白夜行 (集英社文庫)

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著者 : 東野圭吾
  • 集英社 (2002年5月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (864ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087474398

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白夜行 (集英社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • H29.9.24 読了。

    ・東野圭吾の長編小説。まさかの結末にすっきりしない気持ちが残る。事件関係者の中の小学生の男女が30歳ぐらいになるまでを時代背景とともに描いており、小説の中に出てくる黒電話→ポケベル→携帯電話の変遷やガラスのケースに収められた洋物のタバコやブランドスーツやブランドライターなど昭和を思わせる物に懐かしさも感じた。
    ・小説自体は、事件につながる内容が所々にちりばめられているも真相は…。歯がゆい思いをした。

  • ちょっと長くてちょっと古い。それでも圧倒的な話だった。
    最後に番狂わせとか深く感動することがあるわけじゃなくて、むしろ少し腑に落ちないこともあるので東野作品の傑作!と他人におすすめすることはないですが、東野さんの初期作品で有名な小説、じっくり固めていくこの構成、読んで良かったと思う。特に「疑惑を持って追っていく」立場の登場人物たち(笹垣や篠原や今枝、それと読者への見せ方)それぞれの、現在の状況と認識の書き分けがすごく上手い。

    ほのかに見え隠れする悪意と接点が、どうやって現在から18年前?20年前?の過去につながっていくのか、続きが読みたくて仕方がない。
    でも最後まで読み終えて、途中なんとなく惰性で読む部分があって、なんとなく回収しきれてないモヤモヤしたものが残る。桐原の性癖とか雪穂の最終目標、とか。

  • 男と女。彼ら二人の接点や内面は描かれていないにもかかわらず、彼らを取り巻くさまざまな人の視点から、二人のつながりが浮かび上がってくる。一見、明るい太陽の下に生きる女と、暗い夜に生きる男のように思われるが、白夜のような昼とも夜ともいえない時間を、二人だけで過ごすことを選び、その世界は決して周囲の世界と交わらないように感じた。幼いころの忌まわしい記憶を共有する二人は、夜がおわり、朝が来ることを望むことができない世界で、お互いだけを信じて生きていかねばならなかった。二人を取り巻く世界で起こる事件に深く関与する男と女として、冷たい心をもった恐ろしい人間像を想像してしまいそうになった。しかし、幼いころに彼らの心を冷たく閉ざしてしまった原因が、実は身近な大人にあったことが分かった瞬間、彼らの言動の裏にはどれほどの悲しみや苦しみ、憎しみがあり、それを抱え続けなければならなかった現実に、胸がしめつけられるようだった。きっと二人は、誰よりも「愛されたい」と願っていた。自らの欲望を満たすためだけの無自覚で身勝手な大人の行いこそが、何よりも冷酷で恐ろしい。

  • おもしろかった。ひきこまれた。
    最初、なんの話なのかさっぱりわからなかった。章ごとに時代が変わり、登場人物が変わり、混乱した。しかも事件・出来事は解決しないで終わってしまう。何が起きているのか、なんの意味があったのか見えてこない。はっきり言って最初は引き込まれなかったし、つまらないと感じた。読み進めていると2人の男女が浮かび上がってくる。でも2人の一人称の心情や描写はまったくない。他の登場人物からの視点でしか語られない。そんな不明瞭なことが続いていくが、だんだん2人が何をしたのか、どうつながっているのか、なんの意味があったのか見えてくる。パズルが埋まってく感覚にすごい引き込まれた。他人の視点からしか書いていないから想像するしかない、でもそれがまた楽しい。どんどん知りたくなって読み進めた。

  • ドラマを何回も見て大好きな作品だったため本を読んだ。雪穂の「ずっと夜を生きてきた。でも太陽に代わる存在があった」という感じの部分が途中にあったけど、そこで2人の絆の強さを感じた。決して亮司は利用されてないんだなって。。。 あと、ドラマの山田孝之は本の人物像を見事に表現できてると思った。すごく面白い作品だった。

  • 800ページを越える長編だったが、あっという間に読み終えた気がする。最後は、『あー、そいつが悪いやつやねん』と言いたくなったが、それが作者の狙いか。悪い奴は、捕まって欲しいものだ。

  • 10年ぶりくらいに再読。もっとかな。相変わらずとんでもない重さの文庫本で、でもこれを上下巻に分けてしまったら魅力は半減するんじゃないかなと思います。文庫にはあるまじき持ち歩けないほどの重さですし、ちょっと手首がしんどいのですが、東野作品の最高傑作だと思うので我慢です。一番好きな東野作品は別にありますが、間違いなく彼の一番の代表作と言っても良いのではないかと思います。
    主人公ともいえる雪穂と亮司視点のシーンが一切ないことが、より一層凄みのある作品になってます。多分2人がチラリとでも自分の感情や気持ちを語っていたら白けたかもしれません。あくまで限りなく黒に近いグレーで、雪穂と亮司の犯罪を臭わせているだけ。2人の間に信頼関係があるのか主従関係があるのかそれすら想像するしかないですが、雪穂が雪穂でいられるのは亮司の前だけで、亮司が亮司でいられるのも雪穂の前だけだったらいいなと思います。

  • 読書に関しては特にこだわりはありません、作家とかジャンルとかね。

    気になった作家やタイトルをメモしておき、ブックオフの100円コーナーにあれば買う→読む。図書館は利用しないです。ハードカバーばかりで文庫本がなく、返却が面倒くさいので。

    今回は人気作家です。
    メモされたきっかけは重松清「疾走」が好きで、あの読後感をふたたびって事でググっていたらひっかかった作品が「白夜行」、この小説だけでなく他にも色々とピックアップしてますので、この文章は何度となく私の感想文の冒頭に登場してます。

    分厚い本で100円とはお得、と思い購入しました。裏表紙のあらすじを読んでみても確かに「疾走」を彷彿とさせるストーリーだなと思い、楽しみにしながら読み進めました。

    分厚い本ですが、どんどん進みます。伏線がはられ、各章毎にうならされるオチ。主人公の男女が気になって気になって基本的に通勤読書なんですが、電車乗り越してしまいましたよ(笑)

    しおりが右から左に進んでいきますが、主人公達の布石もあらゆるところに打たれてます。え、残りのページで拾い上げられるの?って不安が。
    明確な拾い上げ無く、エンディングです。 これが裏表紙にある壮大な叙事詩って意味かぁ~

    「疾走」とは全く違います、ヤフー知恵袋で聞かれても「逆夜行」はオススメしません。いや、単純に面白い小説としては絶賛オススメ中ですが。

    二人の主人公は罪を犯すのですが、愚行ではないんですよね。バカではないんです、むしろ賢いのです、そろばんずくな犯罪なんです、「疾走」のような閉塞感があってないんです。
    そして、二人の主人公は状況からどこかで会い、罪を企て、寄り添いながら白夜を生きているんです、たぶん。だが二人の接点は全く描かれていません。きっとなされているであろう二人の会話も描かれていません。
    あえて描かない選択です、落語家が噺のオチを多弁に語らない様に。

    が、白夜を行かざるを得ない二人の背景が哀しいだけに、質屋殺人事件の全容も含めそこは描いてほしかったかなぁとも思うし、描かないのがこの小説のよさなのかなぁとも思う。いや質屋殺人事件の全容は描かれていますが、叙事詩的と言うか事象を最小限に書いているだけとの印象をうけました。

    著者は松本清張に影響を受けたそうなんですがそれは読んでいて感じました。
    いわゆる社会派推理小説。なぜ罪を犯すのか?うん、これは現在の「砂の器」だ。

    崩れ落ちるウェットサンドの十字架を背負い白夜の道を行く。陽の下を歩こうものなら堅くかたまってくれるものを私たちはそれが許されない宿命。つまづけば崩れた十字架に埋もれ息絶えてしまう。つまづいては駄目なのだバランスを崩したら駄目なのだ完全犯罪でないと駄目なのだ。


    この作品、直木賞にノミネートされましたが残念ながら選にもれました。
    氏のあえて書かない試みは評価されているみたいですが、受賞には至らず。


    砂の十字架を背負った主人公たちに感情移入したいのに作者がそれを許さない。もどかしさ、もやもや感が残る読後感でしょうか。質屋殺人事件の真相が徐々に明らかになるにつれ徐々に感情移入させてほしかったかもね。

    この「白夜行」には続編があるらしい。
    続編と公表されていないような感じもするが、続編らしい。

  • 今まで読んだ中で最も好きな本である。
    私はジグソーパズルをするのが好きなのだが、これはまるでジグソーパズルのようなストーリーだと思う。
    「このピース、何だか分からないけど重要な部分で必要な気がする・・・すごく引っかかる、でも何だか全く分からない・・・」というピースがあり、あるとき他のピースとぴったりはまった瞬間に得られる快感、それと似た感覚をこの本を読んでいると何度も味わうことができる。
    作者は「このピースは実はこういうことだったんですよ!」という明らさまな種明かしはしない。主人公2人以外の登場人物の視点を通して、伏線がどういうことだったのか暗示するのである。その暗示により、頭の中で自分でピースとピースを組み立てる作業をしているような気分になる。
    余りにも引き込まれ、読み終わってから三日間位はこの本の世界観から抜け出すことができなかった。このような本は他に読んだことがない。
    (補足)続けて風と共に去りぬを読むとさらに面白さが倍増する。

  • ほぼ初めての東野圭吾、分厚い白夜行。

    こんなメジャーの作家さんの作品をちょー笑顔で肯定するのはこっ恥ずかしいけどスゲー面白かった。

    伊坂も好きだし東野圭吾も好きだしってなると、どんだけ流行りもの好きなんだよ感じだけれども、結局は人気がある作家さんにはやはり、人気になるだけの理由があるのだなーと思ったわけで。

    まず、やっぱり読みやすい。そして正直、気持ちの良い内容の話ではないのに、本の中がとても居心地が良い。これほどまでに、「ずっとあっちにいたい、仕事行きたくない、早く続きが読みたい。」って状態になったのは久しぶりだったかも。

    作風については、すごく“臭わせてくる”作りだったと思う。
    わざと読者に分かるようにヒントを散りばめてくるので「もしかして~なのか」ってイメージをずっと維持したまま最後まで読んじゃったって印象。
    こういう読者に親切な小説はあまり読んだことが無かったので個人的には新鮮。

    最初から最後まで主人公達が一人称で語らないって構成だったというのもあるかもしれないけれど、神目線でも第三者目線でも一切を断言せずに、状況だけで説明されているような、主人公についての噂話をずっと聞いているような不思議な感じ。

    そしてストーリー。とにかく「白夜行面白いから読んだほうが良いよ」って今更ながら言ってまわりたい気分なんだけれど、いざどんな話なの?って聞かれるとスゲー説明に困る。
    読んで欲しいからネタバレはもちろんダメなんだけれど、そうするとどうやってあの“黒い薔薇”のことを説明すれば良いのか。

    えーと、19年前にある殺人事件が起きて、その事件の担当刑事と、その被害者の子供と容疑者の子供の話で、章を追うごとにその子供達は成長していくんだけれど、いつも物語の中心にその子達はいなくて、ある章では近所の女子高の美人の子で、ある章ではコンピューター会社を運営してたり、ある章では誰かの奥さんだったり、、、そんで一見バラバラに見える各章の人物だったり、出来事だったりは良く見ると繋がっていて、それに気づいた刑事が、、、みたいな良く分からない説明をするハメになる。

    とにかくマジ怖えーよ黒い薔薇。

    そしてオレが小説を読むときの楽しみの一つに、なぜこのタイトルになったのか。というのを想像しながら読む、あわよくばその元になったであろうシーンを見つける。っていうのがあるんだけれども、この「白夜行」ってタイトル、作品のイメージにぴったりで良いですね。

    中華料理屋の回るテーブルの上に置かれた料理を次から次へと食べながら、あれ、この食材はさっきの料理にも使われていたような。とか、この料理の隠し味はなんだろう。とか考えていたら、いつの間にか凄い量の料理を平らげていました。そんな感じの小説でした。

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白夜行 (集英社文庫)の作品紹介

「白夜行」は今やミステリー小説の大家、東野圭吾の長編小説です。
質屋殺しの被害者の息子と容疑者の娘の二人が数奇な運命で結びつきます。もともと連作の短編として執筆された作品が単行本では長編として再構成されており、短編小説ならではの小気味よさと長編小説ならではのダイナミズムを併せ持つ壮大な小説となっています。

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