オヤジの知恵 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087474374

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  • ・オヤジとは田中角栄、その側近秘書として連れ添い田中角栄の影響を受けた早坂茂三氏の著書
    ・田中角栄の三原則は食って、寝て、嫌なことを忘れる
    ・空は落ちてこない、山より大きな猪は出てこない、命まではとられない、世の中は良くなっている。
    ・小学校卒の田中角栄が頂上を極めるには、
    約束したら実行する、他人のために汗を流し、人が嫌がることを進んでする、手柄は先輩同僚に譲る、これを10年続ける。
    ・味方を増やすのではなく敵を減らす事が大事。こちらの雲行きが怪しくなれば味方は去る事もある、そんな相手に良い顔をしていくのは無駄である。
    ・悪口はその日のうちに相手に届く
    ・失敗はいやというほどした方がいい。失敗が骨に沁みて、不必要なリスク回避の反射神経が身につく
    ・真理は簡潔、具体、平明であること。長くて難解な説明は嘘があると用心すべき
    ・結論は先に、理由は三つまで。この世に三つまでまとめきれない大事はない
    ・子供には洗いざらい何でも話し、見せた方がいい。躾は10歳までが勝負、鉄は熱いうちに打っておいた方が良いが、一方で夫婦喧嘩など恥ずかしいところも見せておくことで反面教師になる。
    ・分相応に目立たず、万事控えめで、その職分を誠実にこなしていれば登竜門は開く
    ・お互いの一生は一回である
    ・夫婦が互いに自分の馬鹿さ加減を認めていれば、不要な傷をつけ合わなくてすむ

  • ブクログで初めて星5つをつけたと思う。そもそも社内で若くして出世し過ぎている奴に、心の"ひだ"を増やしてもらおうと、早坂茂三の本を贈ろうと思って買ったのだが、思わず自分で読み込んでしまった。。

    この本には人生、人情、成功、失敗、男、女、子、親などなど人間社会の全ての味わいが、平明かつ名文によってあますところなく書かれていると思う。短話、短話でこれだけ含蓄のある文章もそうないんじゃないかなー。

    若き頃からめちゃくちゃやってきた書生が師匠の田中角栄と共に天下を取り、そしてそこから奈落の底に突き落とされ、すべてが終わって諦観の中で人生訓を若い者の為に書き残している、そんな光景が目に浮かぶような本。そして、冒頭の目的は間違いなく果たしてくれる本だとも思う。

  • 総理大臣・田中角栄の元秘書:早坂氏が、田中角栄をはじめとした偉人たちが遺した蘊蓄含蓄ある言葉を、エピソードを交えて解説した文庫。見開き1ページで、その言葉が発せられた状況、意味が綴られているため、どこから読み始めても良いといった形態。通勤道中で読むのには、最適かと。

  • 長年、田中角栄の秘書を務めた早坂氏による角栄語録と、実体験に基づく解釈をまとめた一冊。いかにも昭和な、今ならパワハラ・男尊女卑などと批判されるものも少なくないし、阿吽の呼吸、惻隠の情といった、良さが否定されたものも多い。ただ、「空は落ちてこない」「しっかり飯を食う」「若者ほど頑固に」といった原理原則は強く納得できるし、元気にもなる。もう一つ、田中親分をしっかり支えた早坂氏のボスとの付き合い方、親分との信頼関係がかいま見え、こういう関係を築くことができると良いなあと思う。

  • <blockquote>「心づけは誰もわからんところで渡すんだ。カネが生きる」(P.54)</blockquote>

  • 厳しくも温かいメッセージが沢山詰まっています!

  • 田中角栄の秘書様。

    政界の人物評や人生で大事なことなんかがわかる。

    自分もいましめて生きよう!

  • あとがきより。
    角栄が若い人に色紙を書くとき、好んで書いた言葉がある。
    末ついに海となるべき山水も
    しばし木の葉の下くぐるなり
    誰でもいきなり総理大臣や会社の社長、億万長者になれっこない。コツコツやることだ。山の向こうを見ても援軍はこない。他人を当てにするな。自分のことは自分でやれ。意志あれば道あり。青年よ、荒野を目指せ。その先に地平が拓ける。これが角栄さんに代わって青年に贈る僕の結びのメッセージです。

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著者プロフィール

早坂 茂三(ハヤサカ シゲゾウ)
政治評論家
1930年北海道函館市生まれ。1955年早稲田大学政治経済学部卒業後、東京タイムズ社に入社。政治部記者時代に田中角栄氏と出会い、以後23年間、敏腕秘書として勇名をはせた。「日本列島改造論」の名づけ親でもある。田中氏の病気療養を境にフリーとなり、政治評論家として活躍。『オヤジと私』を皮切りに、『田中角栄回想録』『政治家 田中角栄』『駕籠に乗る人担ぐ人――自民党裏面史に学ぶ』『宰相の器』『鈍牛にも角がある』『意志あれば道あり』(以上、集英社文庫)など多数の著作を出版する。2004年、肺がんのため逝去。

「2016年 『田中角栄と河井継之助、山本五十六』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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