる。。。特に人の気持ち。完全になんてなり得ないというのはわかってるけど…「最終公演、ワグナー」死の迫った指揮者との電話。人を好きになるって何なのだろう?結婚するって?わからなくなる。人それぞれの違いを見て好きという感情がうまれてくる?う〜ん。難しい。言葉で表現出来ない次元の事なのかもしれない。「夜学教師」ネコにすらヤキモチ妬くの。。。わかるかも。自分一人を大切に可愛がってほしいって思うのはみんな一緒。それが自分勝手な独りよがりなエゴだってわかっていても。社会の中の自分の立場とかタテマエは絶対気にしたくない。いつだって自分に自由でいたい。「雪渓」体温を感じられなくなるのは寂しいよ。時にはすべてを解決してくれる。欲望を満たすだけじゃなくて体温でぬくもりで心が温まる。いつまでもその幸せを感じていたい。「戻り雪」過去にとらわれて生きるのは辛い。とらわれるぐらいならどうしてその時行動出来なかったのか?だけど、いつも未来の事を考えて生きているわけじゃない。未来より今を生きる事の方が大切だから。

  • 最終公演、ワーグナー.
    この話が1番好き.苦しくて,少し泣いた.

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1962年北海道生まれ。北海道大学農学部卒。’90年『結婚しないかもしれない症候群』で鮮烈なデビュー後、’91年に処女小説『アクアリウムの鯨』を刊行する。自然、旅、性などの題材をモチーフに数々の長編・短編小説を執筆。紀行、エッセイ、訳書なども手掛ける。2003年『海猫』で第十回島清恋愛文学賞を受賞。

「2021年 『半逆光』 で使われていた紹介文から引用しています。」

谷村志穂の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×