プリズンホテル 4 春 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087473780

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  • 愛すべき人達が繰り広げる大団円。
    笑って泣けて、最高のエンターテイメント。

  • 416

    2017年では50冊目

  • 「プリズンホテル」シリーズ最終巻。まあ、大団円と言って良いのだろう。基本的に爆笑もののこのシリーズだが、個人的には木戸孝之介による暴力的な描写だけが玉に傷で、不快感を感じていた。最終巻に至って、彼もようやく第一次反抗期(ヤダヤダ期)を抜け出すわけだが、逆にその幼稚さが際立って、やはり不快感を覚えた。

    「冬」では、登場人物を爆発させ過ぎてかえって面白味を損なっていたが、「春」では、登場人物はそれなりに多いながらもきちんと濃淡があるため、物語としてのまとまりは遥かに良い。個人的には「秋」「春」「夏」「冬」の順に面白かった。

  • ヤクザが経営するプリズンホテルの春。
    問題をいつも引き連れてくる、
    プリズンホテルのオーナーの甥、木戸孝之介が宿泊に。

    今度の目的は、
    失踪した孝之介の義母富江の行方をさがすこと。
    それというのも、孝之介が
    文壇最高の権威「日本文芸大賞」の候補になったからだ。
    これでもう思い残すことはないと、
    自ら姿を消した富江を思うたびに、孝之介は心配でたまらない。
    富江が義母になってからずっと馬鹿にしていたが
    その反面とても頼りにして甘えていた自分に気が付いたのだった。
    富江の行方を捜しているのに、
    プリズンホテルにはまたしても、
    懲役五十二年の老博徒や演劇母娘など
    訳あり、いわくつきの珍客がやってくるのだが、
    娑婆(世間)ではありえない、従業員たちの接客の仕方で
    珍客たちの心の傷も癒えていく。

    そして迎えた「日本文芸大賞」受賞のとき。
    プリズンホテルのロビーで
    大勢の従業員たちに囲まれてカメラの前にたつ孝之介。
    ふいに鳴った孝之介の携帯電話からは
    懐かしい富江の声が・・・。

    晴れやかな授賞式に
    初めて通じ合った義母との親子愛。
    純情で涙もろいプリズンホテルの従業員たちの思いやり。
    ヤクザな世界の話なのに、
    なぜこんなにも温かな人々が群がっているのだろう。

    現代では通用しないような
    親子愛や子弟愛がみなぎっている。
    まさしく昭和の時代のエンターテインメント。
    楽しく読めたシリーズだった。

  • ところどころいい話があるシリーズでした。
    主人公の性格がなぜそうなっているのかを、ずっと物語の根底においているが、ない方がよかったかも。
    純粋にプリズンホテルの従業員、客の短編を集めていった方がおもしろかったかも。

  • 20151205読

  • 皆それぞれに辛い別れがあり、そこからまた新しく始まる人生。
    「終わりと始まりの春」にふさわしい作品でした。
    シリーズの中では春が一番好きです。

  • シリーズ完結編。ややあっさりとしたラストでしたが、じっくりと堪能しました。主人公に耐えられるならオススメのシリーズです。

  • なぜか冬を読んでからずいぶん空いてしまったものの、ついに完結。基本的には良い人ばっかりなのよねー、という事で少々穿って読みたくなる時もあるものの、まぁそこはええ話やなー、と素直に読んでおけば良いのかなぁ、と。

  • あー、良かったねぇ大円団…か?富江さん…

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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