白夜行 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
4.11
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本棚登録 : 46047
感想 : 3783
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  • Amazon.co.jp ・本 (864ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087474398

感想・レビュー・書評

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  • 図書館の予約で受け取った瞬間、分厚さにギョッとしました。
    匂わせの連続でおなかがいっぱいです。頭のなかは、霧なのか靄なのか、それこそ白夜なのか、ぼんやりしている感じです。

    馳星周さんの解説がズバリでした。
    「主人公ふたりの内面は一切描写されない。行動ですら、すべてが描写されるわけではない。にもかかわらず、物語がすすむにつれ、ふたりの背中には哀切が漂いはじめる。白夜に照らされた虚無の道を行くふたりの姿に、読む者の心が動かされて行く。」

  • 面白い本なのですが、860ページもある大作で、読むのに少し時間がかかってしまいました。
    大阪の布施や上本町、ミナミも舞台になっています。
    人間像など面白く、東野氏の作品の中でも代表作に入ると思います。
    ただ、事件が多く起こるので、気分的には少し重く感じました。

    「幻夜」という作品があり、「白夜行」との関係が噂されています。
    今回の東京出張に「幻夜」をもって行く予定です。
    こちらも大作です。

  • よくできたストーリーだなと思う一方で、結局のところ亮司と雪穂はどうしたかったんだろう。どうなりたかったんだろう。と思う。

    自分を売った母親や買った大人を殺すのは分かるし、それがバレるリスクのある人たちを排除するのは分かる。
    美佳を襲わせる意味は?
    笹垣を始末しないのは?
    なぜ典子を大阪に連れていった?
    みんな不幸やん、、、。

    ただ2人の心理描写が全く無しで想像させるのは凄い。
    鍵に付いてる鈴が鳴るところで、おぉ、、、となった。
    篠塚一成がめちゃ良い男。

    と色々言ってるけど面白かったのは確かです(笑)

  • 最後の最後でやっと真相が分かり、思わず、「なるほど」と言ってしまいました。その結末は、僕が想像していたものとは全く違うものでした。
    長くて最初は、狼狽えたけど、面白くて一気に読んでしまいました。

    流石東野圭吾さんです。

  • 評価も高く、映画化・ドラマ化もしているので気になって購入していましたが、
    本の分厚さに圧倒され積読状態になっていたのをやっと読了。

    所感としては、ミステリーではなくある特定の人物の物語を第三者目線で見ているような感覚でした。
    約800頁にもなる物語も中弛みする事なく、するすると読み進められる文体、
    その特定の人物に関する心理描写がない為、ドラマを見ているような感覚で心情を想像しながら楽しむ事が出来ました。
    上記にも記載の通り、謎部分はあからさまに隠される事もなく、どちらかというと展開を楽しむようなストーリー重視の印象。

  • どうかな?
    ただ、間違いなく良い小説です。
    ページが減っていく中で結果はどうなるのかと、グイグイ引き込まれた。最後の最後が少し物足りなかったかも?

    映像化されている様なので、観てみようと思う。雪穂役は誰が演じてるのかしら?

    • ちゃたさん
      くりくんさん
      はじめまして。ちゃたと申します。この度はフォローありがとうございます。白夜行、前々から気になっていて名作らしいけどどうなのかな...
      くりくんさん
      はじめまして。ちゃたと申します。この度はフォローありがとうございます。白夜行、前々から気になっていて名作らしいけどどうなのかな?と手が伸びずにいました。レビューを拝見して読んでみようと思いました!
      2024/01/22
    • くりくんさん
      ちゃたさん、本棚を拝見させて頂いたところ、勝手に親近感が湧きフォロー致しました。
      よろしくお願いします!
      ちゃたさん、本棚を拝見させて頂いたところ、勝手に親近感が湧きフォロー致しました。
      よろしくお願いします!
      2024/01/22
  • 本の分厚さに一瞬怯むけど、ページを開いて読み始めたのなら、読者はその瞬間、白夜が続く世界に引きずり込まれ、薄明るいもやもやした道を彷徨うしかない。

    1973年、質屋きりはらのオーナーの桐原洋介が他殺死体で発見された事件から、この物語は始まる。そこから約20年間の年月を描いたのが、この『白夜行』という大作だ。
    この話の主役は、殺された桐原の息子(当時小学5年生)と、その後にガス中毒の事故で亡くなったとされた西本文代の娘の雪穂(亮介と同学年)だが、その二人の心情は一切書かれていない。
    よって、事実は証拠を元に突き止めることはできたが、彼らが実際にどう考えていたのかという真実は、哀しいラストを迎えたあとでも想像の域を脱することはない。

    あまりにも暗く、やるせない話だ。
    幼い頃の雪穂が背負わされていた人生があまりにも過酷なので、最初に犯した罪は、確かに罪なのだが、罪でなくてもいいじゃないかと思ってしまう。
    どこかの誰かが、この話を究極の恋愛小説だと評していて、それを目にしたとき「これは恋愛小説なのか?」と思ったが、でも読み終えてから時間が経てば経つほど、亮司の雪穂へ対する絶対的な気持ちが見えてくる。そうか、これが愛なのか。
    じゃあ、雪穂は亮司をどう思っていた?
    わたしは、亮司の一方通行な想いだったのではないかと思う。おそらく雪穂は、自分のこと以外の人間はどうなろうと全く気にしない人間になってしまったのではないか。
    雪穂は亮司の気持ちを知りながら、20年間ずっと利用し続けた。
    亮司もそれを知りながら、ひたすら雪穂に尽くした。
    わたしはそう理解した。
    作者の本当の意図は分からない。
    主人公の二人の沈黙が、それを許さないから。

  • 昔読んだ。

    ドラマも見てたけど綾瀬はるかは、私にとってイメージと違うんだよね…

  • 伏線の張り巡らせ方、そして伏線の回収の仕方がすごくて、最後は夢中になって読んだ。
    愛情(異性としての愛以外も含め)は人から人へ伝染するもので、この小説の場合、その愛とは歪んだものだった。だから、歪んだ愛を受けて育った雪穂に関わる人たちはみんな歪んでしまい、不幸になっていったのかなと思った。
    良かったけど、強いて言うならもうちょっとスッキリと解決して欲しかったな〜。それぞれの事件の真相をもうちょっと知りたかったし、なんなら犯人側の心情ももう少し触れたかった。

  • 他人目線で書いてある分客観的であるが、
    その人が何考えてるかわからないから私的にはふわっとしててあともう一息欲しい感じ

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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